自分が選んだもので世界を作っている

自分が選んだもので世界を作っている

記事
コラム
私が本格的に病気を発症する少し前
ひどく音が聞こえるようになり
耳が痛くなった

今まで、聞こえていなかった
ような日常の音が
全て同じ音量で聞こえるので
一日中、耳栓をしていないと
日常を過ごせなくなった

なのに、耳鼻科で検査しても
耳に異常はなかった

程なくして、
私には青に見えた信号が
他人からは赤だったり、
私に見える文字が、
他人と違ったりするようになった

その頃から、
私は自分の見ているものが
他人と違うのだと気づき、
病識を持つようになった

医学的には
錯覚とか錯視とか
聴覚過敏といった
症状が出ていたわけだけど
要は病気によって
通常なら働く
脳の機能が働かない
という異常を
起こしていたのだ

病気の治療には
長い年月がかかったけれど
今、思うと
脳っていう臓器は
不思議で仕方がない

私たちは、本当は
たくさんの音を同時に
受け取っているはずなのに
自覚する音は自分が選んだ音だけを
「聞いている」と認識する

視野の中で実際に目に入っている
情報は数えきれないほどの
ものを見ているはずなのに
自覚する情報を選んで「見ている」

そして、無自覚に
「見た」「聞いた」と言って
自分だけの世界を作り、
それを「世界」や「宇宙」と言っている

つまり、私は
私が今、注意を向けたものを
選択して「見ている」し「聞いている」

ならば、
私は選べるはずだ
見たいもの
聞きたいものを

だって
私の臓器である
私の脳が
フィルタしている
だけなのだから

私が何を見て
何を聞いて
何を世界とするかは
自分で選び直せるはずなんだ
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