みなさんはこのポスターを見て、最初にどんな印象を受けましたか。
「シンプル。」
「上品。」
「高級ブランドっぽい。」
そんな印象を受けた方も多いのではないでしょうか。
では、その印象はどこから生まれているのでしょう。
他のブログも読んでいただいた方々は
この始まり方にも慣れてきたのではないでしょうか(笑)
ですが最初に受けたその印象はポスターの内側に入り分析する上では
とても大事なものですので、慣れてきても自分の印象を大事にして
楽しんでいただけたらと思います。
では今回もその印象を作るためにポスターに隠された工夫、秘密たちを紹介していきたいと思います。
はじめまして。
Illustratorを中心に約4年間ポスターデザインを制作している象彩堂と申します。
現在はデザイン制作サービスも販売しておりますので、興味を持っていただけた方はぜひプロフィールもご覧ください。
それではさっそく今回はこちらのポスターを見ていきましょう。
セールを告知する夏を意識したアパレルのポスターです。
実は、このポスターで最も重要なのは「何を入れたか」ではなく、
「何を入れなかったか」です。
セールのポスターだからといって、
* 星や装飾
* SALEのアイコン
* 派手な背景
* 大きな割引表示
などを詰め込んでしまうと、高級感は一気に失われてしまいます。
このポスターでは、必要最低限の情報だけを残し、それ以外は思い切って削っています。
だからこそ、一つひとつの要素が際立ち、洗練された印象につながっているのです。
デザインでは、足し算よりも引き算の方が難しいと言われる理由がここにあります。
視線を止める余白
前回は余白そのものについて触れましたが、今回は余白の「量」に注目してみましょう。
このポスターには、背景の広い空間が大胆に使われています。
もし背景いっぱいに文字や装飾を配置したらどうでしょう。
おそらく「セール感」は出ますが、「ブランドらしさ」は薄れてしまいます。
このポスターは余白を広く取ることで、
「落ち着き」
「上品さ」
「余裕」
といった印象を生み出しています。
つまり、余白は多ければ良いわけではありません。
ブランドの雰囲気に合わせた絶妙な量だからこそ、この印象になるのです。
フォントの組み合わせ
このポスターでは、
ブランド名とSALEには高級感のあるセリフ体、
日本語には手書き風フォントが使われています。
普通に考えると、
違うフォントを組み合わせると統一感がなくなりそうですよね。
しかし、このポスターでは、
ブランドらしい上品さと、
夏らしい柔らかさを同時に表現するために、
あえて異なる印象のフォントを組み合わせています。
重要なのは、フォントを増やすことではありません。
それぞれが役割を持って配置されていることなのです。
色数を絞る効果
このポスターはほとんど
・青
・白
・黒
この3色だけで構成されています。
そこへ唯一、
バッグの赤と「30%」のオレンジがアクセントとして加えられています。
もし他にも黄色や緑、紫などが入っていたらどうでしょう。
視線は分散し、高級感も失われてしまいます。
色は多ければ目立つわけではありません。
少ない色だからこそ、一つの色が強い意味を持つ。
それが、このポスターから学べるポイントです。
主役を引き立てるバランス
このポスターの主役はモデルです。
ですが、ただ中央に置けば主役になるわけではありません。
背景、文字、ブランド名、SALE表示。
これらすべてがモデルを邪魔しない大きさ、位置、色で配置されています。
どれか一つでも大きすぎれば、
視線はそちらへ流れてしまいます。
逆に小さすぎれば、
情報としての役割を果たせません。
つまり、このポスターの魅力は
「モデルが主役」
ということではなく、
すべての要素が、お互いを引き立てる絶妙なバランスで組み合わされていることにあります。
いかがでしたでしょうか。
今回のポスターから分かるように、
良いデザインは一つの工夫だけで完成するものではありません。
余白、色、フォント、レイアウト。
それぞれの工夫が目的に合わせて組み合わさり、その割合や強弱まで丁寧に調整されることで、一つの印象が生まれます。
つまり、「余白を増やせばいい」「色を減らせばいい」という
単純な話ではないのです。
どの工夫を、どれくらい使うのか。
その絶妙な組み合わせこそが、デザインの面白さであり、難しさでもあります。
今回は今までのような工夫だけを知るだけでなく
工夫同士の関係という次の段階に進むことができたのではないかと思います。
ぜひ今回紹介した視点を参考に、「なぜこのバランスなのか」という
ところまで考えながら、身の回りのデザインを見てみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。