症状にも施術にも「陰陽」がある
一つの側面だけで身体を判断しない
物にも、社会にも、そして人にも、必ず二つの側面があります。
長所があれば短所があり、長所も見方を変えれば短所になります。
反対に、自分では短所だと思っている部分が、置かれた環境や相手によっては長所として働くこともあります。
表があれば裏がある。
どちらか一方だけで成り立っているものはありません。
表と裏、明と暗、陽と陰。
両方があって、初めて一つのものとして存在しています。
明るく振る舞っている人ほど、その内側に深い暗さや混沌を抱えていることがあります。
反対に、暗い人、静かな人と思われている人の中にも、陽気さや強いエネルギーが隠れていることがあります。
片方の側面だけを見て、その人のすべてを理解したつもりになることはできません。
これは、人の身体や施術についても同じです。
痛みや不調が出れば、多くの人はそれを「悪いもの」「早く消さなければならないもの」と考えます。
しかし、症状にも陰陽があります。
痛みがあるから動きを止めることができる。
身体が重いから休むことができる。
食欲が落ちることで、食べ過ぎていた身体を休ませていることもあります。
もちろん、つらい症状を我慢すればよいということではありません。
大切なのは、症状の悪い面だけを見るのではなく、
「なぜ、この症状が今の自分に必要だったのか」
「身体は何を止めようとしているのか」
「この症状によって、自分は何に気づく必要があるのか」
という、もう一つの側面も考えることです。
施術にも陰陽があります。
硬くなった筋肉をゆるめることが必要な場合もあれば、弱った身体を支える力を取り戻すことが必要な場合もあります。
動いた方がよい人もいれば、休むことが必要な人もいます。
温めることが合う場合もあれば、熱がこもっているため冷ます必要がある場合もあります。
強く刺激すればよくなるわけでもなく、優しく施術すればすべての人に合うわけでもありません。
一つの方法だけを「正しい」と決めてしまうと、身体の反対側にある問題を見落としてしまいます。
だから私は、症状が出ている場所だけではなく、生活習慣や食べ方、身体の使い方、考え方、
その人を取り巻く人間関係なども含めて身体を見ています。
症状をなくすことだけを目的にするのではなく、なぜその症状が必要だったのかを一緒に考える。
症状の表と裏の両方が見えてきたとき、自分の身体に起きていることを、ただ怖がるのではなく受け入れられるようになります。
受け入れるとは、何もせず諦めることではありません。
両方の側面を見たうえで、自分に必要なものを判断し、選択することです。
「何をしても症状を繰り返す」
「病院や検査では異常がないけれど、調子が悪い」
「自分の身体に何が起きているのか知りたい」
「症状だけではなく、生活や考え方も含めて相談したい」
そのような方は、一度ご相談ください。
症状の一面だけで判断せず、その方の身体と生活の両側面を確認しながら、今必要な施術や改善の方向を一緒に考えていきます。