オランダでの一件目のお城に住んでいた時の話です。
お城の中で妙な違和感がありました。
ふと立ち止まった時に、身体のバランスが取れない。
キッチンでは、テーブルに置いた箸が、ゆっくりと転がっていく。
ベッドに横になっていると、まるで傾斜の上で寝ているような感覚。
そして――
天井から吊るされたアンティークのランプが、わずかに斜めを向いている。
外へ出て確認したところ、レンガが落ち、壁には見覚えのないひび割れがいくつも走っていました。
700年の歴史を持つこのお城は、元々お堀の水上に建てられたものです。当時の技術でどれほどの基礎があったのか…今となっては誰にも分かりません。
数十年前、地盤沈下が一度起き、大規模な補修がなされたと聞いています。
それが、私たちが移り住んでから再び動き出したのです。
お城が沈み始めた――
ですが、私にはその原因に、はっきりとした心当たりがあります。
それは、このお城のエネルギーを使って、日々ヒーリングを行っているということです。
人の身体がエネルギーを失えば死に至るように、
物質もまた、エネルギーが抜ければ、ただの瓦礫に還っていく。
エネルギーを使ってヒーリングを届けるというのは、ただ抽象的な話ではありません。
現実に影響し、構造物をも変えてしまうだけの力が、そこには存在します。
お城の中に宿る莫大なエネルギーを、私は皆さまのもとへと送り続けているので、城そのものが、ゆっくりと沈み始めたのです。
かつて、オランダ・ハーグ市内に住んでいた頃もそうでした。
ヒーリングを始めたとたん、周囲にあった銀行が次々と閉鎖され、
大使館までもが移転していきました。
閉店が相次ぎ、繁華街だった街が気づけば空き家だらけになり、ゴーストタウンのような様相を見せ始めたのです。
だから私は、より大きく、より深いエネルギーを持つこのお城へ移り住みました。
そして今――
ヒーリングを続けることで、お城は沈んでいきましたが、エネルギーを受け取った方々の人生が、明らかに向上しています。
お城は、まだしばらく大丈夫です。
あと百年はもつでしょう。
おそらくは――。
ロシア超能力研究所の元日本代理人
オランダの古城に暮らす超能力者
Nobuyuki NONAKA