こんにちは!栗山和暉です。
街を歩いているとき、つい入ってしまうお店と、なんとなく通り過ぎてしまうお店の違いはどこにあるのでしょうか。入り口のドアが開けやすかったり、中に入ると欲しいものがすぐに見つかったりするお店は、何度も通いたくなりますよね。実は、インターネット上のウェブサイトも、これと全く同じことが言えます。私がフリーランスのデザイナーとして最も大切にしているのは、訪れた人が迷子にならず、自然と買い物を楽しめたり、問い合わせがしたくなったりする、見えない案内図を画面の中に描くことです。
多くの方は、ウェブサイトのデザインというと、きらびやかな色使いや、珍しい飾り付けを想像するかもしれません。しかし、本当に役に立つサイトというのは、むしろ職人が作った引き出しのように、静かで、滑らかで、使う人の手を邪魔しないものです。私はかつて、中小企業の採用をお手伝いするサイトを作ったことがあります。そのときに行ったのは、会社の格好よさをアピールすることではなく、働く人たちの本当の姿を、求職者が知りたい順番で並べることでした。読む人の気持ちの動きに寄り添って画面を組み立てた結果、応募してくれる人の数がそれまでの3倍近くにまで増えました。
見た目が綺麗なサイトを作るだけなら、今の時代、誰でも簡単にできるようになりました。だからこそ、その一歩先にある、人の心を動かす仕組みが必要になります。ボタンをどの位置に置けば押しやすいか、文章はどのくらいの長さなら最後まで読んでもらえるか。そういった、一見すると誰も気づかないような小さな工夫の積み重ねが、最終的にビジネスの大きなお手伝いへと繋がっていきます。私は、サイトを作って手渡すだけの関係ではなく、お渡しした後も一緒になって画面を磨き上げ、成長させていくパートナーでありたいと考えています。
もし、今のサイトが思ったように動いていないと感じるなら、それは見た目の問題ではなく、案内図の描き方に原因があるのかもしれません。画面の向こう側にいる一人の人間を思い浮かべ、その人のために最高の通り道を用意する。その地道で温かい作業の中にこそ、ウェブデザインの本当の価値があると私は信じています。