言葉にしなかった気持ちより、受け取らなかった気持ちが夜に残る
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言えなかったことが残る夜は、
たしかにあります。
あのとき本当は寂しかったこと。
少し傷ついたこと。
聞きたかったこと。
伝えたかったこと。
そういう気持ちは、
夜になると静かに浮かんでくることがありますよね。
でも、本当に夜に残るのは、
言葉にしなかった気持ちだけじゃないのかもしれません。
自分でもちゃんと受け取らなかった気持ち。
なかったことにした感情。
その場では平気な顔で流したけれど、
ほんとは少し引っかかっていたもの。
そういうもののほうが、
夜には静かに残ることがあります。
昼のあいだは、
案外なんとか過ごせるんですよね。
やることがあって、
目の前のことをこなして、
会話もして、
気持ちまでちゃんと見なくても一日が進んでいく。
だから、
少し悲しかったことも、
少し寂しかったことも、
そのまま置いて先へ進けてしまう。
『気にしすぎかもしれない』
『このくらいで傷つくほうが面倒だよね』
『別に大したことじゃないし』
そんなふうに、
自分の気持ちを小さくしてしまうことってあります。
でも夜になると、
そうやって後回しにした感情が、
ちゃんと残っていたことに気づくんですよね。
言葉にしなかったことより、
自分でも受け取らなかった気持ちのほうが、
心の中では置き場を失いやすいのかもしれません。
誰かに伝えられなかったことは、
まだ外に出ていないだけとも言えるけれど、
自分で受け取ってもらえなかった気持ちは、
行き先そのものがなくなってしまうからです。
ほんとは寂しかった。
ほんとは期待していた。
ほんとは、あの言い方が少し痛かった。
ほんとは、もう少し大事にしてほしかった。
そういう気持ちを、
自分が先に『大したことじゃない』と片づけてしまうと、
感情だけが取り残されたままになってしまう。
だから夜は、
その取り残されたものを
静かに見つけてしまう時間なのかもしれません。
恋愛の中では特に、
相手の気持ちばかり考えてしまいやすいですよね。
どう思っていたんだろう。
あの態度には意味があったのかな。
何を考えていたんだろう。
でもその一方で、
自分がどう感じたかは、
意外とちゃんと見てもらえないまま終わることがあります。
相手に、ではなく、
自分自身にも。
相手を理解しようとするほど、
自分の感情は後回しになる。
それは優しさでもあるけれど、
夜になると少しだけ苦しさとして戻ってくることがあります。
『あのとき、ほんとは悲しかったんだな』
『平気なふりをしたけど、全然平気じゃなかったな』
『別に怒ってたわけじゃなくて、寂しかっただけかもしれない』
そんなふうに、
夜の静けさの中でやっと見えてくる本音もあるんですよね。
だから、
夜に気持ちが残ることを
考えすぎだと片づけなくて大丈夫です。
それはたぶん、
自分の心がしつこいからじゃなくて、
ちゃんと受け取ってほしかった感情があるからです。
受け取られなかった気持ちは、
消えたふりをしても、なくなりません。
ただ静かに、
見つけてもらえるタイミングを待っているだけです。
だからそんな夜は、
無理に前向きにならなくてもいいし、
すぐ整理しなくても大丈夫です。
『私、少し寂しかったんだな』
『あれ、ちゃんと残ってたんだな』
『ほんとは気にしてたんだな』
そのくらいを、
自分で自分に返してあげるだけでも、
心は少し落ち着いていきます。
言葉にしなかった気持ちより、
受け取らなかった気持ちが夜に残る。
それはきっと、
弱いからでも、前に進めていないからでもなくて、
自分の本音がまだ置き去りになっていないからです。
夜は、ときどき
その本音を静かに手元へ戻してきます。
そんなときくらいは、
大丈夫なふりを続けなくてもいいのかもしれません🍀