5連休となった2026年のシルバーウィーク。
「天気予報によると、この日は午後から快晴らしい。ずっと『行ってみたい』って言ってたし、ドライブ行こ」
なんだか珍しく乗り気の夫が、私をドライブに誘う。
目的地はクルマのCMで昔からよく使われる、人気の観光スポットらしい。
夫は独身時代、愛車ですでに一度、訪れている。
私は写真でしか知らない名所。
橋の下の一面に広がる、エメラルドグリーンの海を見せたいらしい。
YouTubeで、いくらでも観れるけどね。
Googleマップで片道kmを確認しただけで、気が遠くなりそうになる。
夫が初ドライブした当時に比べ、ガソリン代はあり得ないほど高騰してるし。
五連休。きっとどこもかしこも人で溢れかえっている。
観光名所より観光客を見物に行くようなものだが、夫婦旅行ならそれはそれで楽しい想い出になるかも知れぬ。
海鮮類は苦手だが、市場の職人さんが握るお寿司なら食べてみたいかも。
午前は市場、午後は海&島。
クルマから降りられる保証はなく、白紙覚悟の計画だ。
外食できる保証もないので、いつもの通勤と同様、弁当を持参する。
珍しい形の卵を発見(左側)。このあと卵焼きとなる。
夜明け前に起床し、高速道路をひた走る。
連休序盤。まだ朝の時間帯なのに、サービスエリアは満車続き。
夜間割目当てや、車中泊の旅行客が多いのかも知れない。
ようやく入った珍しい地名のパーキングエリア。女子トイレには長蛇の列。
とてもキレイで空室が分かりやすい配慮。並ぶ理由に納得だった。
渋滞の影響で、よりによって正午過ぎに市場に到着。
あまりの渋滞と待ち時間にUターンするクルマも見かけたが
たまたま出てくるクルマとタイミングが合い
満車が空車に切り替わった、その僅かな隙に
お目当ての市場が用意した立駐の屋上に到着できた。
こういうのはもう、運でしかない。ありがとうございます。
台風の影響だろう。とにかく風が強い。空に立ち込めた雲の流れも速い。
夫に「なんだか雨が降りそうよ」と告げる。
「午後からは快晴だよ」と言い張る夫。もう午後ですけどね。
有名なフグのオブジェ。心なしかくたびれた様子。
休日とはいえ時間帯が時間帯。半分以上のお店がすでに看板を下ろしている。
そんな中、1パック税込400円で握り寿司を販売しているお店を発見。
海鮮市場としては遅めの時間帯なのに、握りの種類も豊富で
次から次へと新ネタを提供してくれる。
甘えび、アジ、イカ、ウニ、クジラ、サケ、タイ、卵、つぶ貝、マグロ等
3,000円買えば、駐車料金を90分無料にしてくれるサービスもありがたい。
車内でお寿司を味わうのもそこそこに、次の名所へ向かった。
話には聞いていたが、ガードレールはところどころがミカン色。可愛い。
ようやく辿り着いたところで、ぽつぽつ雨が来た。風も変わらず強い。
観光名所なので、あちこちで記念撮影し合う観光客は後を絶たないが
総じて皆、台風中継の報道局と化している。
「エメラルドグリーンの海」はいずこ。さながら太平洋の白波。
この写真を見て、「あの有名な観光地」と気づける人は希少だろう。
これはこれで、貴重な1枚かも知れない。
かろうじて橋のふもとの公園にクルマを停めることはできたが
島への橋の上を微動だにしない数珠つなぎのクルマの列に、入島を断念。
「あれ渡っていたら、今日中に島を出ることはムリだよ」と夫。同感です。
みんながんばれ。
たまの連休に贅沢する日を夢みて日々、せっせとまじめに働いて
やっとの休日、お目当ての場所へ出かけても
観光も食事もごった返す人の群れに急かされつつ慌ただしく過ごす。
これが現代を生きる社会人の縮図なのかも知れない。
ここは恩師の地だ。
その人に出会わなければ、私はAccessをここまで続けてこれたか分からない。
「互いに会ったり、会う約束、会う提案をしてはならない」
誰もが手軽につながり合うことが可能なデジタル社会だからこそ
相手のリアルを尊重し、敢えてつながろうとしない思いやりを感じる掟。
むしろ、そうしたセーフティーネットに守られたおかげで
身近な相手には明かせない、すなおな自分をさらけ出せたように思う。
たまたま天候は荒れ模様で、とっても心残りな旅とはなったが
明日以降、観光に訪れる人々が写真はがきのような光景を堪能できること
そして、この空の下のどこかで今日もがんばる恩師の周りを
太陽や風がやさしく包んでくれることを願いつつ、帰路につくのであった。
復路でたくさんお土産買うぞ!と計画していたのに
帰りが遅い時間帯となり、サービスエリアはことごとく閉店。
往路で買えたお土産たち。ほかの県のお土産が混ざっているような。