ただ誰かが一緒にいてくれることで救われる日がある。
なにがあったのかは聞かずに、ただそっと。
かつてその映画を観た際に、その優しさに気がつかなかったのは
私の心が幼すぎたのでしょうか。
なんとなく再生した映画「かもめ食堂」。
こんなにじんわり心に沁みてくるとは思いもしませんでした。
・サチエ(小林聡美さん)がフィンランドで営む「かもめ食堂」ですが
なぜフィンランドで?というその背景の詳細は最後まで明かされることはありません。
期限を決めず、なんとなくフィンランドにやってきた
ミドリ(片桐はいりさん)も同様。
マサコ(もたいまさこさん)が、かろうじて20年間、両親の介護をしていたことは明かされますが、前職などこれまでの過去もこれまた謎のままです。
時折「聞いてもいいですか?」と前置きつつ、
遠慮がちにミドリがサチエに質問しますが、
その内容は相手の過去に土足で踏み込むようなものではありません。
みんなそれぞれ色んな過去を持ちながらも、不思議な縁により
今この食堂に集い、笑いあっている。
ただそれだけでいいじゃない?という空気感。
それはやがて食堂の常連になるフィンランドの人々に対しても同じなのです。
話したければ話せばいいけど、こちらからは踏み込まない。
だけどいつでも受け入れてくれて、一緒に食卓を囲むことができる。
それでいて執着はなく。
誰かが帰国することになっても、淋しいとは感じながらも
「決めたことは応援してあげたい」と思える心持ち。
人との距離感の大切さを改めて教えてもらった気がします。
たとえお悩みがあったとしても、必ずしも打ち明ける必要はありません。
ただ少しの間、自分を知らない誰かとたわいもない話がしたい。
そんな気持ちのときに。
もしご興味があればお気軽にお試しください。