禅タロットを持っています。
普通のタロットとは絵柄もカードの名前もかなり違っていて、精神的なことを深く掘り下げる印象のあるカードです。
そこで、ふと思いました。
これ、実際の悩み相談にはどこまで使えるんだろう?
「自分の心に気づきましょう」
「執着を手放しましょう」
それが必要なときも、もちろんあります。
でも相談者によっては、
「それは分かった。で、私はどうしたらいいの?」
と思うこともあるはず。
今回は架空の転職相談を使って、禅タロットが現実的な悩みにどこまで答えられるのか、実際にカードを引きながら検証してみました。
今回の架空相談
相談内容はこちら。
「今の仕事を辞めたいと思っています。でも転職して、また同じようなことになったらと思うと怖くて動けません。今の私に必要なことは何ですか?」
まず禅タロットを3枚引きました。
出たのは、
AWARENESS(覚醒)
PLAYFULNESS(遊び心)
CONTROL(コントロール)
でした。
最初にCONTROLを見たとき、
「自分をちゃんとコントロールすることが大事なのかな?」
と思いました。
ところが、解説を確認すると、むしろ逆。
全部をコントロールしようとして、ガチガチになっていませんか?
というカードでした。
これは面白い。
「また失敗したらどうしよう」
「次こそ失敗しない転職先を選ばなきゃ」
そうやって未来を予測して、失敗しないように全部把握しようとする。
でも、まだ起きてもいない未来を頭の中で作り上げて、その未来を見て怖くなっている、とも考えられます。
そこへPLAYFULNESS。
「正しい転職先はどこか」だけではなく、
「何に興味がある?」
「何を面白いと感じる?」
という感覚にも目を向けてみる。
AWARENESSも、必死に答えをつかもうとするところから少し離れて、自分の状態に気づいていくようなカードでした。
なるほど。
……でも。
「それは分かった。で、どうすればいいの?」
相談者だったら、そう思うかもしれません。
未来を全部コントロールしようとしない。
自分の心が動くものにも目を向ける。
それは分かった。
でも、生活も仕事も現実です。
じゃあ、実際に次へ進むためには何をすればいい?
そこで追加で1枚引いてみました。
出たのは、
COMPROMISE(妥協)
です。
カード名だけ見ると、
「現実を見て、ある程度妥協しなさいってこと?」
と思います。
ところが、これも違いました。
このカードが伝えているのは、単純な「妥協」ではありません。
調和することと、自分を押し殺して屈服することは違う。
これを仕事に置き換えるなら、
「現実を見ること」と、
「どうせ無理だから」
「仕方ないから」
と、本当は嫌なことまで自分に飲み込ませることは別なのかもしれません。
つまり、
「何なら譲れるのか」
と、
「本当は嫌なのに、仕方ないと思っていること」
を分けてみる。
ここまで来ると、最初のCONTROLともつながってきます。
本心を認めたら、その先は?
さらに聞いてみました。
出たのは、
EXHAUSTION(消耗)
STRESS(ストレス)
INNER VOICE(内なる声)
でした。
……思ったより全然明るくない。
EXHAUSTIONは、人物が機械に組み込まれているような絵。
STRESSは、玉乗りをしながら、あれもこれも同時にこなしています。
そして最後のINNER VOICEになると、突然静かになります。
ここから感じたのは、
「本当にやりたいことを頑張って探せ」という話ですらないのでは?
ということでした。
「天職を見つけなきゃ」
「好きな仕事を探さなきゃ」
それまで新しい課題にしてしまったら、またSTRESSになります。
全部をうまくやろうとして消耗していることに気づく。
外側の正解に合わせ続けるのを少しずつやめる。
その結果として、
「私は本当はどうしたい?」
という自分の声が、ようやく聞こえてくる。
そんな流れにも見えました。
でも、ここでまた疑問。
いや、だから現実はどうなるの?
ここまで、ほぼ心の話です。
相談者が知りたいのが、
「実際に動いたら、仕事や収入はどうなっていくの?」
だったら?
そこで、質問をかなり具体的にしてみました。
「現実はどうなる?」と、もう一度聞いてみる
質問はこちら。
「自分の本心を大切にして、興味を持てる仕事や働き方へ実際に動いていった場合、仕事・収入など現実面では、今後どのような展開になっていきそうですか?」
出たのは、
CHANGE(変化)
SILENCE(沈黙)
EXISTENCE(存在)
でした。
……。
だから、現実がどうなるのかを聞いているんですけど。
禅タロット、どうしても心の方へ戻ってきます。
ただ、ここで終わらせるのも気になる。
「CHANGEって、具体的には何が変わるの?」
と、さらに1枚引きました。
出たのが、
REBIRTH(再誕)
です。
REBIRTHには、ラクダ、ライオン、そして子どもという変化が描かれています。
ラクダは他人の声を聞きすぎる。
そこからライオンになり、
「NO」
と言い始める。
周囲の要求から抜け出して、自分の真実を主張する。
でも、最終地点はライオンではありません。
最後は子ども。
誰かに従うわけでもない。
かといって、誰かに反抗しているわけでもない。
ただ自分自身として、自然に選ぶ。
これを仕事に置き換えると、
「周囲に合わせて仕事を選ぶ」
から、
「もうこんなの嫌だ」で選ぶ
時期を経て、最後には、
「私はこれをやりたいから選ぶ」
へ変わっていく。
そんな流れにも見えます。
ここまで追いかけてみると、禅タロットが答えているのは、
「現実を選ぶ自分自身がどう変わっていくか」
なのかもしれません。
じゃあ、普通のタロットではどう出る?
ここまで禅タロットを使ってみて、一つ気になりました。
まったく同じ質問を、ウェイト版にしたらどうなるんだろう?
そこで同じように、
「自分の本心を大切にして、興味を持てる仕事や働き方へ実際に動いていった場合、仕事・収入など現実面では、今後どのような展開になっていきそうですか?」
と聞きました。
出たのは、
ワンド10・正位置
ペンタクルのナイト・逆位置
ソード7・正位置
でした。
急に絵が現実的です。
「全部を取らない」という選択。
最初のワンド10。
一人で大量のワンドを抱えています。
興味のある方向を自分で選んだとしても、
「自分で選んだんだから、ちゃんとしなきゃ」
「成功させなきゃ」
と、また全部を一人で背負ってしまう。
そんな可能性もありそうです。
次がペンタクルのナイト逆位置。
正位置なら、慎重に、堅実に、一歩ずつ進むナイト。
それが逆になることで、失敗しないことを優先しすぎたり、確実にできることだけを選んだりして、かえって動きにくくなる。
興味から動き始めたはずなのに、また、
「失敗しない選択はどれ?」
に戻ってしまうのかもしれません。
そして最後がソード7。
ソード7だけを見るなら、「逃げる」「隠れて動く」「策略」といった読み方もできます。
でも今回は、その前にワンド10が出ています。
全部を抱えて苦しくなっている人物のあとに、すべての剣を持たずに立ち去る人物が出てきた。
その並びを見たとき、私は、
「全部を取らなくてもいい」
という読みが浮かびました。
給料。
働きやすさ。
やりがい。
安定。
自由。
評価。
全部を一度に手に入れようとすると、またワンド10になる。
だから、
何を取るのか。
何を置いていくのか。
自分で選ぶ。
ソード7を単純に「逃げる」「ずる賢い」と決めるのではなく、今回のワンド10からの流れで見ると、
戦略的に選択する
とも読めそうでした。
同じ質問なのに、答え方が全然違った。
今回一度試しただけなので、これで禅タロットとウェイト版の性質を決めつけるつもりはありません。
でも、かなり面白い違いが出ました。
禅タロットは、
「何が起こる?」
と聞いているのに、
「そもそも、あなたはなぜそう選ぶの?」
を何度も返してきました。
CONTROLでは、未来を全部把握しようとすること。
COMPROMISEでは、「仕方ない」で本心を押し込めること。
REBIRTHでは、周囲に従うでも反抗するでもなく、自分自身として選ぶこと。
かなり一貫しています。
一方、ウェイト版では、
全部を背負う
↓
安全策に固まりすぎる
↓
全部を取らず、必要なものを選ぶ
と、仕事上の行動としてイメージしやすい形で出てきました。
今回の印象を一言で分けるなら、
禅タロットは「心の会議」。
ウェイト版は「現実の戦略会議」。
そんな違いなのかもしれません。
そして今回、一番面白かったこと。
最初の3枚だけなら、
「未来をコントロールしようとせず、遊び心を持って自分の気持ちを大切にしましょう」
と、きれいにまとめることもできました。
でも、
「それで相談者は納得する?」
と考えると、その先が気になった。
「それは分かった。具体的には?」
「その先は?」
「現実ではどうなる?」
と質問を重ねていったことで、カードの意味が少しずつつながっていきました。
一枚だけを見て、
「このカードだからこうです」
で終わるのではなく、
前後のカードを行ったり来たりしながら、相談内容に戻って読む。
やっぱり私は、この読み方が好きみたいです。
しょっぱいと思ったカードも、噛んでいるうちに味が出てくる。
今回も、なかなかのスルメ鑑定でした。
そして禅タロット。
もっとふんわりしたカードかと思っていたのですが、
思っていたより、だいぶ容赦がありませんでした。
また別の架空相談でも、検証してみようと思います。