1本のメイキング動画に、クリエイターの「狂気と救い」のすべてが詰まっていた話

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「神は細部に宿る」を目の当たりにした話。
MGS4のメイキング動画がヤバい
YouTubeでたまたま流れてきた、1本の動画を観た。

『METAL GEAR SOLID 4』という大ヒットゲームの制作現場を追った、30分ほどのドキュメンタリー映像だ。
10年以上前の動画だけど、クリエイティブに関わる仕事をしている人なら間違いなく胸が熱くなるような内容だった。

観終わった後、ただただ「うわ、すっご…」と口から漏れてしまった。

映画やゲーム、あるいはちょっとしたWeb映像でも、観ている側が「理由はわからないけど、なんかこれ凄くない?」と感じる瞬間がある。
その「なんかスゴい」の正体が何なのか、この動画にはその答えがこれでもかと詰め込まれていた。

締め切り直前に「セリフ」を変える狂気
一番ハッとさせられたのは、開発の本当に最終盤、マスターアップ(完成)の直前のシーンだ。

現場は当然、締め切りとバグ取りに追われてピリピリしている。
これ以上データに手を加えると、新しいバグが発生して発売日に間に合わなくなるリスクがあるからだ。
プログラマーのリーダーも「これ以上作業を増やすのは限界だ」と必死に訴えている。

そんな緊迫した状況の中で、監督の小島秀夫さんはこう判断する。

「キャラクターの表情のクオリティが上がったから、ボイスをもう一回撮り直そう」
さらに、エンディングの一番最後に出てくる、作品の核となるセリフまで変更してしまうのだ。

観ているこちらまで「え、この土壇場でそこ変えるの!?」とヒヤヒヤしてしまった。

空の色味を何度も微調整したり、雪の質感がイメージ通りに出ないからとギリギリまで粘ったり。
「そんなの、誰も気づかなくね?」「妥協してもバレないんじゃない?」と思ってしまうような部分を、制作者の目が絶対に許さない。

現場の摩擦も、焦りも、妥協を許さない執念も、全部が剥き出しになっていた。

でも、人が何かに深く感動したり、何年も記憶に残り続けたりする理由って、まさにこの「言われなきゃ誰も気づかないような微調整の積み重ね」なんだと思う。
神は細部に宿る、とはよく言ったものだけど、その「細部」を作るためにどれだけの泥臭い試行錯誤があるのかを思い知らされた。

自分の中の「まあいっか」を崩してくれる
ものづくりや何かを形にする作業をしていると、どうしてもどこかで「まあ、このくらいでいいか」と妥協したくなる瞬間がある。
特に一人で作業していたり、時間や環境に制約があったりすると、なおさらだ。

僕自身も普段こんな大それたレベルではないし今年から始めた赤ちゃんだけど
動画のアニメーションを作ったりエフェクトをいじったりしているけれど、「もうちょっと質感を詰めたいな」「文字の動きがペラペラしててダサいな」と思いつつも、手間に負けそうになることがよくある。

でも、この動画で命を削るように作品と向き合っている大人たちの姿を観ていたら、なんだか背筋が伸びる思いがした。

完璧を目指すというのは、別に大層な理想を掲げることじゃない。
自分が違和感を覚えた部分に対して、どれだけ素直に、泥臭く手を動かし続けられるか。
ただそれだけなんだと。

明日から、また少しだけこだわってみる
小島監督が動画の中で「ゲームはユーザーが遊んで初めて完成する」という趣旨のことを言っていた。

誰かがそれを受け取って、驚いたり、ワクワクしたり、感動したりする。
その一瞬の体験のために、作る側は何十時間も、何百時間もかけて細部を捏ね繰り回す。

効率よく作業することも大事だけど、それと同じくらい
「自分が『これヤバい!』と思える質感」にどこまで執着できるかが、クリエイターとしての面白さなのかもしれない。

ちょうど僕も、明後日にはパソコンの交換パーツが届いて、2.5dだけではなく
新しく3Dの表現に挑戦しようと思っていたタイミングだった。
動画に刺激をもらったおかげで、
もっと質感にこだわって、いつかどれくらい時間がかかるかはわからんけども
誰もがハッとするような動画を作ってやろうというワクワクした気持ちが湧いてきた。

もし今、何かを作っていて壁にぶつかっている人や、やる気がちょっと停滞している人がいたら、ぜひ一度この動画を観てみてほしい。

きっと、自分の「作る手」をもう一度動かしたくなるはずだ。
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