【クラリネット初心者向け】他の楽器の楽譜をクラリネットで吹くには?移調のやり方をやさしく解説

【クラリネット初心者向け】他の楽器の楽譜をクラリネットで吹くには?移調のやり方をやさしく解説

記事
音声・音楽
画像 1.jpeg
画像.jpeg

「フルートの楽譜をクラリネットで吹いてみたい!」

「ピアノの楽譜をクラリネット用に読み替えたい!」

「同じ『ド』なのに、どうして音が違うの?」

クラリネットを始めると、こんな疑問に出会うことがあります。

実は、クラリネットは移調楽器(いちょうがっき)と呼ばれる楽器です。

そのため、ピアノやフルートなどの楽譜をクラリネットで演奏するときには、楽譜の音をそのまま読むのではなく、クラリネット用に音を読み替える「移調」が必要になる場合があります。

今回は、音楽初心者・クラリネット初心者の方に向けて、

* 移調ってそもそも何?
* なぜクラリネットは移調するの?
* フルートやピアノの楽譜をB♭クラリネットで吹く方法
* アルトサックスなどE♭管楽器の楽譜を読む方法
* 調号(♯・♭)はどう変える?
* 実際の楽譜での読み替え方
* 移調するときの注意点

を、できるだけ簡単に解説します。


そもそも「移調」って何?


まずは「移調」という言葉から。

移調とは、簡単に言うと、

曲の音の高さの関係を保ったまま、別の高さに移して演奏すること

です。

例えば、

「ド・レ・ミ」

というメロディーを、

「レ・ミ・ファ♯」

に移すことも移調です。

音と音の間隔は同じですが、曲全体の高さが変わっています。

ただし、クラリネットの場合は少し事情が違います。

クラリネットは、楽譜に書いてある音と実際に聞こえる音の高さが違うからです。


 クラリネットは「移調楽器」


B♭クラリネットの場合、

楽譜に書かれた「ド」を吹くと、実際には「シ♭」の音が聞こえます。

これがクラリネットの大きな特徴です。

つまり、

B♭クラリネット

書いてある音 → 実際に聞こえる音

ド → シ♭
レ → ド
ミ → レ
ファ → ミ♭
ソ → ファ
ラ → ソ
シ → ラ

という関係になります。

そのため、クラリネット奏者は、楽譜を見ながらも「この音を吹いたら、実際にはどの音が聞こえるか」を考える必要があります。


「ド」を吹いているのに、なぜ「シ♭」なの?


これはクラリネットの楽器そのものの仕組みに関係しています。

B♭クラリネットでは、楽譜上の「ド」を吹くと、ピアノなどでいう「シ♭」の音が鳴ります。

つまり、

クラリネットの「ド」=実音のシ♭

です。

ここで重要なのが、

クラリネット奏者にとっては「ド」であることに変わりない

ということです。

楽譜上では「ド」と読み、運指も「ド」の運指をします。

その結果として、実際に聞こえる音が「シ♭」になります。


 では、フルートの楽譜をクラリネットで吹くには?


ここからが本題です。

フルートは基本的にC管の楽器です。

ピアノやバイオリンも、基本的にはCの音をそのまま実音として扱います。

一方、B♭クラリネットは移調楽器。

そのため、

フルートやピアノの楽譜を、そのままB♭クラリネットで吹くと、元の楽譜より低く聞こえてしまいます。

そこで、クラリネット側では全音(長2度)上に読み替えます。


C管の楽譜 → B♭クラリネットへの移調


覚え方は非常に簡単です。

書いてある音より、全音上を読む

これが基本です。

例えば、フルートの楽譜に、

ド・レ・ミ・ファ・ソ

と書いてあったとします。

B♭クラリネットでは、

レ・ミ・ファ♯・ソ・ラ

と読み替えます。

つまり、

| フルート・ピアノなど | B♭クラリネット |
| ---------- | -------- |
| ド | レ |
| レ | ミ |
| ミ | ファ♯ |
| ファ | ソ |
| ソ | ラ |
| ラ | シ |
| シ | ド♯ |

となります。

ポイントは、

すべての音を「全音上」にする

ことです。


 具体例①「ド・レ・ミ」をクラリネットで吹く


フルートの楽譜に、

ド・レ・ミ

と書かれていたとします。

これをB♭クラリネットで同じ高さに聞こえるようにするには、

レ・ミ・ファ♯

と読みます。

実際にクラリネットで、

「レ・ミ・ファ♯」

を吹くと、

実音では、

「ド・レ・ミ」

になります。

つまり、

フルートのド・レ・ミ


クラリネットのレ・ミ・ファ♯

という関係です。


具体例② フルートの楽譜が「♭1つ」だったら?


これはクラリネット初心者が特に迷いやすいところです。

例えばフルートの楽譜が、

♭1つ

つまりFメジャー(ヘ長調)だったとします。

この曲をB♭クラリネットで演奏する場合、クラリネットの楽譜はGメジャーになります。

つまり、

♭1つ → ♯1つ

に変わります。

なぜなら、C管の楽譜をB♭クラリネット用に全音上へ移調するからです。

 調号の変化

Fメジャー
↓ 全音上
Gメジャー

となります。

これは非常に便利な覚え方です。


C管からB♭クラリネットへの調号早見表


よく使う調なら、次のように覚えることができます。

| C管の楽譜 | B♭クラリネット |
| ----------- | ----------- |
| Cメジャー(♯♭なし) | Dメジャー(♯2つ) |
| Gメジャー(♯1つ) | Aメジャー(♯3つ) |
| Dメジャー(♯2つ) | Eメジャー(♯4つ) |
| Aメジャー(♯3つ) | Bメジャー(♯5つ) |
| Fメジャー(♭1つ) | Gメジャー(♯1つ) |
| B♭メジャー(♭2つ) | Cメジャー(♯♭なし) |
| E♭メジャー(♭3つ) | Fメジャー(♭1つ) |
| A♭メジャー(♭4つ) | B♭メジャー(♭2つ) |

「曲の調が分からない……」という場合でも、まずは**一つひとつの音を全音上に読み替える**ところから始めれば大丈夫です。


「音符を全音上にする」ってどういうこと?


例えば、

 ド

なら、


 レ

なら、



なら、

ファ♯

です。

ここで注意したいのが、鍵盤上で白鍵を2つ進むだけではないということ。

「ミ→ファ」は半音しか離れていないので、

ミから全音上は、

ファ♯

になります。

同じように、

「シ」から全音上は、

ド♯

です。


♯や♭が付いている場合はどうする?


ここも重要です。

基本的には、

音符そのものを全音上へ移動させ、その結果に合わせて♯や♭も読み替える

と考えます。

例えば、

ファ♯

を全音上げると、

ソ♯

です。

シ♭

を全音上げると、


になります。

つまり、単純に「全部の音名を2つ上へ」と覚えるだけではなく、半音・全音の関係を意識することが大切です。


「楽譜を2つ上に読む」と考えると簡単


初心者の方には、

B♭クラリネットなら、C管の楽譜を「2つ上の音名」に読む

という覚え方もおすすめです。

例えば、

ド → レ
レ → ミ
ミ → ファ♯
ファ → ソ
ソ → ラ
ラ → シ
シ → ド♯

という感じです。

ただし、実際の移調では♯・♭や音程も正しく処理する必要があります。

「ドから2つ上だからミ!」

ではありません。

ここでいう「2つ上」は、

音階上で全音上

という意味です。


 C管の楽譜をクラリネットで読むときの基本ルール


ここまでを一度整理してみましょう。

C管の楽譜

フルート
ピアノ
バイオリン
オーボエ
ファゴット
など


 B♭クラリネット

全音上に読み替える

これだけです。

例えば、

C管:ド・レ・ミ


B♭クラリネット:レ・ミ・ファ♯

です。


 では、アルトサックスの楽譜は?


ここから少し応用です。

アルトサックスE♭管の移調楽器です。

そのため、アルトサックスの楽譜をB♭クラリネットで吹く場合は、C管の楽譜とは違う移調が必要になります。

アルトサックスの楽譜をB♭クラリネットへ読み替える場合、

アルトサックスの書かれた音から完全4度上

に読み替えるのが基本です。

例えば、

アルトサックス:ド


B♭クラリネット:ファ

です。


E♭管 → B♭管の移調


代表的な音を見てみましょう。

| E♭管楽器の楽譜 | B♭クラリネット |
| -------- | -------- |
| ド | ファ |
| レ | ソ |
| ミ | ラ |
| ファ | シ♭ |
| ソ | ド |
| ラ | レ |
| シ | ミ |

つまり、

アルトサックスのドを、クラリネットではファとして読む

ということです。

これを知っておくと、アルトサックス用の楽譜をクラリネットで演奏するときにも対応できます。


 なぜ「完全4度上」になるの?


少しだけ理屈を説明しましょう。

E♭管の楽器では、楽譜上の「ド」を吹くと、実際には「ミ♭」が鳴ります。

一方、B♭クラリネットでは、楽譜上の「ファ」を吹くと、実際には「ミ♭」が鳴ります。

つまり、

アルトサックスのド


クラリネットのファ

は、実際に聞こえる音が同じなのです。

だから、

E♭管の楽譜 → B♭クラリネット

では、完全4度上に読み替えます。


楽器別「そのまま読める?移調が必要?」


初心者がよく使う楽器を整理してみましょう。

| 楽器 | 管 | B♭クラリネットで演奏するとき |
| ----------- | -- | --------------- |
| ピアノ | C | 全音上 |
| フルート | C | 全音上 |
| オーボエ | C | 全音上 |
| バイオリン | C | 全音上 |
| ファゴット | C | 全音上 |
| トランペット(B♭) | B♭ | 基本的に同じ読み方 |
| テナーサックス(B♭) | B♭ | 基本的に同じ読み方 |
| アルトサックス(E♭) | E♭ | 完全4度上 |
| ホルン(F) | F | 完全5度上 |

※ここでは一般的な移調楽器としての基本的な読み替えを示しています。楽器の種類や楽譜の表記方法によって例外があります。


B♭管の楽譜なら基本的にそのまま読める


ここで嬉しいポイントがあります。

例えば、

B♭トランペット


テナーサックス

の楽譜。

これらはB♭管なので、B♭クラリネットと同じ移調関係です。

そのため、基本的には音名をそのまま読むことができます。

もちろん、音域やオクターブ、音部記号などには違いがあります。

特にテナーサックスは、実音と記譜音の関係はB♭クラリネットと同じですが、実際の音域が1オクターブ違うので注意しましょう。


 実際に移調するときの3ステップ


では、実際の楽譜をクラリネットで吹くときはどうすればいいのでしょうか?

 STEP 1 元の楽器が何管か確認する

まず、

C管?

B♭管?

E♭管?

などを確認します。

 STEP 2 B♭クラリネットとの音の関係を確認する


例えば、

C管 → B♭クラリネット

なら、

全音上

です。

E♭管 → B♭クラリネット

なら、

完全4度上

です。


 STEP 3 音符と調号を読み替える


音符だけでなく、

♯・♭・ナチュラル

などの臨時記号にも注意します。

さらに、曲全体を移調する場合は調号も変更します。


「楽譜を書き換える方法」と「頭の中で読む方法」


移調には、大きく2つの方法があります。

方法① 楽譜を書き換える

元の楽譜を見ながら、

C管の「ド」


クラリネット用の「レ」

というように、別の楽譜に書き直します。

初心者には、この方法がおすすめです。

間違いを確認しやすいからです。


方法② 頭の中で読み替える


慣れてきたら、

「ド」と書いてあるけど、クラリネットでは「レ!」

というように、頭の中で瞬時に読み替えます。

これは視奏(しそう)に近い感覚で、練習するとだんだん速くできるようになります。

最初から無理にやる必要はありません。


初心者におすすめの練習方法


移調を身につけるなら、簡単なメロディーから始めましょう。

例えば、

ド・レ・ミ・レ・ド

というメロディー。

これをB♭クラリネット用にすると、

レ・ミ・ファ♯・ミ・レ

になります。

まずは5音くらいの短いフレーズから練習します。

慣れてきたら、

* 童謡
* 簡単なアニメ曲
* ポップス
* 吹奏楽曲

などに挑戦してみましょう。


移調するときによくある間違い


① 「2つ上だからミ」と考えてしまう

C管の「ド」をクラリネットで読むとき、

「ド→レ→ミだからミ!」

としてしまう間違いです。

必要なのは全音上。

ド→レなので、

正解はレ

です。


 ② 調号を変えるのを忘れる


音符だけ読み替えて、

♯や♭をそのままにしてしまうケースです。

曲全体を移調する場合は、調号も一緒に変える必要があります。


 ③ 臨時記号を見落とす


途中に出てくる♯・♭・♮も移調する必要があります。

「楽譜の最初の調号だけ変えればOK」

ではありません。


④ オクターブを間違える


移調すると、音域によってはクラリネットの実際の演奏可能音域から外れることがあります。

その場合は、

オクターブを変える

などの工夫が必要になることもあります。


「移調」と「移調楽器」は別物?


ここも混乱しやすいポイントです。

 移調楽器

楽器そのものの仕組みによって、記譜音と実音が異なる楽器

クラリネットやトランペット、サックスなど。


 移調

曲や楽譜を別の高さに移す作業

です。

つまり、

B♭クラリネットは移調楽器だから、他の楽器の楽譜を演奏するときに移調が必要になることがある

という関係です。


なぜ吹奏楽では移調が必要なの?


吹奏楽では、

フルート
オーボエ
クラリネット
サックス
トランペット
ホルン
ユーフォニアム
チューバ

など、さまざまな楽器が一緒に演奏します。

それぞれの楽器には、

C管・B♭管・E♭管・F管

など、異なる移調関係があります。

そのため、楽譜ではそれぞれの楽器が演奏しやすいように、各楽器専用のパート譜が用意されています。

例えば吹奏楽で、

「フルートのパート譜をクラリネットで吹いてみたい」

という場合には、今回紹介したような移調が必要になるわけです。


まず覚えておきたい3つのパターン


クラリネット初心者なら、まずこの3つを覚えておけばかなり便利です。

🎵 C管 → B♭クラリネット

全音上

例:

ド → レ


 🎵 B♭管 → B♭クラリネット

基本的にそのまま

例:

ド → ド


🎵 E♭管 → B♭クラリネット

完全4度上

例:

ド → ファ


 移調は「音楽の翻訳」


最初は、

「なんでドをレと読まないといけないの?」

と混乱するかもしれません。

でも、移調は難しい魔法ではありません。

例えるなら、

同じ音楽を別の言葉に翻訳する作業

のようなものです。

フルートの「ド」は、

クラリネット語では「レ」。

アルトサックスの「ド」は、

クラリネット語では「ファ」。

というように、同じ音を別の楽器の言葉に置き換えていると考えると分かりやすくなります。


 まとめ|B♭クラリネットへの移調を覚えよう!


最後に、重要なポイントをまとめます。

  🪈C管の楽譜

フルート・ピアノ・バイオリンなど


B♭クラリネットでは全音上に読む

ド → レ


🎺 B♭管の楽譜

トランペット・テナーサックスなど


基本的にそのまま読む

ド → ド


🎷 E♭管の楽譜

アルトサックスなど


B♭クラリネットでは完全4度上に読む

ド → ファ




そして、最初から全部を暗記する必要はありません。

まずは、

「この楽譜は何管の楽器用?」

と確認する習慣をつけましょう。

そのうえで、

C管 → 全音上

B♭管 → そのまま

E♭管 → 完全4度上

と覚えていけば、少しずつ移調ができるようになります。

クラリネットを続けていると、他の楽器の楽譜を見たり、ピアノ伴奏に合わせたり、好きな曲を自分で演奏したりする機会も増えてきます。

そんなときに移調の知識があると、「この楽譜、クラリネットで吹いてみよう!」という選択肢が一気に広がります。

最初は1音ずつゆっくり読み替えて大丈夫。

まずは簡単なメロディーから、クラリネット用に「翻訳」する練習を始めてみましょう🎵



サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す