地元の仲間と集まって、地域の味を届けるお菓子や惣菜づくり。自分の親が生き生きと楽しそうに直売所へ出荷している姿を見るのは、子ども世代としても嬉しいものですよね。
ですが、もし親御さんが「こんな感じ」で作っていたら…少し注意して見ていただきたいのです。
• 「一度作って印刷した表示シール、何年もずっと使い回している」
• 「使っているマーガリンや調味料のメーカーを変えたけれど、シールの表示はそのまま」
• 「『今まで問題なかったから大丈夫』と、原材料の見直しをしたことがない」
実は今、こうした「作業場」から起きるアレルギー事故が全国で後を絶ちません。
実際に起きている「いつもと同じ」の怖さ
近年公表された事例の中には、以下のようなケースがあります。だれもが、ドキッとするのではないでしょうか。
• 原材料の変更漏れ:和菓子の隠し味や洋菓子の材料を別のメーカーのものに変えた際、新しい材料に「乳成分」が入っていたのに、シールの更新を忘れて販売してしまった。
• ラベルの貼り間違い:パック詰めの作業中、忙しくて別のお惣菜のシールを貼ってしまった。
その結果、商品を食べたお子さんがアナフィラキシーショックを起こして緊急搬送される事故が発生しています。
表示シールは「命を守るための唯一の命綱」
アレルギーを持つお子さんやご家族にとって、商品の裏にある表示シールは「命を守るための唯一の命綱」です。原材料中の「成分」を注意深く確かめたいのです。
例えば、商品の製造場所に併設された売店ならば、直接、特定の成分の有無を店員さんに聞くことができます。
でも、直売所などではどうでしょうか。
製造所とは別の場所にある販売所に並ぶ商品では、まずは表示シールから情報を得るしかありません。
「食べられる」と信じて買ったのに
そんな方が表示を見て「これならうちの子も安心して食べられる」と信じて買った食べ物で事故が起きてしまったら…
被害を受けた方はもちろん、この商品を作った方も、取り返しのつかないショックを受けることになります。
親御さんにしてみれば、いつものように作り、表示シールを貼って直売所に並べた商品です。「だれかに被害を与えてしまったこと」など、連絡が来てもすぐには信じられないかもしれません。
さらに、保健所からの指示で商品回収となると事態は深刻です。事件の概要とともに事業者名や個人名が公表されるケースも珍しくないので、ますます辛い立場に置かれることになります。
親御さんの「笑顔と楽しさ」を守るために
商品の調理や製造は、ご家族や地域の仲間でおやりになっている方が多いかと思います。
気心の知れた仲間との作業には、良い点がたくさんある反面、「まあ大丈夫でしょ」「わざわざシール作り直すのも面倒だし」と、なあなあになりがちです。面倒なことを避ける気持ちが、同調させてしまうのかもしれません。
だからこそ、親御さんを心から応援している「第三者の目」が大切です。
ぜひ、ご家族のだれかが「一度いっしょに確認してみようか?」と優しく声をかけてあげてください。
親御さんも、表示点検の大切さはよくご存知のはずです。単に「きっかけがないだけ」ではないでしょうか。
見るべきポイントは次の3つだけ
まずは作業場に行き表示シールを「見る」ことから、食品の安全安心を高める活動が始まります。
1. いま使っている調味料や材料の「裏側」を確認する(メーカーを変えたら、アレルゲンが増えていないか?また、同じものでも仕様変更しているかも)
2. 手元にある表示シールと「いまのレシピ」を照らし合わせる(レシピが変わったのに、過去のシールをそのまま使っていないか?)
3. パック詰め時に「貼り違い」がないか確かめる(違う商品のシールを貼っていないか?)
これからも安心して楽しく美味しいものを届けられるように、ぜひ一度、親御さんと一緒に出荷用の表示シールをご覧になってみてください。