新規事業の提案が通らないのは、資料のデザインが原因ではないかもしれない
新しい事業やサービスを立ち上げるとき、避けて通れないのが「提案資料」の作成です。
経営層への事業提案、社内稟議、取引先への営業提案など、資料を使って誰かの理解や判断を得る場面は少なくありません。
ところが、時間をかけて資料を作り込んだにもかかわらず、思うように反応が得られないことがあります。
「内容は悪くないと思うのに、なぜか伝わらない」
そんなとき、デザインや見栄えを改善しようと考える方も多いのではないでしょうか。
もちろん、読みやすさや視覚的なわかりやすさは大切です。
しかし、提案が伝わらない原因は、デザインよりも前の段階にあるかもしれません。
「伝えたいこと」と「知りたいこと」は、必ずしも同じではない
以前、ある給水装置メーカーの商談用資料を制作したことがあります。
ビルやスポーツ施設、病院などへの導入を想定した設備で、製品の機能や効果を詳しく紹介する資料でした。
お預かりした原稿には、技術的な特徴や導入前後の比較など、独自性の高い製品の魅力を伝えるための情報が豊富に盛り込まれていました。
ところが、実際に商談相手へ提示した際、期待したような反応が得られなかったそうです。
なぜでしょうか?
考えられる理由のひとつは、「なぜこの設備が必要なのか」を相手が十分に理解する前に、機能や効果の説明が始まっていたことです。
開発した側にとっては、優れた機能や技術こそが「最大のアピールポイント」。
しかし一方で、導入を検討する側が知りたいのは、
「自分たちの施設に、なぜ必要なのか?」
「今の設備と何が違うのか?」
「導入することで、何が変わるのか?」
…といったことかもしれません。
どれほど優れた製品やサービスであっても、相手がその価値を「自社の状況」に当てはめて考えてもらえるような訴求ができなければ、残念ながら興味はなかなか深まりません。
WEBサイトと商談資料では、伝え方も違う
WEBサイトでは「こんなお困りごとはありませんか?」という問いかけから始め、解決策へとつなげる構成をよく見かけます。
これは、訪問者が自分に関係のある情報だと気づくための、有効なアプローチのひとつです。
ただし、その方法を商談用資料にそのまま当てはめればよい、というわけではありません。
なぜなら、商談には、その資料を使って商品やサービスの説明をする営業担当者がいて、目の前には話を聞く相手がいるから。
営業担当者が自然に話を展開できること。
開いての理解度や反応に合わせて、説明を補えること。
そして、話の途中で「なるほど、そういうことか」と納得できる流れがあること。
商談用資料は、読んでもらうだけのものではなく、会話を支えるためのツールでもあるのです。
先ほどの給水装置メーカーの案件では、お預かりした資料の情報を一から見直しました。
製品の優れた特徴や比較データなど、活用すべき情報は残しながら、伝える順番や訴求内容を再検討。
単にスライドを美しく整えるのではなく、営業担当者が話しやすく、相手が興味を持って説明を聞き進められる構成を目指して、資料全体を作り直しました。
営業・提案資料を作る前に、考えておきたいこと
こうした考え方は、新規事業や新サービスの提案にも共通します。
提案書を構成するときに重要なのは、伝えたい情報をすべて盛り込むことではありません。
まず考えたいのは、次の5つです。
1. 誰に伝えるのか?
経営層、現場担当者、取引先など、相手の立場によって関心事や判断基準は異なります。
2. 相手は何を知りたいのか?
事業の必要性、製品の特徴、導入後のメリットなど、相手が知りたい情報や疑問を整理します。
3. どの順番なら理解しやすいのか?
相手がまだ知らないことや、疑問に感じそうなことを踏まえ、無理なく理解できる流れを考えます。
4. 誰が、どのように説明するのか?
営業担当者が自然に話を進められるか。相手の反応に合わせて説明を補えるか。実際の商談場面を想像します。
5. 最後にどう行動してほしいのか?
承認、導入検討、次回商談など、資料を通じて相手に期待する行動を明確にします。
この整理ができて初めて、何を詳しく説明し、何を簡潔にまとめるべきかが見えてきます。
そして、情報の優先順位が明確になることで、図解やレイアウトなどのデザインも、より効果的に機能します。
「何を作るか」の前に、「何を伝えるか」
提案資料は、完成したスライドが美しければ、それで役割を果たせるわけではありません。
●どんな場面で使われるのか
●誰が説明し、誰が聞くのか
●相手に何を理解してもらい、どのような判断につなげたいのか
そこまで考えてこそ、実際に使いやすい資料に近づくと考えています。
KanaeCreatesでは、提案書や営業資料の制作において、単に見た目を整えるだけでなく、情報整理や訴求設計、ストーリー構成を大切にしています。
「新規事業の構想はあるけれど、うまく言語化できない。」
「製品やサービスには自信があるのに、魅力が伝わらない。」
「既存資料はあるものの、商談でうまく活用できていない。」
そんなときは、デザインを変える前に、資料の「伝える順番」を見直してみてはいかがでしょうか?
大切なのは、伝えたいことをすべて並べることではなく、相手が理解し、納得し、次の行動へ進めるように設計すること。
そのための情報整理と構成設計が、提案資料の価値を大きく左右すると考えています。
KanaeCreatesでは、提案書・営業資料の情報整理、構成設計、PowerPoint制作まで、ご相談内容に合わせて対応しています。
既存資料の改善や、新規事業・新サービスの提案資料についても、ココナラの出品サービスよりお気軽にご相談ください。