「資料を作り始めたはいいものの、気づいたら夜になっていた」
提案書や企画書、社内向けの説明資料を任されたとき、一度はそんな経験をしたことがあるのではないでしょうか。スライドの枚数は増えていくのに、なぜか「言いたいこと」がまとまらない。デザインを整えても、読み返すと話の流れがぎこちない——こうした悩みは、資料作りを担当するビジネスパーソンの間でよく耳にするものです。
この記事では、資料作成に時間がかかってしまう理由と、伝わる資料に共通する「構成」の作り方を、非デザイナーの方にもわかるように整理してご紹介します。
【なぜ資料作りに時間がかかるのか】
多くの場合、時間がかかる原因はデザインスキルの不足ではありません。いきなりスライドを作り始めてしまうことが最大の原因です。
たとえば、こんな進め方をしていないでしょうか。
・タイトルを決めたら、すぐに1枚目のスライドを開いてしまう
・思いついた情報から順に、スライドに書き込んでいく
・一通り作り終えてから、全体の流れがおかしいことに気づいて作り直す
スライド作成ソフトを先に開いてしまうと、意識は自然と「見た目」に向かいます。フォントや色、レイアウトを整えることに時間を使いながら、肝心の「何をどの順番で伝えるか」が後回しになってしまうのです。その結果、8割方できあがったところで話の流れに矛盾が見つかり、何枚も作り直す——という遠回りが発生します。
伝わる資料を作る人ほど、実はスライドソフトを開く前の時間を大切にしています。先に紙やメモ帳の上で「構成」を固めてから、スライド化という作業に入るのです。
【伝わる資料の構成を作る4ステップ】
では、具体的にどう構成を組み立てればよいのでしょうか。次の4ステップで進めると、話の流れが整理しやすくなります。
1. 結論を先に決める
資料を通じて「結局、何を伝えたいのか」を一文で決めます。たとえば「新しいツールを導入すべきだ」「このプランで進めたい」といった、資料の最後にたどり着きたい着地点です。ここが曖昧なまま作り始めると、途中で話が脇道にそれやすくなります。
2. 聞き手から逆算して目次を組む
結論が決まったら、次は「聞き手」を主語にして考えます。聞き手はどんな立場で、何を知りたくて、どんな順番で説明されれば納得しやすいか。たとえば経営層向けの資料であれば「課題→効果→コスト→次のアクション」という順番が納得されやすく、現場向けであれば「現状の困りごと→解決策→具体的な使い方」という順番の方が伝わりやすい、というように、聞き手によって適した流れは変わります。この目次(章立て)を、スライドを作る前にまず箇条書きで書き出します。
3. 1スライド1メッセージに分解する
目次の各項目を、スライド単位まで分解します。このとき意識したいのが「1スライドにつき伝えたいことは1つだけ」というルールです。1枚に情報を詰め込みすぎると、聞き手はどこに注目すればよいかわからなくなります。それぞれのスライドの一番上に「このスライドで言いたい一言」を仮タイトルとして書いておくと、後で文章や図解を作る際の道しるべになります。
4. 仮の構成を声に出して読んでみる
スライド化する前に、決めた構成(目次+各スライドの一言)を頭から声に出して読んでみます。話の流れに違和感がある箇所や、結論にうまくつながっていない箇所は、この段階であれば簡単に直せます。スライドを作り込んでから流れのおかしさに気づくと修正の手間が大きくなるため、この「読み上げチェック」を挟むかどうかで、後工程の手戻りは大きく変わります。
【デザインで最低限おさえておきたい点】
構成が固まれば、デザインは「整える」段階に入ります。凝った装飾は必須ではなく、次の2点さえ守れば十分読みやすい資料になります。
1. フォント・色数を絞る
フォントは1〜2種類、強調色は1色に絞るだけで、資料全体の印象は整って見えます。色を増やすほど「重要な部分」がぼやけてしまうため、本当に目立たせたい箇所だけに色を使うのが基本です。
2. 余白を残す
文字や図形をスライドいっぱいに詰め込むと、聞き手はどこを見ればよいか迷ってしまいます。情報を減らす、または前後のスライドに分けるなどして、余白を意識的に残すことで、伝えたいポイントが自然と目に入るようになります。
【まとめ】
資料作成に時間がかかる原因の多くは、デザインの技術不足ではなく「構成を固める前にスライドを作り始めてしまうこと」にあります。結論を決める、聞き手から逆算して目次を組む、1スライド1メッセージに分解する、声に出して読んでみる——この4ステップを踏むだけで、作り直しの手間は大きく減らせます。
次に資料を作る機会があれば、スライドソフトを開く前に、まず紙の上で構成を組み立てることから始めてみてはいかがでしょうか。
構成の整理から実際のスライド化まで、資料作成をまとめてご依頼いただけるサービスも行っています。「言いたいことはあるが、うまくまとまらない」という段階からでもご相談いただけます。
なお、本記事の制作にはAIツールを活用し、内容の確認・最終判断は人が行っています。