英語が苦手な子ほど「まず覚える」で良いことがある

英語が苦手な子ほど「まず覚える」で良いことがある

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学び
私は普段、中学生に英語を教えるとき、できるだけ文法の仕組みを理解してもらってから覚えてもらうことを大切にしています。

なぜこの形になるのか。

なぜこの単語を使うのか。

なぜここでは動詞がこの形になるのか。

できる限り、生徒が理解できる範囲で理屈を説明します。

私自身、

「何も分からないまま丸暗記するよりも、理解したうえで覚えた方が効率がいい」

という考えを持っているからです。

この考え自体は、今でも変わっていません。

ただ最近、特に英語が苦手な中学生を教えている中で、

「理解してから覚えることにこだわりすぎるのも、逆に生徒の負担になるのではないか」

と感じるようになりました。

分かりやすく説明しているつもりでも、生徒の表情が曇る

授業中、文法について説明していると、明らかに生徒の表情が曇ることがあります。

さっきまで普通に話していたのに、急に反応がなくなる。

少し考え込むような表情になる。

そして、

「分かった?」

と聞くと、

「分かった」

と答えます。

ただ、私は生徒の「分かった」という言葉を、そのまま信用しすぎないようにしています。

これは決して、

「子どもは嘘をつくから信用しない」

という意味ではありません。

むしろ逆です。

子ども自身も、分かりたいと思っています。

先生に説明してもらったのであれば、

「自分はちゃんと理解できている」

と思いたい気持ちもあります。

また、大人である先生から

「分かった?」

と聞かれれば、反射的に

「分かった」

と答えてしまう子も少なくありません。

先生に、

「ちゃんと理解できている子だと思ってもらいたい」

という気持ちもあると思います。

だから私は最近、

「分かった?」

と聞くより、

「ちょっと分かりにくいよね」

「ここ、難しくない?」

と声をかけることがあります。

そうすると、

「実は分からない」

と言ってくれることがあります。

だからこそ、講師や大人の側が、生徒の言葉だけではなく、表情や反応、実際に問題を解けるかどうかまで見て、

「本当に理解できているのか」

を判断してあげる必要があると思っています。

理屈を教えること自体が負担になることもある

先生側からすると、

「この説明なら簡単だろう」

と思うことがあります。

しかし、英語が苦手な生徒にとっては、その説明を理解するために、さらに別の知識が必要になることがあります。

例えば、

「主語が三人称単数だから、現在形の一般動詞にはsをつける」

と説明したとします。

英語がある程度できる生徒であれば、この一言で理解できます。

しかし、

「主語って何?」

「三人称って何?」

「単数って何?」

「一般動詞って何?」

という状態の生徒にとっては、一つのルールを理解するために、さらに四つの言葉を理解しなければなりません。

先生としては一つのことを説明しているつもりでも、生徒の頭の中では大量の情報を処理する必要があります。

そうなると、

「覚えること」よりも、

「理解すること」

の方が大変になってしまいます。

私は、ここまで負担を増やしてしまうのであれば、無理にすべてを理屈から理解させなくてもいいのではないかと思うようになりました。

「今はそういうものとして覚える」も立派な勉強

英語には、

「まずはそういうものとして覚えてしまった方が楽」

というものもあります。

例えば最初の段階では、

I am

You are

He is

をセットで覚えてしまってもいいと思います。

もちろん後から、

「am、are、isは全部be動詞という仲間なんだよ」

と整理してあげればいい。

つまり、

「理解してから覚える」

という順番だけでなく、

「まず覚える」


「実際に使う」


「あとから仕組みを理解する」

という順番があってもいいと思います。

特に英語に苦手意識が強い生徒にとっては、

「これは今はこういうものとして覚えておけば大丈夫だよ」

と言ってあげることも、一つの優しさなのではないでしょうか。

もちろん、全部丸暗記すればいいわけではない

ここまで書くと、

「じゃあ英語は全部丸暗記でいいの?」

と思われるかもしれません。

私はそうは思っていません。

むしろ、覚える量が増えてきたときほど、理解することが重要になります。

例えば10個の表現を一つずつ丸暗記するより、

「この10個には同じルールがある」

と理解できれば、覚える量を減らすことができます。

理解することで、

覚えやすくなったり、

忘れにくくなったり、

初めて見る問題にも対応しやすくなったりします。

だから、理解すること自体は非常に大切です。

問題なのは、

「何でも最初から理解させなければならない」

と考えてしまうことだと思います。

大切なのは「理解か暗記か」ではなく、その子に合っているか

結局のところ、

「理解が大事なのか」

「暗記が大事なのか」

という二択ではありません。

大切なのは、その生徒にとって、

「今、どこまで理解させるのが適切なのか」

を考えることです。

理解する余裕がある生徒には、理屈までしっかり説明する。

一方で、英語が苦手で、説明を聞くだけでも負担になってしまう生徒には、

「まずここだけ覚えよう」

と伝える。

そして、ある程度英語に慣れてから、後から理屈を付け加えてあげる。

私は最近、このバランスが非常に重要だと感じています。

講師側が説明したいことを全部説明することが、必ずしも生徒にとって一番良い授業とは限りません。

理解させることそのものが目的なのではなく、

最終的に、その生徒が英語を使えるようになること。

問題を解けるようになること。

そして、

「英語って思っていたよりできるかもしれない」

と思ってもらうこと。

そのためには、ときには

「まず覚える」

という選択肢を取ることも、必要なのだと思います。
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