意識と無意識を合わせた全体がアナタ

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意識と無意識、理性と感情が葛藤する、というのは嘘である。「わかっているけどできません」とは、単に「やりたくない」だけなのだ。
A・アドラー

フロイトを中心とする古い心理学では意識と無意識を明確に区別しました。
そして、意識と無意識が矛盾し葛藤することで様々な神経症的症状が現れると考えました。
しかし、アドラーは、その考え方を否定しています。意識と無意識は矛盾しているように見える場合でさえも、同じ一つの目的に向かって統一的に相互に補うように働いている、と言いました。それはあたかも、アクセルとブレーキのような関係です。
一見、矛盾するように見えながら、一つの車として同じ目的地へ向かうために、どちらも必要な働きとして助け合っているのです。
アドラーはこれを分割できない統一一体という意味で「全体論」と呼びました。
アドラーの高弟であるルドルフ・ドライカースは『アドラー心理学の基礎』の中で次のような例を使ってこの「全体論」を説明しています。
ある旅人が旅の途中でとても親切な人に会った。その人は二人組で旅をしていた。親切な人だったので気を許していたら、二人組のもう一人に財布を盗まれてしまった。しかし、この二人は実はぐるだった。共に示し合わせて、財布を盗もうと最初から計画していたのである……。
この二人組がすなわち、意識と無意識であり、二つはアクセルとブレーキの役割を果たし、同じ目的、すなわち「盗み」に向かっていた、というわけです。同じように理性と感情も矛盾しません。
それらは一つです。それが「全体論」なのです。

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