「創業30年の歴史があります」
「大手企業との取引実績が豊富です」
「年間〇〇件以上の導入実績があります」
会社案内や営業資料を作るとき、自社の経験や実績は、ぜひアピールしたい情報のひとつです。
特に、長年事業を続けてきた企業や、多くの取引先を持つ企業にとって、その実績は大切な財産。
でも、実績が豊富であることと、その価値が相手に伝わることは、必ずしも同じではありません。
せっかくの実績、見せ方をひと工夫することで、相手により効果的な訴求ができるかもしれません。
有名企業のロゴが並ぶ。それだけで十分?
以前、ある業務用ITサービスの営業資料を制作したときのことです。
クライアントからお預かりしたのは、サービスを導入した企業の実績一覧。
「この企業名やロゴを並べて紹介したい」というご要望でした。
確かに、誰もが知る企業の名前がずらりと並んでいれば、それだけで「すごい会社だな」「信頼できそうだな」という印象を持ってもらえます。
大手企業への導入実績は、サービスの信頼性を裏づける大切な情報です。
ただ、資料を見る人の立場になって考えたとき、少し気になることがありました。
「これだけ大きな会社ばかりだと、うちのような規模でも相談していいのかな?」
そんなふうに感じる人もいるのではないか、ということです。
知りたいのは「どんな企業が使っているか」だけじゃない
サービスの導入を検討する相手企業にとって、気になることはたくさんあります。
「うちと同じくらいの規模の会社でも使える?」
「導入までに、どんな準備が必要なんだろう?」
「ITに詳しい担当者がいなくても大丈夫?」
「使い始めてからも、きちんとフォローしてもらえる?」
そして何より、
「実際に導入した他の会社は、やって良かったと思っているのかな?」
ということ。
有名企業のロゴの列挙だけでは、こうした疑問への答えはなかなか見えてきません。
そこで、この案件では実績の見せ方を大きく変更しました。
実績一覧から、4社の小さなストーリーへ
たくさんの導入実績をそのまま並べるのではなく、その中から印象的な4社をピックアップ。
それぞれの企業が抱えていた課題や導入の背景、サービスを選んだ経緯、導入後の変化などを整理し、短いケーススタディとして紹介する構成に変更しました。
ただ「導入しました」「こんな効果がありました」と結果だけを並べるのではありません。
・導入前にどんな悩みがあったのか。
・どんなプロセスを経て導入に至ったのか。
・そのサービスが、現場の業務や課題をどのように支えたのか。
数字や機能だけでは見えにくい、導入までの経緯や現場の空気感も感じられる資料を目指しました。
もちろん、企業名や導入実績を一覧で紹介することにも意味があります。
大切なのは、実績をたくさん見せることよりも、相手が「自分たちにも関係がある」と感じられる情報を選ぶこと。
この営業資料について、クライアント様からは「相手企業にとって『うちも相談してみよう』と思える突破口になった」というお話をいただきました。
実績そのものを増やしたわけではありません。
すでに持っていた情報の中から、相手が知りたいことを選び、紹介する方法を変えたのです。
実績を見せる前に、考えたい3つのこと
このような考え方は、ITサービスに限らず、さまざまな業種の営業資料や会社案内にも共通します。
私が実績を紹介するときに意識しているのは、次の3つです。
① 提案される側は、何を確かめたいのか?
会社の規模や知名度、技術力、対応経験など、相手が重視する判断材料はさまざま。
自社がアピールしたい実績と、相手が安心できる実績は、必ずしも一致しないことがあることを念頭においた見せ方・伝え方を設計します。
② その実績は、何の裏づけになるのか?
例えば、「大手企業への導入実績」は、信頼性を示す材料ます。
一方、規模の近い企業の導入事例は、自社での活用を具体的に想像する助けになるかもしれません。
同じ実績でも、何を示すために使うのかによって価値が変わります。
③ どのような見せ方が「刺さる」のか?
企業ロゴを一覧にする?実績を数字で紹介する?事例をストーリーとして見せる?
―どれが正解というわけではなく、資料の目的や相手に合わせて選ぶことが大切です。
なお、実績や事例を紹介する際には、公開許諾や守秘義務への配慮も欠かせません。
「すごい会社」から、「相談してみたい会社」へ
実績をアピールすることは、決して悪いことではありません。
むしろ、提案先によっては、その方が効果的な場合もあります。
ただ、一歩立ち止まって提案先のお相手を思い浮かべた時。
その人が「すごいですね」で終わってしまう可能性があるかも…と少しでも感じた場合、そのまま資料を渡すのはもったいない気がします。
「うちと似た悩みを持っていたんだ」
「こんなふうにサポートしてもらえるなら安心かも」
「一度、話を聞いてみようかな」
そんなふうに、自分の状況と重ね合わせられる情報があれば、次の会話につながる可能性が生まれます。
KanaeCreatesでは、提案書や営業資料、会社案内の制作において、既存の情報や実績を生かしながら、相手の立場で訴求内容や構成を考えることを大切にしています。
・会社の強みはたくさんあるのに、うまくまとめられない。
・実績紹介が、いつも同じような一覧になっている。
・新しい取引先に向けて、資料の見せ方を変えたい。
そんなときは、実績を増やすことより先に、「今ある実績を、誰に、どんな意味で紹介するか」を考えてみてはいかがでしょうか。
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KanaeCreatesでは、提案書・営業資料の情報整理、構成の見直し、PowerPoint制作などを承っています。
既存資料の改善や、新しい営業先に合わせた資料づくりについても、ココナラの出品サービスよりお気軽にご相談ください。