前回までの記事で、英語字幕がリスニングの向上に役立つ仕組みを説明しました。
今回は具体的な実践方法と、世界で実際に行われている英語字幕を使った学習法について紹介します。
世界での取り組み
英語字幕を活用した学習法は、世界中で実践されています。
イギリス:「Turn on the Subtitles」運動
イギリスには「Turn on the Subtitles」という団体があります。
この団体は「子供の語彙力増強のため、テレビを見る時に字幕をつけよう」という活動を行っています。
驚くべきことにネイティブの人ですら字幕を表示させて言語能力向上に利用しています。
インド:PlanetReadの活動
インドでは、非営利組織「PlanetRead」がSame Language Subtitling(SLS)を通じて識字率向上を目指しています。
・70,000,000人の生活に影響を与えました
・インドには10億人のTV視聴者がおり、そのうち6億人が読書困難者です
・2019年9月にインドの情報放送省が政策を採用
・2025年までに全言語・全800+ TVチャンネルで50%のエンターテイメントコンテンツにSLSを義務付ける方針
研究結果によると3〜5年間、定期的にSLSに触れる事で読書困難者の70%が本を読めるようになりました。
この政策が全チャンネルで実施されれば、10億人のTV視聴者(6億人の読書困難者を含む)に毎日2時間の読書練習を提供することになります。
イギリスやインドの例を見ても分かるように、実は日本のテレビを日本語字幕を表示して視聴する事で、日本語の語彙力が向上します。
語彙力向上に役立つテレビ番組は、歴史ドラマやドキュメンタリー等です。
英語字幕つき英語動画の入手方法
アメリカ等に住んでいれば、テレビで字幕を表示させることで字幕つきの英語動画を見ることができるのですが、日本に住んでいる場合はどうすれば良いでしょうか。
動画配信サイトの活用
NetflixやDisney+のような海外発の動画配信サイトでは、英米のドラマほぼ全てで英語字幕を表示させる事ができます。
アメリカではクローズドキャプションと言って、ほとんどの番組を英語字幕つきで見ることができました。
なぜかと言うとアメリカは人権意識が高く、聴覚障害者でもテレビを楽しめるように、アナログテレビの時代からそのような機能が標準装備されていました。
ただ動画配信サイトにあるコンテンツは比較的大人向けなので、英語初心者には難し過ぎます。
レンタルDVDの利用
日本でも、DVDは初期の頃から字幕機能が用意されていました。
「ぽすれん」や「DMM宅配レンタル」で、「英語字幕」と検索してみてください。
英語字幕が表示できるアニメや映画を見つける事ができると思います。
さらに100円ショップでも、ディズニーアニメのDVDが購入できる場合があります。
ディズニーアニメは、「シンデレラ」や「白雪姫」のような古いアニメの方が話すスピードが遅いのでおススメです。
YouTube
YouTubeは動画の設定ボタンから、字幕表示を選べる場合が多いです。
自動生成の字幕は、以前は実際の会話との乖離が大きかったのですが、最近のAIの発展のお陰で、自動生成の字幕でもリスニングの練習に使えるようになりました。
「kids movie with english subtitle」や「learn english with movies」と検索すれば、英語初心者でも理解できる英語字幕つき動画を探せると思います。
さらに英語学習に役立つYouTube動画について知りたい人は、ぜひ僕の英語講座を受講してください。
受講者には、英語学習に役立つ『おススメ動画リンク集』をプレゼントしています。
さらに、今回紹介したリスニング練習法を各種試験対策に活かす方法等を解説しています。
英語字幕を活用したリスニング練習法
「字幕を表示すると、どうしても読んでしまう」という人がいます。
最近は日本のバラエティ番組でも、テロップと言って字幕を表示する番組が増えました。
バラエティ番組のテロップを一字一句丁寧に読みますか?
読まないはずです。
リスニングの練習をする時も同様に、字幕を読まずに音に意識を集中してください。
字幕を読まないコツ
字幕ではなく、登場人物(話している人)を見るようにしましょう。
実写の場合は、話している人の口元を見てください。ネイティブスピーカーがどのように発音しているかが分かります。
「th」を発音する時はちゃんと舌を出すし、「I love you.」のように「L」を発音する時にも舌を出す人がいます。
音のディテール(三単現のs、過去形のed、前置詞、冠詞等)まで聞き取ろうと意識してください。
前回のマガーク効果でも説明しましたが、口の動きが音を聞き取るヒントになります。
3ヶ月も続ければ、今まで聞き取れなかった音が聞き取れるようになります。
日本語に翻訳する癖をやめる
スピードが速い会話を理解するには、いちいち日本語に訳していたらついて行けません。
「I have a pen.」ぐらいのやさしい英語なら、日本語に訳さず英語の語順で理解できると思います。
まずは英語の語順で理解できる簡単な動画から始め、徐々に難易度を上げる事で、日本語に翻訳する癖をなくす事ができます。
完璧を目指さない
分からない単語や何度も出てくる重要そうな単語は、動画を止めて単語の意味を調べても大丈夫です。
単語のスペルが分かるのが、字幕を表示しているメリットです。
ただ、しょっちゅう動画を止めていては、動画自体を楽しめなくなるので、難易度を下げたり再生スピードを落としてみたりしてください。
一字一句完璧に理解する事より、ストーリーの大枠を掴んで、気楽に継続する方が重要です。
色々な動画を見る
リスニングは結局、慣れです。
女性の声ばかり聞いていれば女性の言葉が聞き取れるようになるし、男性のばかり聞いていれば男性の言葉を聞き取れるようになります。
同じ動画を繰り返し見るより、色々な動画を見た方が速くリスニング力が向上します。
バラエティードラマがお薦め
一般的な海外のバラエティードラマでは笑うべきポイントで笑い声の効果音が入っているます。
同じタイミングで笑う事ができれば、自分がそのドラマを理解できているという事になります。
逆に一緒に笑う事ができていなければ、そのドラマは難しすぎるという事になります。
バラエティードラマは、理解度のバロメーターになります。
大人向けのバラエティードラマが難しい時は、ティーンエイジャー向けのドラマやアニメを見てリスニングの練習をしてください。
まとめ
英語字幕を活用したトレーニング法は、科学的に裏付けられ、世界中で言語能力の向上のために活用されていますれています。
・イギリスやインドでは、国の政策や運動として実践されている
・日本国内でも英語字幕つきの動画を無料または低価格で視聴できる
・字幕を読まないコツは、登場人物の口元を見る
・毎日少しでも続けることが大切
・日本語に翻訳する癖をやめ、英語の語順のまま理解できるようになる
このトレーニング法は無料でも実践できます。
今日から始めてみましょう。
次回以降は、英語字幕を活用したリスニング・トレーニング法とシャドーイングなどの他の練習法との違いについて説明します。