ここまで、依存と未病の関係について書いてきました。
甘いもの。
カフェイン。
ジャンクフード。
ご褒美。
SNS。
旅行。
占い。
これらは一見すると、別々の問題に見えます。
しかし共通しているのは、どれも「今の状態」を一時的に変えてくれるものだということです。
疲れているとき。
不安なとき。
満たされないとき。
気力が落ちているとき。
人は、自分の状態を変えてくれるものを求めます。
その中でも特に身近で、毎日の状態に大きく関わっているものが食事です。
今回は、食事を整えると何が変わるのかについて考えていきます。
■ 食事は毎日入ってくる「縁」
命縁弁証学では、今の状態や環境を「縁」として見ます。
人間関係も縁。
仕事も縁。
生活リズムも縁。
SNSも縁。
そして、食事も縁です。
しかも食事は、毎日体の中に入ってくる縁です。
だから影響がとても大きいのです。
どんなものを食べているか。
いつ食べているか。
どれくらい食べているか。
何に頼っているか。
これらは、体調だけでなく、気分や判断力にも関わってきます。
■ 食事が乱れると、欲求が強くなる
食事が乱れると、体のエネルギーが不安定になります。
朝を抜く。
甘いものだけで済ませる。
コーヒーでごまかす。
菓子パンやお菓子でつなぐ。
夜にまとめて食べる。
疲れた日にジャンクフードを食べる。
こうしたことが続くと、体は安定しにくくなります。
エネルギーが切れやすくなる。
疲れやすくなる。
気分が落ちやすくなる。
イライラしやすくなる。
急に甘いものが欲しくなる。
これは意志の問題ではなく、体が不安定になっているサインです。
■ 甘いものが欲しいのは、体が助けを求めていることもある
甘いものが欲しくなると、多くの人は「また食べてしまった」と自分を責めます。
でも、そこで一度立ち止まって考える必要があります。
本当にただの欲なのでしょうか。
疲れていなかったか。
朝からあまり食べていなかったか。
睡眠が足りていなかったか。
仕事で気を張りすぎていなかったか。
ストレスが強くなっていなかったか。
甘いものが欲しくなる背景には、体や心の不足があることがあります。
つまり甘いものへの欲求は、ただの弱さではなく、
今の状態を知らせるサイン
でもあるのです。
■ 食事を整えると、欲求が落ち着きやすくなる
食事を整えるというと、厳しい食事制限を思い浮かべる人が多いかもしれません。
でも、ここで言う「整える」は、削ることではありません。
むしろ、必要なものをちゃんと入れることです。
たとえば、
ご飯を食べる。
味噌汁を飲む。
卵、魚、肉、大豆製品などでたんぱく質をとる。
油ものや甘いものに偏りすぎない。
空腹を我慢しすぎない。
朝や昼のエネルギーを安定させる。
こうした地味なことが、欲求の暴れ方を変えることがあります。
体が安定すると、甘いものやカフェインに頼らなくても動ける時間が増えていきます。
■ 判断力が戻る
食事を整える意味は、体重を減らすことだけではありません。
むしろ大切なのは、判断力が戻ることです。
エネルギーが不安定なとき、人は目先の快に流れやすくなります。
疲れたから甘いもの。
眠いからコーヒー。
ストレスがあるから買い物。
不安だからSNS。
つらいから占いで答えを探す。
もちろん、これらすべてが悪いわけではありません。
ただ、状態が崩れていると、選んでいるようで、実は選ばされていることがあります。
食事が整って体が落ち着いてくると、
「本当に今これが必要なのか」
と少し考えられる余裕が戻ってきます。
この余裕が、依存から抜けるためにとても大切です。
■ ダイエットも「削る」から「整える」へ
ダイエットで失敗しやすいのは、最初から減らそうとするからです。
食事を減らす。
甘いものを禁止する。
炭水化物を抜く。
空腹を我慢する。
短期間ならできるかもしれません。
しかし、体が不安定なまま制限すると、反動が起きやすくなります。
我慢する。
ストレスが増える。
甘いものが欲しくなる。
耐えきれず食べる。
自己嫌悪になる。
また制限する。
この流れを繰り返してしまいます。
だから、まず見るべきなのは「何を削るか」ではありません。
なぜ、それほど食べたくなる状態になっているのか
です。
痩せる前に、状態を整える。
ここを飛ばすと、ダイエットは苦しいものになりやすいのです。
■ 食事を整えると、自己否定が減る
食事が乱れていると、体だけでなく心も乱れやすくなります。
そして依存行動が増えると、多くの人は自分を責めます。
また食べた。
また飲んだ。
また夜更かしした。
また我慢できなかった。
でも、食事を整えて少しでも状態が安定してくると、見え方が変わります。
「自分がダメだった」のではなく、
「状態が崩れていたから欲求が強くなっていた」
と分かるようになります。
これはとても大きな変化です。
自己否定が減ると、さらに依存に戻りにくくなります。
なぜなら、自己否定そのものがストレスになり、また依存を呼ぶからです。
■ 食事を整えるとは、人生の土台を整えること
食事は、ただの栄養補給ではありません。
毎日の気分。
集中力。
体力。
睡眠。
感情の安定。
判断力。
これらの土台になります。
もちろん、食事だけですべてが解決するわけではありません。
人間関係も大事です。
仕事の環境も大事です。
睡眠も大事です。
休息も大事です。
ただ、食事が乱れたままだと、他の問題にも向き合う力が落ちやすくなります。
だから食事を整えることは、人生全体を整える入口になります。
■ 最初から完璧を目指さなくていい
食事を整えると聞くと、完璧にやらなければいけないと思う人がいます。
でも、それでは続きません。
大切なのは、少し安定することです。
朝に少しでも食べる。
甘いものだけで済ませない。
コーヒーだけで動かない。
ご飯や味噌汁を入れる。
たんぱく質を少し意識する。
夜に食べすぎる前に、昼を整える。
小さな調整で十分です。
依存から抜ける道は、派手な決意ではなく、地味な安定から始まります。
■ 命縁弁証学で見ると
命縁弁証学では、悩みや行動を単独で見ません。
命。
縁。
果。
行。
この流れで見ます。
食事は「縁」です。
毎日の食事という縁が乱れると、心身の状態が乱れます。
心身の状態が乱れると、判断力が落ちます。
判断力が落ちると、依存行動が増えます。
依存行動が増えると、さらに食事や生活が乱れます。
反対に、食事という縁を整えると、状態が少し安定します。
状態が安定すると、判断力が戻ります。
判断力が戻ると、選択が変わります。
選択が変わると、未来の果も変わっていきます。
だから食事改善は、単なる健康法ではありません。
未来を整えるための、かなり基本的な行動なのです。
■ まとめ
食事を整えると、何が変わるのか。
体重だけではありません。
甘いものへの欲求が落ち着きやすくなる。
カフェインに頼りすぎなくなる。
気分が安定しやすくなる。
判断力が戻りやすくなる。
自己否定が減りやすくなる。
ダイエットも続けやすくなる。
依存をやめるために、いきなり我慢する必要はありません。
まず、依存しなくても済む状態に近づけること。
その第一歩が、食事を整えることです。
依存は根性で断つものではなく、状態を整える中で少しずつ弱まっていくものだと思います。