本棚から、心に残った一冊 第6話『そして、バトンは渡された』

本棚から、心に残った一冊 第6話『そして、バトンは渡された』

記事
コラム
第6話は、
瀬尾まいこさんの『そして、バトンは渡された』を選びました。

『そして、バトンは渡された』は、
血のつながりだけではない家族の愛を描いた物語です。

いろいろな形の愛情に包まれて育つ主人公の姿が、
あたたかく心に残る一冊です。

この本を読んだ時、
私は「家族の形」について考えました。

家族って、
血のつながりだけでは決まらないのかもしれません。

一緒に過ごした時間。

毎日の中で交わした言葉。

ごはんを作ってくれたこと。

心配してくれたこと。

見えないところで、
ちゃんと大切にしてくれていたこと。

そういう小さな積み重ねが、
人の心を育てていくのだと思いました。

この物語に出てくる主人公は、
少し複雑な家庭環境の中で育っていきます。

でも読んでいて感じるのは、
「かわいそう」という気持ちではありませんでした。

むしろ、
いろいろな形の愛情に包まれて、
大切にされてきた女の子の物語だと思いました。

親になること。

子どもを育てること。

誰かの人生を支えること。

それは、
きれいごとだけではできないことだと思います。

迷う日もあるし、
不器用になる日もある。

うまく伝わらないこともある。

それでも、
その人なりに一生懸命愛そうとする姿が、
この本にはたくさん描かれています。

愛情って、
大きな言葉で伝えるものばかりではないですよね。

その時は当たり前に見えていたことが、
あとから振り返ると、
ちゃんと愛だったんだと気づくことがあります。

『そして、バトンは渡された』を読んでいると、
人は誰かから受け取った愛情を、
また別の誰かへ渡していくのかもしれないと思いました。

完璧な親じゃなくてもいい。

完璧な家族じゃなくてもいい。

どんな形でも、
ちゃんと大切に思っていること。

それだけで、
人の心に残るものがあるのだと思います。

本を読んでいると、
自分の中にある家族への思いや、
大切な人への気持ちに気づくことがあります。

ありがとうと言えなかったこと。

本当は寂しかったこと。

わかってほしかったこと。

今なら少しだけ、
やさしく見つめられる気持ち。

『そして、バトンは渡された』は、
家族の形はひとつではないと、
あたたかく教えてくれる一冊でした。

恋のこと。
人間関係のこと。
家族のこと。
自分でもうまく言葉にできない気持ち。

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