業務アプリは自作か外注か|判断の分かれ目

業務アプリは自作か外注か|判断の分かれ目

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ビジネス・マーケティング
表計算の限界が来たので、社内でアプリを作ってみることにした。作るのは多くの場合、いちばん困っている本人だ。AIに手伝ってもらったら、一覧と登録の画面が三日で動いた。想像していたより、ずっと簡単だった。

ここで手が止まる。動いてはいる。ただ、これを本番の業務に載せてしまっていいのかが分からない。誰に聞けばいいのかも分からないし、聞ける相手が社内にいないことも多い。作れてしまったこと自体が、かえって判断を難しくしている。

先に結論を書く。自分で作るか外に頼むかは、作れるかどうかでは決まらない。決めるのは、その後ずっと直し続けられるかどうかだ。ここを外すと、作れたこと自体が次の問題の入り口になります。今回はその見分け方を、数えられる形にしていく。

「作れるか」で決めると、全部が内製になる

少し前まで、この判断は自動的に決まっていた。社内に書ける人がいなければ、外に頼むしかなかったからだ。今は違う。ある程度のものは作れてしまう。だから作れるかを基準にすると、答えはいつも「作れる」になり、判断そのものが働かなくなる。

しかも、作るところは工程全体でいちばん短い。長いのは渡したあとのほうだ。項目が足りないと言われる。集計の切り口を変えたいと言われる。年度が替わって様式が変わる。人が入れ替わる。ここに毎月いくらかの時間が消えていく。

それに、作ったものが止まるのは普通に使っている場面ではない。締め日に去年の分を直そうとしたとき、担当が休んで別の人が入力したとき、想定していない文字が入ったとき。業務が止まるのは正常系ではなく例外のほうで、その手当ては作る楽しさから最も遠い。

毎月、何回直す用事があるか

判断のために、ひとつだけ数えてほしい数字がある。その業務で、項目や様式を直す用事が毎月何回あるかだ。作るかどうかを議論する前に、この一つを出しておくと話が早い。作りの良し悪しよりも、この回数のほうが結論を左右する。

数え方は簡単で、直近三か月をさかのぼり、「こういう欄が欲しい」「この並びを変えたい」と言われた回数を書き出す。言ってきたのが誰か、どのくらいで対応したかも一緒に書いておく。記憶で足りるので、書き出すだけなら数分で終わります。

月に一、二回あるなら、自分で足せる形にしておくほうが速い。頼んで、見積りを待って、という往復のほうが時間を食うからだ。逆にほとんど直す用事がないなら、作りをしっかりさせて長く使うほうが得になる。ただし、回数が多いから内製、とは限りません。扱っているものによって話が変わる。

どちら側の業務か

自分で作って回しやすいのは、三つが揃った業務だ。自分の部署だけで使う。項目がよく変わる。そして、止まってもその日の業務そのものは止まらない。日報、備品の貸出、社内の申し送り、営業の進捗メモ。この辺りは自分で作ったほうが速いし、変えたくなったその日に変えられる。

反対側にあるのが、金額・在庫・人の記録が絡むものだ。ここは「動く」と「正しい」の距離が遠い。画面が動いていることと、半年後に数字が合っていることは別の話で、後者は作り方でしか担保できない。しかも、ずれに気づくのは月を締めた後になる。

どちら側の業務か

たとえば在庫。今の数を一つの欄に持って、入庫と出庫のたびに上書きしていく作りは、最初の一か月はきれいに動く。ずれ始めるのは、二人が同時に触ったときと、過去の伝票を後から直したときだ。数は保存せず、入出庫の記録から計算して出す。こうしておけば、後から一件取り消しても数が合う。

金額も同じで、単価をマスタから引いて表示する作りにすると、改定した瞬間に去年の請求額まで動いてしまう。伝票には、そのとき使った単価を書き写して持たせる。見える範囲を部署ごとに分けることと、誰がいつ直したかを残すことも同類で、後から足すと作り直しに近くなる。

内製の費用は、作った人の時間で払っている

内製は「お金がかからない」と言われる。かからないのは支払いであって、費用はかかっている。払っているのは、作った人の時間だ。時間は請求書にならないので使った量が誰にも見えず、どこかの部署の残業に姿を変えている。

最初に作る時間はまだ見えやすい。見えにくいのは、そのあと毎月消えていく時間のほうだ。項目を一つ足す。集計を直す。使い方を聞かれて教える。一回十五分でも、月に十回あれば二時間半になる。それは本来やるはずだった仕事から引かれている。

そしてもう一つ、いちばん大きいものがある。作った人がいなくなった後だ。異動、退職、担当替え。その日を境に、誰も中身に触れなくなる。動いてはいるので、しばらくは誰も困らない。困るのは半年後、様式を変えたいと言われたときになる。
動かなくなったわけではない。直せる人が、いなくなっただけだ。
これを避けるのに、大掛かりな引き継ぎ資料は要りません。作った本人が残すのは三つでいい。どこを直せば項目が増えるか。データはどこに入っているか。壊したときにどう戻すか。この三つが書いてあれば、次の人が入り口を見つけられる。

半分だけ頼むという形

内製か外注かの二択で考えると窮屈になる。実際には、土台だけ頼んで、日々の項目追加は自分でやるという形が取れる。全部を頼む必要も、全部を抱える必要もない。さきほどの表で左にも右にも当てはまってしまった業務は、たいていこの形が合う。

頼む側で作るのは、後から直しにくいところ。ログインと権限、金額や在庫の計算、変更の履歴、データの入れ物。自分でやるのは、入力欄を一つ足す、一覧の並びを変える、集計の切り口を増やす、といった日常の手入れです。

土台を頼むとき受け取るもの

この形でいくと決めたなら、受け取るものを見積りの中に書いておいてください。「ソースコード一式」だけでは足りない。どこを直せば項目が一つ増えるのかを、実際に一つ足してみせてもらう。手順が一枚あれば、その後は自分で回せます。

どちらを選んでも、持ち出し方だけは先に決める

最後に、内製でも外注でも同じように効くものを一つ。データを外に出せる形にしておくことだ。器はいずれ替わる。自分で作ったものを後から頼むこともあれば、その逆もある。これは着手の前でないと決められない。出せる形には三つの条件がある。

一つ目は、一行が何を表すのか決まっていること。一行が案件なのか、明細なのか、日ごとの記録なのか。ここが混ざっていると、移した先で数え直せない。二つ目は、見た目ではなく値で持つこと。日付の欄に「十一月中」「済」といった文字が入っていると、並べ替えも集計もできない。

三つ目は、いつ時点のものか分かること。金額や単価には、それがいつ適用された値なのかを一緒に残しておく。この三つが守られていれば、書き出して次の器に入れるだけで済みます。守られていないと、移すこと自体が別の仕事になる。作り替えの費用は、この整理でかなり変わります。

当方は元金融系のシステムエンジニアで、Excel・紙で回している業務を月額0円の買い切りWebアプリにする仕事をしている。全部をお任せいただく形でも、土台だけ作って残りはご自身で足していく形でもお受けしています。どちらにするか決めかねている段階で構いませんので、ココナラのメッセージからご相談ください。
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