営業や顧客対応では、管理する情報が少しずつ増えていきます。
顧客名、会社名、連絡先、担当者、相談内容、見積金額、商談状況、次回連絡日、受注予定、対応履歴など、必要な情報は多岐にわたります。
最初はメモや簡単な一覧表でも管理できます。
しかし、顧客数や案件数が増えると、情報が複数のファイル・シート・チャット・手帳などへ分散しやすくなります。
その結果、「次に誰へ連絡するのか分からない」「見積りを送ったまま対応が止まっている」「担当者ごとの進捗を把握できない」といった問題が起こります。
今回は、営業・顧客・案件管理を一つのExcelへまとめるメリットと、管理表を作るときに確認したい項目を紹介します。
営業管理でよくある悩み
顧客情報が複数の場所に分かれている
顧客名と連絡先は顧客一覧、見積金額は見積書、対応履歴はメール、次回連絡日は個人のカレンダーというように、情報が分散しているケースがあります。
必要な情報を確認するたびに複数の場所を開くため、対応に時間がかかります。
同じ顧客の情報が複数のファイルへ入力されていると、どれが最新なのか分からなくなることもあります。
案件の現在地が分からない
案件が、
・新規問い合わせ
・ヒアリング中
・提案中
・見積提出
・検討中
・受注
・失注
のどこにあるのか、一覧で確認できない状態です。
案件数が少ないうちは記憶で対応できますが、増えると確認漏れが起こります。
また、担当者によってステータスの呼び方が異なると、全体の状況を正確に集計できません。
次回対応日を忘れる
「来週再連絡する」「月末に確認する」と決めていても、日付が管理表へ記録されていなければ忘れる可能性があります。
見積提出後のフォローが遅れることで、受注機会を逃す場合もあります。
次回対応日だけでなく、次に何をするのかまで記録しておくと、確認しやすくなります。
見込み売上を把握できない
確定した売上だけではなく、現在進行中の案件がどのくらいあり、今後いくらの売上が見込めるのかを把握したい場合があります。
案件金額と進捗状況が別々に管理されていると、集計に時間がかかります。
案件ごとの見込み金額、受注確度、受注予定月を管理することで、今後の売上見込みを確認しやすくなります。
対応履歴が担当者の中だけにある
顧客とのやり取りや判断理由が担当者の記憶だけに残っていると、引き継ぎが難しくなります。
担当者が休みの場合、他の人が状況を確認できません。
対応日、対応内容、次回対応予定を記録しておくことで、別の担当者でも経緯を把握できます。
顧客管理表と案件管理表の違い
顧客管理と案件管理は似ていますが、管理する対象が異なります。
顧客管理
顧客そのものの基本情報を管理します。
・顧客ID
・会社名
・顧客名
・連絡先
・所在地
・担当者
・業種
・初回問い合わせ日
・最終対応日
・備考
一人の顧客から複数の案件が発生する場合、顧客情報と案件情報を分けると整理しやすくなります。
案件管理
商談や依頼ごとの進捗を管理します。
・案件番号
・顧客ID
・案件名
・相談内容
・担当者
・ステータス
・見込み金額
・受注確度
・見積提出日
・次回対応日
・受注予定日
・結果
・失注理由
顧客一覧だけでは、複数案件の進捗を正確に追えません。
そのため、業務内容に応じて「顧客一覧」と「案件一覧」を分け、共通する顧客IDなどで関連付ける方法があります。
一つの管理表で確認できること
営業・顧客・案件管理表を整えると、次の内容を一覧で確認できるようになります。
対応が必要な案件
次回対応日や期限を設定し、期限が近い案件や期限を過ぎた案件を色分けできます。
今日対応する案件、今週対応する案件、長期間動いていない案件などを抽出することも可能です。
担当者別に表示すれば、自分が対応する案件だけを確認できます。
案件の進捗
ステータスごとの案件数を集計すると、どの段階で案件が多く止まっているか確認できます。
たとえば、「見積提出後に止まっている案件が多い」という状況が分かれば、フォロー方法を見直せます。
ヒアリング中の案件が多い場合は、質問項目や確認方法を整理する必要があるかもしれません。
担当者ごとの状況
担当者別に、保有案件数、進行中件数、受注件数、見込み売上などを集計できます。
ただし、数字だけで評価するのではなく、担当する案件の難易度や期間も考慮する必要があります。
営業管理表は、単なる評価表ではなく、対応漏れを防ぎ、業務を共有するための仕組みとして使うことが重要です。
売上見込み
案件金額、受注確度、受注予定月などを管理すると、月別の見込み売上を把握しやすくなります。
単純にすべての案件金額を合計する方法だけでなく、受注確度を加味した参考値を計算することもできます。
たとえば、見込み金額100万円、受注確度50%の案件を、参考値として50万円と計算する方法です。
成約率・失注理由
受注件数と失注件数を記録すると、問い合わせから受注までの成約率を確認できます。
失注理由を選択式で記録しておけば、価格、納期、条件不一致、連絡途絶など、改善すべき傾向を把握しやすくなります。
管理項目は増やしすぎない
管理表を作るとき、多くの情報を入れたくなります。
しかし、入力項目が多すぎると、担当者が入力しなくなり、管理表が使われなくなる可能性があります。
最初は、業務上必要な項目に絞ることが重要です。
たとえば、基本項目として、
・顧客名
・案件名
・担当者
・ステータス
・見込み金額
・次回対応日
・対応内容
・結果
から始め、運用して必要になった項目を追加する方法があります。
入力する目的が説明できない項目は、一度外すことも検討します。
ステータスを業務に合わせる
案件管理では、ステータス設計が重要です。
一般的な名称をそのまま使うのではなく、実際の業務の流れに合わせます。
たとえば、
問い合わせ
→内容確認
→ヒアリング
→提案
→見積提出
→検討中
→受注
→納品
→完了
という流れもあれば、
見込み客
→訪問予定
→商談中
→契約審査
→契約済
という業務もあります。
ステータスが細かすぎると入力が面倒になり、少なすぎると現在地が分かりません。
誰が見ても判断できる数に整えることが大切です。
複数人で使う場合の注意点
Excelファイルを複数人で使用する場合は、運用方法を確認する必要があります。
・誰が入力するか
・どのタイミングで更新するか
・同時編集が必要か
・担当者ごとに閲覧範囲を分けるか
・元データを誰が管理するか
・入力ルールをどう共有するか
Excelの共有方法によっては、同時編集やマクロの利用に制約があります。
人数が多い場合やスマートフォンからの入力が必要な場合は、Excel以外の方法が適することもあります。
重要なのは、管理表を作ることではなく、実際に継続して更新できる運用にすることです。
依頼前に整理したいこと
営業・顧客・案件管理表を作成する場合は、次の内容があると設計しやすくなります。
・現在の管理方法
・顧客数と案件数
・必要な管理項目
・案件の進み方
・使用人数と担当者数
・必要な集計
・必要なグラフ
・既存データの有無
・使用するExcel環境
・希望納期
現在使用している表がある場合は、使いにくい部分や追加したい機能も整理します。
まとめ
営業・顧客・案件情報が複数の場所へ分かれていると、確認に時間がかかり、対応漏れや進捗の見落としが起こりやすくなります。
顧客情報、案件進捗、次回対応日、見込み金額、対応履歴などを一つの流れとして管理すると、今対応すべき案件を確認しやすくなります。
ただし、項目や機能を増やしすぎると入力が続きません。
実際の営業方法、使用人数、確認したい数字に合わせて、必要な機能だけを設計することが重要です。
出品サービスでは、顧客一覧・案件管理・次回対応・見込み売上・担当者別集計などを、現在の業務に合わせてExcelで作成しています。
既存の顧客管理表の修正や、現在の管理方法からの見直しにも対応しています。
情報が分散して困っている場合は、今の運用から整理できます。