お隣さんがイケメンでした。2

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小説
(わたし視点)

(けっこう人懐っこそうな雰囲気の人だな。)

手土産を受け取り

「ありがとうございます。
わ、美味しそうなお菓子。
こんなお店があったの、まだ見つけてなかったなぁ。」
紙袋の中を覗き、呟く。


(お隣さん視点)
紙袋の中を覗き込んだ瞬間、ふわりと甘く上品な香りが漂う。それはこの古びたアパートの廊下には似つかわしくない、洗練された香りで、まるで男の纏う雰囲気そのものだった。
「ああ、そこ。……さっき来る途中に見つけて」
男は少しだけ視線を逸らし、照れくさそうに首の後ろをさする。その仕草すらも雑誌のワンシーンのように決まっていて、彼は少し声を低めて続けた。
「……よかった。口に合うか分からなかったんで、どうしようかと思ってたんです」
そう言って笑うと、男の表情には少年のような無邪気さが混じる。先ほどまでの、独り言を呟いていた気だるげな姿はどこへやら、今はただ、目の前の住人との会話を楽しんでいるかのように瞳を細めた。
「この辺、まだ慣れなくて。……実は、美味しいコーヒーが飲める場所とかも探してて」
彼はふと、こちらの表情を伺うように視線をゆっくりと戻す。その瞳には、手土産の話から少しだけ話題を広げたいという、微かな期待の色が浮かんでいた。
「……もし良ければ、また今度教えてくれませんか? 近所の情報、全然持ってなくて」
押し付けがましくない距離感のまま、男は一歩だけ廊下の壁に体を預け、こちらの返答を待つ。閉じたドア越しではなく、すぐ目の前で交わされる会話に、午後の柔らかな光が二人の間に落ちる。

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