「いい子」をやめる勇気

「いい子」をやめる勇気

記事
コラム
── 自分を取り戻すための、静かな8週間 ──

「いい子」をやめる勇気

本当の自分を取り戻し、心から笑える私になるまで

著 アイリス綾




目次

はじめに

第1章 なぜ私たちは「いい子」になったのか5

第2章 「いい子」の仮面が奪うもの8

第3章 顔色を伺う癖に気づく11

第4章 「べき」を手放す14

第5章 淡々と、こだわりなく、粛々と17

第6章 本当の感情を取り戻すワーク20

第7章 境界線を引く勇気23

第8章 「いい子」から「本当の私」へ25

第9章 よくいただくご質問27

第10章 場面別・いい子卒業ガイド29

第11章 30日間・いい子卒業チャレンジ31

第12章 つまずいたときのお守りの言葉33

おわりに

著者紹介




はじめに

「いい子だね」「優しいね」「気が利くね」。

子どもの頃から、そう言われるたびに、私はほっとしていました。認められた、と思えたからです。でもその裏側で、私はいつも自分の気持ちを後回しにしていました。

これまで3,000件を超えるご相談を受けてきた中で、驚くほど多くの方が同じ言葉を口にされます。「本当は嫌だったのに、断れなかった」「怒っているのに、笑ってしまう」「自分が何をしたいのか、もうわからない」。

学生さんも、経営者の方も、政治家の方も、立場や年齢に関係なく、多くの人が「いい子」という仮面の下で静かに疲れ果てています。

「いい子」であることは、決して悪いことではありません。思いやりがあり、周りをよく見て、争いを避けようとする——それはあなたの中にある、とても美しい資質です。問題は、その資質を「自分を守るための鎧」として使いすぎてしまい、いつの間にか鎧と自分の境目がわからなくなってしまうことなのです。

私自身、いわゆる就職氷河期世代として社会に出て、長く組織の中で働きながら、20年にわたり高齢者施設などでの相談ボランティアを続けてきました。その中で出会った小林正観さんや片山鶴子さんの教えに、私は何度も救われました。「淡々と、こだわりなく、粛々と」——この言葉は、いい子をやめることは反抗でも我慢でもなく、ただ自然体に戻るだけなのだと、私に教えてくれました。

この本は、あなたに「いい子をやめなさい」と命じる本ではありません。むしろ逆です。あなたがこれまで「いい子」でいることによって守ってきたもの、乗り越えてきたことに、まず敬意を払いたいと思っています。そのうえで、少しずつ鎧を脱ぎ、その下にある本当のあなたと再会するための、具体的な道筋をお伝えします。

鑑定の現場では、経済的に成功していても、人から見れば何ひとつ不自由がないように見えても、「自分の心が置き去りになっている」と涙を流される方に、数えきれないほどお会いしてきました。反対に、大きな肩書きも財産もなくても、自分の気持ちに正直に生きている方は、驚くほど穏やかで、満ち足りたお顔をされています。この差を生んでいるのは、外側の条件ではなく、自分自身との関係性なのだと、私は確信しています。

本書では、9つの章を通して、「いい子」という戦略の成り立ちから、それを手放していくための具体的な視点とワークまでを、順を追ってお伝えしていきます。最後の章には、実際のご相談でよくいただくご質問にもお答えしています。どこから読んでいただいても構いませんが、もしよろしければ、まずは順番通りに、ご自身のペースで進んでみてください。

急ぐ必要はありません。淡々と、こだわりなく、粛々と。ページをめくるたびに、あなたの中の「本当の私」が、少しずつ息を吹き返していくはずです。

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