なんであのとき、思っていたことと反対のことを言ってしまったんだろう?
そんな経験、誰にでもあるかもしれませんね。
本当は寂しいのに「別に寂しくない」と言ってしまう。
本当はそばにいてほしいのに「もう帰れば?」と突き放してしまう。
本当は傷ついているのに「全然平気」と笑ってしまう。
本当は謝ってほしいのに「もういいよ」と言ってしまう。
そして、相手がその言葉を真に受けてしまったあとで、「本当はそんなことを言いたかったわけじゃないのに」と後悔する。
なぜ私たちは、自分の気持ちとは裏腹な言葉を口にしてしまうのでしょうか。
少し一緒に考えてみましょう💡
本音とは反対の言葉を口にしてしまう心理
こうした言葉の裏側には、自分を守ろうとする心理が隠れていることがあります。
例えば、素直な気持ちを伝えて拒絶されたら、もっと傷ついてしまう。
自分の気持ちを伝えても、どうせ理解してもらえないと思っている。
相手に期待して裏切られるくらいなら、自分から突き放したほうが傷つかずに済む。
あるいは、自分の弱さを見せることに抵抗があり、平気なふりをしてしまうこともあるでしょう。
本当はわかってほしい。大切にしてほしい。そばにいてほしい。
それなのに、その気持ちを素直に伝えることが怖い。
そんなとき、私たちは本音を隠すために、あえて反対の言葉を口にしてしまうことがあるのです。
つまり、相手に伝えたい気持ちと、傷つくことを恐れる気持ちがぶつかっているのかもしれません。
感情に任せて言葉を発する前に、少しだけ立ち止まる
では、思っていることと反対の言葉を口にしないためには、どうすればいいのでしょうか。
ひとつの方法として、言葉を発する前に6秒間だけ待ってみることがあります。
感情が大きく揺さぶられているときは、冷静に考えるよりも先に言葉が出てしまうことがあります。
そんなときは、頭の中で時計の秒針が動く様子をイメージしてみてください。
カチ、カチ、カチ……。
秒針が6秒間動くのをイメージしながら、すぐに言葉を返さず、少しだけ時間を置いてみましょう。
そして、自分に問いかけてみてください。
「私は本当は、何を伝えたいんだろう?」
怒りの奥に悲しみが、突き放す言葉の奥に寂しさが隠れているかもしれません。
「もういい」という言葉の奥にある、本当は寂しいんだ、わかってほしいんだ、という気持ちがあるかもしれません。
すぐに答えが出なくても大丈夫です。
大切なのは、感情を無理に抑え込むことではなく、自分の本音に気づき、それをどう伝えるか選べるようになることです🕊
本音を伝えるには、どんな言葉を選べばいい?
自分の本音に気づいても、それをどう言葉にすればいいのかわからないこともありますよね。
そんなときは、相手を突き放したり、責めたりする言葉を、自分の気持ちを伝える言葉に置き換えてみましょう。
例えば、こんなふうに。
「別に寂しくない」ではなく、「本当は寂しいから、もう少し一緒にいたい」
「もう帰れば?」ではなく、「本当はまだ一緒にいてほしい」
「全然平気」ではなく、「実はちょっと傷ついているんだ」
「もういいよ」ではなく、「まだ気持ちの整理ができていないから、少し話を聞いてほしい」
このように、自分の気持ちを主語にして伝えることで、相手を責めずに本音を表現しやすくなります。
もちろん、素直な気持ちを伝えたからといって、相手が必ず期待どおりに応えてくれるとは限りません。
それでも、反対の言葉で相手に察してもらおうとするより、自分の気持ちを言葉にするほうが、お互いの理解につながる可能性があります。
最初から上手に伝えようとしなくても大丈夫です。
少しずつ、自分の気持ちを自分の言葉で伝える練習をしていきましょう。
「6秒間待つ」という方法は、アンガーマネジメントで広く知られている対処法のひとつです。
怒りなどの強い感情が湧いたとき、反射的に言葉を発するのではなく、少し時間を置くことで、衝動的な言動を防ぎ、冷静さを取り戻すことを目指します。
もちろん、いつでも6秒待てば必ず感情が落ち着くというわけではありませんが、言葉を発する前に一呼吸置くことは、自分の気持ちを見つめ直し、伝え方を選ぶためのきっかけになります。
今回ご紹介したように、自分の本音に気づき、相手にどう伝えるかを考えるための時間として、ぜひ意識してみてくださいね。
自分を責めるのではなく、自分の心を理解することから
思っていることとは裏腹な言葉を口にしてしまい、あとから後悔する。
そんな経験は、誰にでもあるものです。
だからこそ、そんな自分を責めたり、性格の問題だと決めつけたりする必要はありません。
なぜあのとき、あんな言葉を口にしてしまったのか。
その背景に、どんな気持ちが隠れていたのか。
自分ひとりでは気づけない心の動きもあるかもしれません。
自分を責めるのではなく、自分の心を理解することから始めてみませんか?
もし、自分でもなぜそんな言葉を口にしてしまうのかわからなかったり、同じことを繰り返して人間関係に悩んでいたりするなら、その心の動きを一緒に整理してみましょう。
言葉の裏側にある本当の気持ちを理解することは、自分自身との付き合い方や、大切な人との関わり方を見つめ直すきっかけにもなります。
ひとりで抱え込まず、あなたの心にある思いを、少しずつ言葉にしてみませんか。
心理カウンセラー ルーム718