夜、布団に入った途端、頭が静かにならない夜がありました。
昼間の悩みやこれからの考え事が頭を巡り、気づけば何時間も経っている。あの感覚、覚えがありませんか。
私は、昔からいろいろなことに対して、どうしても悲観的に考えてしまう癖があります。同じような傾向を持っている方も、少なくないのではないかと思います。特に苦しかったのは、夜、布団に入ったとき。静かになった途端、昼間の悩みやこれからの考え事が頭を巡り、眠れなくなってしまうのです。
さらに言えば、それは夜だけに限りません。昼間、仕事をしたり普通に生活しているときでさえ、ふとした瞬間に前触れなく、あの「現実離れした不安」が頭に浮かんでくるのです。
「明日、もし上手くいかなかったらどうしよう」
「さっきのあの人の態度、もしかして……」
冷静に考えれば、とうていあり得ないような最悪のシナリオなのに、一度浮かんだら最後、昼も夜も関係なく頭から離れなくなってしまいます。
当時の私は、この苦しさを「自分の性格だからしょうがない」と諦めていました。しかし今は、ネガティブな傾向自体はたまに顔を出すものの、それで悩むことはまったくなくなりました。
なぜなら、あれは私の性格のせいではなく、脳がネガティブな情報を何度も噛み直してしまう「反芻(はんすう)思考」という状態だったと気づけたから。そして、その暴走に対する「コントロールの方法」を身につけたからです。
1. 脳は放っておくと、昼夜問わず突っ走る
私たちの脳は、とても優秀です。優秀だからこそ、夜の静寂だけでなく、昼間のちょっとした「隙間の時間」にも、未解決の不安を何度も引っ張り出してチェックしようとします。
これが「反芻思考」の罠です。
一度浮かんだ現実離れした不安を、脳は「放っておけば時間が解決してくれる」なんてことはしてくれません。自分で止めないと、昼間だろうが夜だろうが、気になって仕方なくなるのは当然のことなのです。脳が勝手にネガティブな方向に突っ走るのを止めるには、どこかのタイミングで、自分の意志でストップをかけるという「介入」が必要になります。
2. リアルな現実:思考を止めても「不安は残る」
ここで、多くの人が誤解しがちなリアルな現実があります。
それは、「頭の中で思考をストップさせても、魔法みたいに一瞬で不安がゼロになるわけではない」ということです。考えるのを無理やり止めても、胸のざわざわや、嫌な不安感そのものはそこに「残る」のが普通です。
昔の私は、その残った不安感に耐えかねて、「やっぱり気になる!」とまた考え始めてしまっていました。今の私が昔と決定的に違うのは、「不安は残ったままでも、何度も思考を中断し、意識の注意を別のところに逸らす」ことができるようになった点です。
不安を消そうと戦うのではなく、不安を置いたまま、意識を別の場所へ引っ越すイメージです。
3. 小さな「やっぱり大丈夫だった」の積み重ね
いきなり大きな不安をコントロールするのは、誰だって難しいものです。これは脳の筋トレのようなものだからです。
だからこそ、まずは日常の「小さな不安」から意識を逸らす練習を繰り返しました。
昼間、ちょっとした心配事が浮かんだときも、「あ、また始まったな」と気づいて一度思考を止め、あえて目の前の別の作業に没頭したり、別のことを考えてみたりして、意識を逸らしてみる。
そうして意識を逸らして過ごしているうちに、後から振り返ると、あることに気づきます。
「あ、色々心配していたけど、やっぱり大丈夫だったな」
この、小さな「やっぱり大丈夫だった」という成功体験の繰り返しこそが、脳の回路を少しずつ、確実に書き換えていってくれます。
性格のせいにするのをやめると、心は落ち着く
いつでも襲ってくる現実離れした不安は、あなたの人間性や性格の問題ではありません。単なる「反芻思考」という脳の仕組みのエラーです。
すぐに不安が消えなくても大丈夫です。不安は残ったままで構いません。
大切なのは、「まずは、自分が不安を考え始めてしまったと気づくこと」。そして、「気づいた時に、意識の注意を別のところに逸らしてみる」こと。
いきなり大きな不安をコントロールするのは難しくても、日常の小さな不安から意識を逸らす繰り返しで、反応は少しずつ変わっていきます。
もしまた頭の中でぐるぐるが始まりそうになったら、まずは「あ、今考え始めてるな」と一歩引いて気づくこと。まずはそこから始めてみてください。
思考の流れや内側の整え方は、コンテンツマーケットに整理しています。気になった方はのぞいてみてください。