こんにちは!栗山和暉です。
みなさんは、初めて訪れた街で、なぜか迷うことなくお目当てのカフェにたどり着けた、という経験はありませんでしょうか。あるいは、入ったばかりの小さなお店で、欲しい商品がすぐに見つかり、心地よく買い物ができたことはないでしょうか。実は私たちの日常には、目に見えないけれど、確かに人の行動を優しく導いている空間の設計が存在しています。私がフリーランスのウェブデザイナーとして毎日向き合っている画面の世界も、これと全く同じことが言えます。
多くの人は、ウェブサイトのデザインというと、きらびやかな色を塗ったり、流行りの飾りを施したりする作業を思い浮かべるかもしれません。しかし、私にとってのデザインとは、画面の向こう側にいる人の行動を自然に導き、クライアントが抱えるビジネスの課題を解決するための強力な道具です。ただ見た目が美しいだけのサイトは、座り心地の悪い高級な椅子のよう。本当に価値があるのは、使う人がその存在すら忘れてしまうほど、滑らかで心地よい案内図が描かれているサイトなのです。
私が以前、ある会社の手がける採用特設サイトを新しくしたとき、真っ先に行ったのは綺麗な絵を描くことではありませんでした。ページを訪れた人が、どんな情報をどんな順番で読めば、会社の本当の魅力が伝わるかを、徹底的に整理したのです。まるで、暗い夜道を進む人の足元を、小さな手回し懐中電灯の明かりでそっと照らすように、迷わず進める一本の道を用意しました。その結果、サイトを訪れた人が次々と心を動かされ、応募してくれる人の数が前年の数倍にまで跳ね上がりました。
ウェブサイトは、作って納品した瞬間がゴールではありません。むしろ、そこからが本当の始まりです。私は、新しく公開したサイトを、土に植えたばかりの小さな苗木のように考えています。実際に多くの人が訪れることで、初めて見えてくる課題や風向きがあるからです。だからこそ、公開後もアクセス解析のデータの数字を見つめ、水をやるように何度も手を加えながら、サイトをより良い形へと成長させていく必要があります。その地味で温かいプロセスの先にこそ、ビジネスを大きく動かす本当の楽しさがあります。使う人の心地よさと、企業の成功を徹底的に追い求めるパートナーとして、私は今日も新しい画面を組み立てています。