親を許せなくていい、という生き方

親を許せなくていい、という生き方

記事
コラム
親を許せなくていい、という生き方

罪悪感を手放し、自分の人生を生きるための心の整理術

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アイリス綾




目次

はじめに1

第1章 なぜ私たちは「親を許さなければ」と思い込むのか3

第2章 「許し」という言葉の正体を見つめ直す5

第3章 許せない自分を責めなくていい、これだけの理由7

第4章 執着を手放すとは、感情を消すことではない9

第5章 感謝と許しは、まったく別のものである11

第6章 境界線を引くことは、親不孝ではない13

第7章 許せないまま、心を軽くするための具体的な方法15

第8章 鑑定の現場で出会った、忘れられない実例17

第9章 「許さない」を選んだ先にある自由19

第10章 これからの人生を、あなた自身のために生きる21

第11章 よくいただくご質問23

第12章 「毒親」という言葉との付き合い方26

第13章 今日から始められる、心を整えるセルフワーク28

第14章 世代を超えて繰り返される連鎖を、自分の代で止める30

特別付録 「許しにまつわる思い込み」チェックリスト32

おわりに34

著者プロフィール36

はじめに

「親を許せない自分は、心が狭いのでしょうか」

これまで3,000件を超える鑑定やカウンセリングのなかで、私が最も多く受け取ってきた相談のひとつが、この言葉でした。学生さんから経営者、政治に関わる方まで、立場や年齢はさまざまでも、親との関係に苦しみ、そしてその苦しみを誰にも打ち明けられずに抱え込んでいる方が、驚くほど多くいらっしゃいます。

多くの方が口をそろえて言うのは、「許さなければいけないとわかっているのに、どうしても許せない」という葛藤です。世の中には「親孝行」「恩返し」「許しは美徳」といった言葉があふれています。カウンセリングの現場でも、スピリチュアルの世界でも、「親を許すことで人生が好転する」という考え方はよく語られます。だからこそ、許せない自分を「未熟だ」「性格が悪い」と責めてしまう方が後を絶ちません。

けれど、私はこの26年間、金融機関という現実的な組織で働きながら、20年にわたり高齢者施設などで無償の相談員としても人の心に向き合ってきました。そのなかで確信していることがあります。それは、「許し」は義務ではなく、あくまで結果として訪れるものであり、許せないまま生きていくことも、立派なひとつの生き方だということです。

小林正観さんや片山鶴子さんの教えに深く影響を受けてきた私が、繰り返し胸に置いている言葉があります。「淡々と、こだわりなく、粛々と」。この言葉は、感情を押し殺すことでも、無理にポジティブになることでもありません。起きたことをそのまま受け止め、こだわりを手放し、自分にできることを静かに積み重ねていく、という生き方の姿勢です。

この本は、「親を許さなければならない」というプレッシャーから、あなたを解放するために書きました。許すか許さないかを決めるのはあなた自身であり、その決定に優劣はありません。大切なのは、許すことよりも、あなた自身がこれからの人生を軽やかに生きていくことです。

私自身、氷河期世代として社会に出て、思うようにいかない時代の空気を肌で感じながら大人になりました。だからこそ、「こうすれば必ず幸せになれる」という単純な公式を、安易に語ることはできません。ただ、多くの方の心の声に耳を傾けてきた経験から、確かに言えることがあります。それは、心の重荷は、正しい情報と、自分を責めない視点さえあれば、少しずつ軽くしていけるということです。

ページをめくりながら、どうか「こうあるべき」という思い込みを、ひとつずつ横に置いてみてください。その先に、あなただけの答えが見えてくるはずです。この本が、長年ひとりで抱えてきた重荷を、少しでも下ろすきっかけになりますように。

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