ネーミング|「これ、うちの子の名前です」問題

ネーミング|「これ、うちの子の名前です」問題

記事
ビジネス・マーケティング
この記事は
・ブランド名やサービス名で迷っている人
・今の名前で進んでいいか分からない人向けです

─ネーミングの地雷と、やさしさについて
ネーミングの現場で、ちょっとした“気まずい沈黙”が流れる瞬間がある。
たとえば、こちらが自信たっぷりに提案した名前に対して、クライアントが少し顔をしかめて、
「うーん、それ…うちの子の名前なんですよね」
と言ったとき。
あっ、やってしまった。
これは「ネーミング業界あるある」のひとつ、“地雷ネーム踏んじゃった”問題である。
■ 名前に「個人的な記憶」が結びついてしまう
人の名前やペットの名前、元カレ・元カノ、嫌な上司の名前──
意図せずとも、クライアントの過去や現在に接触してしまう場合がある。
とくに、「カタカナ2〜3音+かわいい響き」のようなネーミングでは、
実際の子どもの名前やあだ名とかぶる可能性が高い。
これが、機能性や語呂・印象では優れているネーミングであっても、
「個人的な記憶」のフィルターを通した瞬間、すべての評価が変わってしまうのだ。
■ 避けられるか?──残念ながら難しい
もちろん、事前にヒアリングして、家族構成や使っている名前などを聞いておくことはできる。
が、それにも限界がある。
クライアント自身が忘れていたり、意識していない場合もあるし、
「前の職場の先輩と同じ名前でちょっと…」みたいなケースもある。
つまり、完全には避けられない。
だが、これを**「タブー」ではなく、「配慮ポイント」**と捉えれば、対応は可能だ。
■ 「候補を複数出す」のは保険ではなく、思いやり
たとえば、提案する名前が3つあれば、そのうち1つが個人的理由でNGになっても、残りが生きる。
これは単なるリスクヘッジではなく、
「名前とは、人にとってそれほど繊細なものである」
という前提に立った、やさしい方法だ。
「うちの子と同じだからダメ」と言われても、
「いい名前ですよね、だから選びました」と返せるくらいの余裕と余白をもたせたい。
■ 名前は“所有物”じゃなく、“贈りもの”
ネーミングは、“こちらが作った”という感覚よりも、
“相手に受け取ってもらう”もの。
だからこそ、名前には
「受け手の感情」や「記憶」を巻き込む余地がある。
自分の名前を褒められたとき、ちょっと嬉しくなるように。
過去に出会った人の名前を聞いて、懐かしくなるように。
それがプラスにもマイナスにも働くということを、私たちは忘れないようにしたい。
「これ、うちの子の名前です」という言葉の奥には、
その人の“記憶”がある。
ネーミングは、記憶と、感情と、関係性のなかで生きていく。
そう思うと、名前を考えることが、少し愛おしくなる。

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「でも、決めていいか分からない」
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