手放したつもりだった気持ち
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手放したつもりだったのに。
もう終わったと思っていたのに。
なぜか今になって、
思い出してしまうことがあります。
人かもしれない。
夢かもしれない。
あの頃の自分かもしれません。
忘れたわけではなくても、
思い出さないようにしていたもの。
ちゃんと前を向いてきたはずなのに、
ふとした瞬間に心に浮かぶ。
それは弱さではありません。
前に進めていない証拠でもありません。
むしろ、
流れが変わり始めるときほど、
人は過去を振り返ることがあります。
あのときの選択。
あのときの言葉。
あのとき伝えられなかった気持ち。
本当に気になっているのは、
過去そのものではなく、
そこに置いてきた
「自分の気持ち」なのかもしれません。
人は、
忘れられないから思い出すのではなく、
意味を受け取りきれていない出来事を、
何度も心に映します。
だから今、
昔のことが浮かんできても大丈夫。
無理に忘れなくていい。
答えを出そうとしなくてもいい。
戻るか、進むか。
そんなことを決める前に、
ただ、
なぜ今になって思い出したのか。
その感覚にだけ、
少し耳を傾けてみてください。
過去は変えられません。
けれど、
過去の意味は、
今の自分によって変わっていきます。
あの出来事があったから。
あの人と出会ったから。
あの選択をしたから。
今だから見える景色があります。
手放したつもりだった気持ちは、
あなたを過去へ戻すためではなく、
次の流れへ進む準備ができたことを
教えに来ているのかもしれません。
必要なときに、
またここを思い出してもらえたら。
── 織葉