空耳を逆手に取る!英語字幕でリスニング力と語彙力を同時に上げる方法

空耳を逆手に取る!英語字幕でリスニング力と語彙力を同時に上げる方法

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前回の記事では、僕がアメリカで「英語字幕を活用したリスニング練習法」を生み出した経緯についてお話ししました。
幼児向けの番組を英語字幕つきで見続けたところ、3ヶ月ほどで突然英語の聞こえ方がガラリと変わりました。

それまで全く聞き取れなかった会話が、信じられないほどスムーズに聞き取れるようになったのです。

「なぜ字幕をつけると英語が聞き取れるようになるのか?」

今回は、この疑問に答えるために「モンデグリーン現象」という脳科学のメカニズムについて解説します。

モンデグリーン現象とは?

「モンデグリーン現象」という言葉を聞いたことがありますか?
これは「聴覚の錯覚」のことです。

人間の脳は、音声と視覚情報(字幕)を組み合わせて音を認識する性質があります。

分かりやすい例で説明したいと思います。

あなたも外国語の歌を聞いた時に、知らないフレーズが日本語のように聞こえた経験はないでしょうか?

以前、「タモリ倶楽部」というテレビ番組の「空耳アワー」というコーナーがありました。

そこで、プリンスの曲「バットダンス」の冒頭で「農協牛乳」と言っているというネタを紹介していました。

実際の歌詞は英語なのですが、字幕に「農協牛乳」と表示されていると、脳がその字幕に引きずられて「農協牛乳」と聞こえてしまいます。

これがモンデグリーン現象です。

一度「農協牛乳」と認識してしまうと、字幕がなくても「農協牛乳」とハッキリ聞こえます。

ぜひ動画を見て確認してみてください。

すなわち、字幕に引きずられて音を認識する現象を利用すれば、今まで聞き取れなかった英語の音が聞き取れるようになるのです。

科学的な裏付け

モンデグリーン現象を心理音響学の観点から解説します。

「モンデグリーン(Mondegreen)」という用語は、スコットランドの古いバラードの歌詞である「laid him on the green(彼を緑の芝生に寝かせた)」を、幼少期の聞き手が「Lady Mondegreen(レディ・モンデグリーン)」という架空の人物名として聞き間違えた逸話に由来します。

英語圏では、聞き間違えた歌の歌詞全般を指す言葉遊びや文化的現象として広く認知されています。

日本語でも、ちょっと古いですが『巨人の星』というアニメのオープニング曲の「思い込んだら」という歌詞を「重いコンダラ」と聞き間違えて、グランドの整地用のローラーの名前が「コンダラ」だと思われていました。

さらに「ボキャブラ天国」という番組で、山下達郎の『クリスマスイブ』の歌い出しが「兄が夜更け過ぎに、由紀恵に変わるだろう」に聞こえると言うネタがあったのを覚えている人も多いと思います。

また童謡の『ふるさと』の歌詞が「ウサギ美味しい」と聞こえると言われています。

僕も小さい頃に「ケアレスミス」という言葉を初めて聞いた時、「ケアレ・スミスさん」という人の名前だと思っていました。

あなたも一度や二度、聞き違いや思い違いをして恥ずかしい経験をしたがあるのではないでしょうか?

では、なぜこのような現象が起こるのでしょうか。

人は物理的に曖昧な音響入力に対し、最も身近で確率の高い言語スキーマに脳内で強制的に当てはめる特性があります。

リスニング学習において英語字幕を活用することは、この「当てはめ先を強制的に決定する」という認知プロセスを意図的に引き起こす行為と等しくなります。

文字情報という視覚入力が、物理的に崩れた音(連結や脱落が生じた音声)に対して正しい音韻ラベルを貼り付けるため、これまで不鮮明であった音声が、瞬時に特定の英単語として脳内で知覚されるようになります。

英語字幕の効果

英語字幕つきで動画を見ることには、以下の3つの大きな効果があります。

1. リスニング力の向上
今まで聞き取れなかった音が聞き取れるようになります。

字幕に表示された単語を見ながら音を聞くことで、脳が「この音はこの単語だ」と認識します。

これを繰り返すことで、字幕がなくてもその音が聞き取れるようになるのです。

僕がアメリカで幼児番組を見ていた時、まさにこのメカニズムが働いていました。

ある日突然、耳がジ~ンとして、アメリカ人が話している言葉の輪郭がハッキリしてきたのです。

2. 語彙力増強
単語と発音の対応が脳に蓄積されます。

字幕を見ることで、単語のスペルが分かります。
音とスペルが結びつくことで、新しい単語が覚えやすくなります。

また、文脈の中で単語に出会うため、単語集で単語と日本語訳を暗記するよりも、自然に語彙が増えていきます。

また画像という視覚情報の助けにより、新しい単語でも推測や理解がしやすくなります。

3. 英語学習の継続化
参考書や問題集を使って机に向かって勉強しても、精々集中できるのは数時間ではないでしょうか?

例えば好きなドラマなら、1クール分(12話)を一気に見てしまうのは苦痛ではないはずです。

海外ドラマを英語字幕つきで見れるようになると、断続的に数十時間、英語に触れ続けられます。

たとえドラマでなくても、単に文字を読んだり音を聞くだけよりは、画像を伴った動画の方が分かりやすいので、楽に英語に接し続ける事ができます。

まとめ

モンデグリーン現象(聴覚の錯覚)を利用し、英語字幕つきで動画を見るだけで、リスニング力と語彙力を同時に引き上げる事ができます。

・字幕に引きずられて音を認識する
・一度認識すると、字幕がなくてもその音が聞こえるようになる
・繰り返し刺激を受けると、脳に情報が定着する
・英語学習が楽に継続できる

このメソッドは科学的に裏付けられた効果的な方法です。

次回は脳科学の視点から、英語字幕を使うとリスニング力が向上する理由を、さらに詳しく解説します。
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