読書録#3 『100分de名著 野生の思考』

読書録#3 『100分de名著 野生の思考』

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コラム
今回はNHKテキストです。
いずれは原著であるレヴィ=ストロースの『野生の思考』に挑戦したいと思い、まずひとつ目のステップとしてこちらを読むことにしました。

以前、幼少期に紙などで作ったミニチュアをモチーフにした写真作品の展示をした際、お世話になっている先生が見に来てくださいました。
そのときに先生がレヴィ=ストロースについて触れたため気になっていたのです。
レヴィ=ストロースは「美術作品の大多数がまた縮減模型である」と述べているそうです。

「縮減とは、情報のある部分を消していって、大切な部分だけ取り出して、縮小した模型を作ることです。」
「物事を小さくすることで知的理解の中に取り込むことの快感の本質は、このように元来知的なものです。」

と解説の中沢新一さんはこの本の中に書いています。

小さいもの、ミニチュアには昔から惹かれてきましたが、知的理解の中に取り込むという行為だとは思ったことがなかったので面白い視点でした。
今後の制作にも関わりそうなことなのでもっと深く考えたいポイントです。

本書は解説本として平易な言葉で書いてくれているため、読み進めることはあまり難しくありませんでした。ただ内容をちゃんと自分が理解できているかといえばかなり怪しいと思います。正直なところ。

そんな状態でですが気になった箇所を2点。

「レヴィ=ストロースは以前からシュルレアリスムの思想に共感を持っていましたが、実は構造主義とシュルレアリスムは密接な関係にあります。」

「言語学は詩学がもとになっているというのがヤコブソンの考え方ですが、これはロシアで発達した構造言語学の基本的な姿勢でもありました。「隠喩」(メタファー)や「換喩」(メトニミー)を通じて、全体が共鳴し合っているの小宇宙をつくるのが詩で、そこでは音響と意味が一体となって響き合っています。これが人間の言語のベースであり、日常言語が言語の基礎ではないという考えです。(中略)こういう考えにレヴィ=ストロースは共感を持ちました。」

どちらもレヴィ=ストロースが共感を持った考えについての言及です。
なぜここが気になったかというと、シュルレアリスムや隠喩・換喩が私にとっての関心事項でもあるからです。

気になる作品や作家について調べてみるとシュルレアリスムという言葉にぶつかることが多かったり、隠喩・換喩に惹かれて(構造言語学ではありませんが)認知言語学を大学で学んだことがあったり、

別々に関心を持ったことが実は裏でつながっていた、そんなことに気付いたとき脳が喜んでいるのを感じます。

まだまだキーワードを拾っただけの段階なので、この先繰り返し読んで考えることが必要ですが、何か自分の中で発見することができたらうれしいなと思います。
他ではブリコラージュ、プラクシス、ポイエーシスといったワードも物作りに関連しており気になっています。

こちらのテキストと原著を反復横跳びのような感じで読んでいくのがいいんでしょうか。
いずれにせよ自分の関心事がいくつも含まれているだろう本が待っているというのはわくわくしますね。

ではこのあたりで。

次回更新は9月8日です。
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