偏差値だけでは決めなかった。わが家が中高一貫校を選び、第一志望を決めるまで

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コラム
娘の中学受験は、最初から私立中学を目指して始めたわけではありません。

最初に考えていたのは、公立の中高一貫校でした。

小学3年生の頃、自宅から通いやすい場所に、公立中高一貫校の受検対策で知られる塾と、早稲田アカデミーの両方がありました。

どちらにするか迷って、同じ日に両方の校舎へ話を聞きに行きました。

最初は、

「公立中高一貫校を目指すなら、公立対策に強い塾に通うのが自然なのかな」

と思っていました。

ただ、説明を聞いているうちに、一つ気になることが出てきました。

それは、

もし公立中高一貫校に合格できなかったら、その後どうするのか

ということでした。

当時、併願校として提示された私立中学の中に、わが家として「ぜひここに通わせたい」と思える学校があまりありませんでした。

一方で早稲アカに話を聞きに行ったときには、

「レベルの高い私立中学を目指す勉強をしていれば、公立中高一貫校にも対応できますよ」

という趣旨の説明を受けました。

それなら最初から私立中学受験の勉強をして、選択肢を広く持っておいた方がいいのではないか。

そう考えて、わが家は早稲アカを選びました。


実際に入って分かった。「私立も公立も」は簡単ではなかった

当時の私は、

私立中学向けの勉強をしっかりしていれば、公立中高一貫校もその延長で受けられる

くらいに考えていました。

でも実際に中学受験の勉強を始めると、そんなに単純ではありませんでした。

私立中学と公立中高一貫校では、求められる力も問題の傾向も違います。

私立4科目の勉強をしっかりこなしながら、さらに適性検査対策まで並行する。

これは、子どもにとってかなりの負担です。

もちろん両方を受験して合格するお子さんもいます。

でも、実際に受験勉強を始めて周囲を見る中で、私には、

私立の難関校を狙えるくらい学力に余裕のあるお子さんでないと、両方を高いレベルで狙うのはなかなか難しいのではないか

と感じるようになりました。

少なくとも娘の場合は、

「私立の勉強をしていれば、公立も気軽に受けられる」

という状況ではありませんでした。

そこで、少しずつ私立中学を中心に志望校を考えるようになりました。


そもそも、なぜ私は中高一貫校に魅力を感じていたのか

そもそも、なぜ私は娘に中高一貫校へ行ってほしいと思ったのか。

そこには、自分自身の経験がかなり影響しています。

私は地方で育ち、公立中学校から高校受験をして、県内の公立女子進学校へ進みました。

高校生活は本当に楽しかったです。

今でも付き合いが続く、一生大切にしたいと思える友達にも出会いました。

だから、自分の高校生活に後悔があるわけではありません。

でも、一つだけ強く感じていたことがありました。

高校3年間って、あまりにも短い。

高校受験を終えて、

「やっと高校生になった」

と思ったら、今度はすぐに大学受験です。

進学校だったこともあり、気がつけばまた受験のための勉強。

もちろん楽しいこともたくさんありました。

でも振り返ると、

もっと長い時間をかけて、友達と過ごしたり、好きなことを見つけたり、勉強以外のことにも夢中になれる時間があってもよかったな

という思いが残っていました。

だから、自分に娘ができて中学受験を考えるようになったとき、

中学・高校を6年間同じ環境で過ごせるって、すごくいいな

と思いました。

3年ごとに受験で区切られるのではなく、6年間という長い時間の中で、人間関係を作り、自分の好きなことを見つけ、少しずつ成長していく。

思春期の6年間をそういう環境で過ごせることに、とても魅力を感じました。

大学受験の面でも、中高一貫校には魅力を感じた

もう一つは、やはり大学受験です。
中高一貫校では、中学の段階から高校範囲へ進むなど、学校によってはかなり先取りして学習します。

高校受験がない分、中学3年間を大学受験まで含めた6年間のカリキュラムとして使える。

これは大学受験を考えたときに、大きなメリットだと思いました。

私自身は、高校に入ってから大学受験に向けて本格的に勉強する感覚でした。

でも、中高一貫校なら、

高校3年間だけで大学受験に向かうのではなく、6年間の中で学習を積み上げられる。

そこにも魅力を感じました。

もちろん、中高一貫校に入れば自動的に大学受験がうまくいくわけではありません。

実際に入学してみれば、その後の塾選びや勉強について別の悩みも出てきます。

それでも、「高校受験がない6年間」という環境には大きな意味があると思っています。

仕事をしていて、中高一貫校出身の人たちに感じたこと

もう一つ、私自身にはかなり大きかった理由があります。

以前勤めていた会社では、中高一貫校出身の同僚や先輩に出会う機会が多くありました。

もちろん、中高一貫校出身だからこういう人になる、という話ではありません。

公立か私立かだけで、人の考え方が決まるものでもありません。

ただ、私が実際に出会った人たちの中には、

自由で、型にはまらない考え方をする女性が多い

という印象がありました。

たとえば、一人で海外旅行へ行く。

短い休みでも弾丸で旅行に行く。

「女性だからこうしなければ」

「普通はこうするもの」

ということに、あまり縛られていない。

仕事をしながら、自分の好きなことも楽しんでいる。

人生の選択肢を自分で決めている。

そんな人たちが身近に何人もいました。

私は、そういう価値観がとても好きでした。

何がその人たちをそうさせたのかは分かりません。

家庭環境なのかもしれないし、学校なのかもしれないし、本人の性格なのかもしれません。

でも、

多感な中高6年間に、いろいろな価値観を持つ友達や先生と出会うことは、その後の人生に大きく影響するのではないか

と思うようになりました。

4年生で最初に「ここがいい」と思った学校

4年生になり、そろそろ目標とする志望校を具体的に考えたいと思うようになりました。

そのとき、私がいいなと思ったのが立教女学院でした。

学校の発信を見ていて、大学進学だけをゴールにするのではなく、その先の人生まで考えるような教育方針に惹かれました。

大学受験に追われずに中高の6年間を過ごせることにも魅力を感じました。

当時の娘の成績を考えると、目標としてもちょうど良いのではないかと思いました。

一時期は四谷大塚の偏差値で60前後まで取れていましたが、その後Aコースまで落ちたこともありました。

もちろん、Cコースにいた頃なら、もっと上の学校を目標にするという考え方もあったと思います。

でも私は、

少しでも偏差値の高い学校を目指すこと

よりも、

娘が6年間を過ごす場所として魅力を感じられる学校を選びたい

という気持ちの方が強かったのだと思います。

「もっと上を目指したら?」と言われて感じた違和感

そんなとき、当時の塾長から、いわゆる女子御三家の一校を目指してはどうか、という趣旨の話をされたことがありました。

立教女学院を考えていると話したところ、

「同じプロテスタントで自由な校風が好きなら、もっと上を目指してもいいのでは」

というような話でした。

一般的には、

「もっと上を狙えると言ってもらえた」

と前向きに受け取る話なのかもしれません。

でも私は、なぜかものすごく腹が立ちました。

その学校がどうこうという話ではありません。

素晴らしい学校だと思います。

私が引っかかったのは、

娘がどんな子なのかよりも、「もっと偏差値の高い学校を」「御三家を」という塾側の目線を優先されているように感じたこと

でした。

当時、その塾長が一部の成績上位の男子に特に熱心だったこともあり、

「この人は本当に娘自身を見て学校を勧めているのかな?」

という疑問が強くなりました。

もちろん、塾や校舎、先生によって違うと思います。

合格実績を作るのは塾。

でも、実際にその学校で6年間を過ごすのは子どもです。

この二つは、必ずしも同じ目線ではありません。


5年生になると、別の大学附属校に魅力を感じた

5年生の冬頃になると、別の大学附属校がいいなと思うようになりました。

娘は理系志向でしたし、学校の自由な雰囲気にも魅力を感じました。

大学附属なので、大学受験に追われずに学校生活を送れることも、やはり魅力的でした。

一時期は、

「ここが第一志望でもいいかもしれない」

と考えるようになりました。

ところが、実際に娘と文化祭へ行ってみると、私が想像していなかった反応をしました。

高校生たちはとても活気があり、自由で華やかな雰囲気でした。

私は、

「自由でいい学校だな」

と感じました。

でも娘は、

「私はここじゃない気がする」

と感じたようでした。

学校選びって面白いなと思いました。

親がパンフレットや偏差値表を見て、

「ここが合いそう」

と思うことと、

本人が実際にその場所に立ったときに感じることは違うんです。


同じ頃に行った、ある女子校の文化祭

同じ時期に、別の女子校の文化祭にも行きました。

そこで、娘の反応はまったく違いました。

勉強だけが学校生活の中心ではない。

自由だけれど、管理されすぎている感じもない。

先生と生徒の距離が近く、自然に話している。

そして、生徒たちの雰囲気。

派手さとはまた違う、落ち着きがあり、それでいて個性的で、どこか洗練されていました。

娘はその雰囲気をとても気に入りました。

そして6年生の夏休み以降、この女子校が第一志望になりました。


私が「管理型の学校」を選びたくなかった理由

学校選びで、私自身がかなり大切にしていたことがあります。

中学生以降は、あまり管理されすぎない環境で過ごしてほしい。

ということです。

中学生、高校生になると、親が子どもの考え方に与える影響は少しずつ小さくなります。

その代わりに大きくなるのが、

友達。

先輩。

先生。

学校の文化。

毎日当たり前のように触れている価値観。

だから私は、

「この学校で6年間過ごしたら、娘はどんな人たちと出会い、どんな考え方に触れるのだろう」

ということをかなり重視しました。

最終的に第一志望になった女子校には、家庭環境も考え方も、本当にいろいろな子がいるように感じました。

普段の生活だけではなかなか出会わないような背景を持つ子もいる。

私は、それもすごく面白いと思いました。

自分と似た人ばかりではなく、

少し違う世界を知っている友達と一緒に過ごすこと。

いろいろな価値観に触れること。

それも学校で得られる大切なものだと思ったからです。


「学校名」より、「ここでどんな6年間を過ごせるか」

実際に入学してから感じたのは、

文化祭で感じた学校の雰囲気は、かなり本物だった

ということです。

娘の友達には、本当にいい子、そして面白い子が多いようです。

「こうあるべき」という一つの型にはまっている感じではなく、それぞれが自分らしい。

先生との距離も近く、その学校の卒業生が先生として戻ってきているケースも多い。

学校そのものが好きな人が多いのだろうな、と感じます。

もちろん、どんな学校にも合う子・合わない子はいると思います。

この学校だから誰にでもおすすめ、ということではありません。

ただ、娘にとっては、

偏差値表だけを見ていたら分からなかった「合う」という感覚

があったのだと思います。


志望校は、変わっていい

振り返ってみると、わが家の志望校は、いろいろと変わっていきました。

でも私は、それで良かったと思っています。

小学3年生のときに決めた学校へ、そのまま一直線に進む必要はありません。

子どもは成長します。

成績も変わります。

興味も変わります。

親も、中学受験について知れば知るほど考えが変わります。

そして何より、

学校を実際に見た本人が、どう感じるか。

これは偏差値表からは分かりません。


私が最後に大切にしたのは「どこに受かるか」より「誰と6年間を過ごすか」

中学受験では偏差値が数字として見えるので、つい、

「もう少し上へ」

「せっかくこの偏差値ならもっと難しい学校へ」

と考えたくなります。

塾からそう勧められることもあります。

でも私が最後に大切にしたのは、

どこの大学へ進めるかだけではなく、娘が思春期の6年間を誰と、どんな空気の中で過ごすのか

ということでした。

中学受験は、合格した瞬間に終わります。

でも、その学校での生活はそこから6年間続きます。

友達や先生との関係。

学校の文化。

そこで「普通」とされている価値観。

好きなことに時間を使える環境。

そういうもの全部が、少しずつその子を作っていく。

だから私は、

「受かる学校」ではなく、「この子がここで6年間過ごしてほしいと思える学校か」

という視点で志望校を考えてもいいのではないかと思っています。

少なくとも、わが家にとっては、それが最後の学校選びの軸になりました。
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