決戦は金曜日だった件

決戦は金曜日だった件

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来なくて結構と言われてから、静かな日々が続いてた。
静かだけど、進展がない。
私にとっては気持ちが悪い時間だった。
次の仕事のパートナーは、じゃあ!とばかりに仕事に同行して欲しいと言ってきてくれるので、気が紛れたし、心配して聞いてくれた。
「来なくていいって言われてから、そのままなの?もう、どうなりました?って聞いちゃえばいい。」
それもそうだと思って、LINEしたら返事がきた。
「近々話します。」
しかるべきところに聞いてから、の答えだったらしいけど、私はこれ見て、私に近いうち話すという意味だと読み違えた。
友人に「まだ話してないんじゃん!」と言われて、読み違えてることに気付いた。
有休消化の自由な時間を過ごしてる気分にはさせてもらえないでいるのが憂鬱だった。
出勤しなくなって、1週間過ぎたら、職人から電話きた。
「どうしたんすか?」
私が出勤してないことに気付き始めた人もいるし、いよいよどうなってるんだ?とざわつき始めたらしい。
「Aさんたち(後輩)社長から電話するなって言われてるみたいっすよ?」
「誰もどうなってるかわからないから、コロナ説出てるし。」
まあ、そんなことだろうとは思ってた。
後輩達のその発言は、良くわからない。
私ならほんとに気になってたら、社長に止められても電話ぐらいするから。
ほんとのことを言わない会社だから、後輩達がそうなっていくのもわかるし、元々類友で他人のことなんてお構いなしな人が揃ってたのかもしれない。
会社だから私がいなくなってもどうにかしていく。

今週になって、お客さんの紹介で仕事の依頼が私に直接きて、それを社長や後輩に知らせた。
10日が給料日だし、それもあってのことだろうと思うけど、やっと社長に呼び出された。
みんなの退勤時間を大幅に過ぎる時間を指定された。
バトルになるかもしれないからと、娘にボイスレコーダーを持って行けと言われた。(笑)
制服や会社のものはすでにまとめてあって、鍵や何かもすぐ返せるようにしてあった。
社長はミーティング用のスペースで待っていて、顔を見た瞬間に、相当身構えてるのがわかった。
何をそんなに怖がっているんだろう。
話しは10分で終わった。
消化しきれない日数分も含めて全部払うと。
私の希望通りにしたからと。
挨拶とかはしなくていい、自分からみんなには話すからと言われた。
退職金を出すつもりだったといわれた。
算数の苦手な私でも、その金額と有休消化でもらえる金額に大差ないのはすぐわかる。
最後の最後まで、優位に立ちたくて、恩着せがましい。
つもりだったに泣かされてきた。
私物は今日持ち帰ってと言われた。
来月の給料は振り込むと。
「何が何でもみんなに会わせたくないんだ?」
と言ったら、軽く否定してた。

最後に「握手しよう。」と手を出したら、照れていた。
「頑張ってね。」
これからが大変だと思う。
辞めたことを隠したいのは社長の最後のプライドなんだろう。
やっと終わった。

帰ってる途中で社長から電話が入った。
仕事の話しだったけど、最後に「ありがとう。」と言われた。
働いてるときにこれ聞きたかったなあと思った。

一番お世話になってた人だけにはお礼も兼ねて報告しようとLINEを入力してたら、同時にLINEがきた。
「何してる?早く出てきなよ。」
今まで仕事の連絡しかしてなかったのに、このすごいタイミングはなんだ?と思った。
以心伝心ってやつ。
辞めることになったことと、お礼を伝えた。
「10年も連れ添ってきたのにもったいない。俺から社長に言います。」
返事が送れなかった。
翌日電話がきた。
すぐに社長に連絡したらしい。
「今まで厳しいこととか言ってきちゃって悪かったね。」
そんな気持ちにさせてしまったのは申し訳なかった。
「やりたいことがあるんだってね。」
どう説明したのか知らないけど、社長がみんなに黙っていたいのは、こうやってみんなから言われるのが面倒だからなんだろう。

ここからは新しい関係になる。
元社長と元従業員。
ほんとに頑張って欲しいと思う。
私も見返したいし、社長にも見返させて欲しい。
カレンダー見て気がついたけど、全部終わったのは金曜日だった。





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