何も言葉にしなかった

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最初の結婚がうまくいかなくなった頃のことを思い出してみると、僕は本当に何も言葉にしていなかったと思います。

妻に対してもそうです。

会社の人にもそう。

親にも、友人にも。

そしてたぶん、自分自身に対しても。

「今、何がつらいんだろう」

「何に腹を立てているんだろう」

「本当はどうしたいんだろう」

そんなことを考えた記憶があまりありません。

嫌なことがあれば腹を立てる。

何かあれば、その場で反応する。

でも、その奥にある自分の気持ちまで考えることはなかった。

今の僕は、昔のことを思い出しながら、

「あのとき、本当はどう思っていたんだろう」

と考えることがあります。

でも、何十年も前のことです。

正直、わからないことも多い。

今の自分が勝手に昔の自分の気持ちをつくってしまうのも違うと思っています。

ただ一つ言えるのは、当時の僕は自分の気持ちを人に話すことがほとんどなかったということです。

最初の離婚のときもそうでした。

いろいろなことがあって、あるところで僕の気持ちは切れました。

そこからは、相手の話を聞こうともしなかった。

自分の中では、

「もう終わり」

だったんでしょうね。

でも、

「なぜ終わりなのか」

「何がそんなに許せないのか」

「本当に離婚したいのか」

そんなことを誰かに話しながら考えたことはありませんでした。

自分で決めて、自分で進んだ。

それだけでした。

当時は、それでいいと思っていたんだと思います。

迷っている自覚すらなかったのかもしれません。

最近になって、人に話している途中で、

「あれ、俺、本当はこう思っていたのか」

と気づくことがあります。

自分のことなのに、自分でわかっていなかった。

そんなことが結構あります。

だから昔の僕にも、もし何でも話せる相手がいたら、何か違ったのかなとは思います。

離婚しなかった、とは言えません。

結局、同じ結論になっていたかもしれない。

それはわかりません。

ただ、自分が何を感じて、何に傷ついて、何をしてしまったのか。

一度くらい、誰かに話してみてもよかった。

今はそう思います。

何も言葉にしないままでも、人は決断できます。

僕もそうやって決めてきました。

でも、言葉にしなかった気持ちは、なくなったわけじゃなかったのかもしれません。

何十年も経った今になって、僕はその頃のことを一つずつ話しています。

ずいぶん遅いですよね。

でも、今になって初めてわかることもあ
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