このポスター、なぜ
「見やすい」「かっこいい」と
感じるのか説明できますか?
実は、良いデザインには必ず理由があります。
今回はポートフォリオにも掲載しているポスターを例に、デザイナーがどんな考えでレイアウトや配色を決めているのか、このポスターに隠された工夫は何なのかを解説します。
はじめまして!illustratorを軸に4年ほどポスターデザインをしている象彩堂と申します。サービスの販売もしておりますので気になった方はぜひプロフィールもチェックしてみてください。
ではさっそく本編に移っていきましょう。今回徹底解説するポスターはこちら
夏祭りをテーマにしたポスターです。
このポスターを見た時にあなたが
どう感じたか、どんな内容が一番先に入ってきたと
言う情報はポスターをデザインする上でとても重要です。
ですが作る側の人はデザインを感覚だけで作ってしまうと、
毎回クオリティが安定しません。良いものができても「なぜ良かったのか」が分からず、修正にも時間がかかります。
デザイナーというのは感覚だけでなくあなたが見た時に受け取る情報を
様々な原理や法則によって目的に沿った印象になるように調整しているのです。
もちろんこのポスターでも様々な工夫が施されています。では一つ一つ見ていきましょう。
1. 配色の工夫
このポスターでは色が大体3つに絞られています。
黒、白、金です。
これらの色はポスター全体にゴージャスなイメージを与えてくれたり、
3つに絞ることでどの色をどこに置けば視線誘導ができるなどの調整もしやすくなりますし、それによってごちゃごちゃしたイメージもなくなります。
さらに強調したいところだけを金色にすることで強調したいところが先に伝わるという形にもなっています。
いろんなところを金色にしてしまうとインパクトはあるものの、
伝わる情報の優劣がつかなくなりまとまりに欠けてしまうのです。
2. 視線誘導
視線誘導とは、どの順番で情報を見てもらうかをデザインによってコントロールすることです。
人はポスターなどを見るとき、自然にZの形を描くように視線を動かす傾向があります。
では、そのZをこのポスターに当てると...?
タイトル → 年号 → 日時 → 会場 → 下部の9000発
といった順番で情報が受け取られていくことがわかりますね。
もっと下部の9000発が大きく派手であったらZ型の前にそっちを見てしまうということもありますが、このポスターでは上部と下部の金色のテキストは同じようなサイズ、フォントなどによって同じ大きさのインパクトを与える形になっているのでZの順番が優先されています。
そしてこのZを活用することによって与えたい情報から順番に与えることができるのです。
このポスターのようにタイトルや日付、会場などの必要になってくる情報や 最低限受け取って欲しい情報を一番上に配置することでZ型でなぞっていくと一番先にそれらの情報を受け取ることになるのです。
3. コントラスト
背景は夜空の黒。
そのため明度が反対である白を大きく配置することでより白い字が目立ちやすくなっています。
ちょうどいいバランスで白色を散りばめることで主体を背景の花火、夜空に 保ちつつも白い字が目に入ってきやすいという状況を作り込んでいるのです。
4. シンメトリーの工夫
人は自然にまとまっているものに心地よさを覚えたり、人の顔や体、建築物など、私たちは左右対称のものを多く目にしているため、整った配置に安定感や心地よさを感じやすいと言われています。
それを利用しているのがこのポスターです。見ていただいたらわかる通りほとんどがシンメトリーになっていることがわかると思います。
ですが「今年も開催」と「入場無料」とだけ少し縦にずれていますね。
ミスのようにも見えますが、これも戦略なのです。
他のものが綺麗に整っている中、ひとつだけずれているとそこに目が当たりやすくなるからです。
みんなが集まっている中ひとりだけ端っこや少しずれたところにいたらとてもわかりやすいですよね。
このようにこのポスターではシンメトリーから少し外すことでそこにも視線がしっかりといくようになっているのです。
ですがずらしすぎては先ほどお伝えしたように伝えたい情報が第一に伝わらなくなってしまうため注意です。
いかがでしたでしょうか。
このポスターにはまだまだたくさんの工夫が隠されていますが、今伝えただけでも言われないとわからなかった工夫や自分がどうやって印象を受け取っているのかが少しは理解できるようになったかと思います。
これこそがデザインの面白さなのです。
今後も実際の作品を使いながら、デザインの法則や考え方をわかりやすく解説していきます。
「デザインって面白い」と思っていただけたら、ぜひ次回の記事ものぞいてみてください。
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