「自分の声が好きになれない…」~ボイトレで変えられることと変えられないこと~【前編】

「自分の声が好きになれない…」~ボイトレで変えられることと変えられないこと~【前編】

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音声・音楽
「自分の声が好きになれない・・・」

この言葉、生徒さんから何度聞いたでしょう。

あまりにも、その気持ちがわかりすぎるので、
「そんなことないですよ。素敵な声ですよ」
なんて、気休めは言えないし、言いません。

なぜなら、私自身もずっと、自分の声が好きではなかったからです。

若い頃の私は、ハスキーな声に憧れがありました。

そのころ、シンガーソングライターとして書く歌詞も曲も、わりと骨太だったのですが、声だけがなんか違う。

自分のなかに聞こえてくる声も好きじゃないまま生きてきたのに、録音した自分の声を初めて聴いた日、

「え、私って、こんな声なの?」

さらに、がっかりしました。

自分で聞いていた声とも違う。
憧れていた声とは、もっと違う。

歌いたい歌と、自分の声が、どうにも噛み合っていないような気がしていました。

そして、若かりし私が最初にとった方法は、

「声を嗄らす」

でした。

一番、避けたほうがいい選択です。

度数の強いお酒でうがいしながら叫ぶ。

・・・なんて原始的で、短絡的な方法でしょう。

「飲んだら酔うし、体にも悪いから」と思っていたのですが、
うがいしながら叫んでも、十分、体に悪い・・・。

もちろん、絶対に真似しないでください。

でも、声は理想どおりのハスキーボイスになりました。

高い声も裏声にひっくり返らず、太く、力強い声になりました。

ただ、喉が強かったのか、なんなのか。
お酒でうがいをしておかないと、声が元に戻る。

だから、またうがいをする。
そんな日々を、2年ほど続けました。

そして、ある頃から、少しずつ音域が狭くなり始めました。
さすがにおかしいと思い、耳鼻咽喉科へ。
そこで言われたのが、

「声帯にポリープができているのではなく、声帯全体がポリープになっています」

という言葉でした。

さらに、

「きちんと声の出し方を学ばないと、一年後、話す声さえなくなる」

と…。

もちろん、お酒でうがいしながら叫んでいたことは、先生には内緒です。

欲しかった声は、手に入りました。
でも、それは「自分の声を育てた」のではなく、
声帯を傷めながら、無理やり作った声でした。

そう。
あの頃の私は、自分の声を変えたかった。

でも、“変える”ということの意味を、まったくわかっていなかったのです。

そして、ここから。
私のボイストレーニング人生が始まった。
今思うと、そんな気がします。

この先のお話も、まだまだ長くなりそうなので、続きは後編へ。

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