― 声は喉だけで出しているんじゃない ―
「歌うと、すぐ喉が疲れる」
「高い声を出そうとすると、首や肩に力が入る」
「頑張って声を出しているのに、なぜか苦しい」
歌っていると、こんな経験はありませんか?
実は、声の出しにくさは「喉」だけが原因とは限りません。
声を出すときには、呼吸・姿勢・身体のバランス・余計な力みなど、身体全体が関わっています。
私はボイストレーナーとして30年以上、たくさんの方の声や歌に向き合ってきました。
その中で感じるのは、
「声を良くしたいなら、声だけを変えようとしないこと」
これがとても大切だということです。
「お腹から声を出して」と言われたことはありませんか?
歌を習ったことがある方なら、一度くらい言われたことがあるかもしれません。
「お腹から声を出して!」
でも、
「お腹から声って、どういうこと?」
と思いますよね。
声そのものが、お腹から出てくるわけではありません。
声を作るのは喉にある声帯です。
そこに息が通ることで、声が生まれます。
だからこそ、呼吸と身体の使い方が大切になります。
喉に力を入れすぎていませんか?
高い声を出そうとすると、
「もっと頑張らなきゃ」
「もっと声を出さなきゃ」
と、つい力が入ってしまいます。
すると、肩や首、喉まで力が入り、かえって声が出しにくくなることがあります。
高い声だからといって、力で押し上げる必要はありません。
大切なのは、身体をうまく使って、無理なく声を響かせること。
「力を抜く」ことも、ボイストレーニング
「力を抜きましょう」と言われても、意外と難しいですよね。
「力を抜かなきゃ」と思うほど、逆に力が入ってしまうこともあります。
大切なのは、身体をふにゃふにゃにすることではありません。
必要なところには適度な支えがあり、
必要のないところには余計な力が入っていない。
私はこれを、
「身体と声が仲良くなる」
という感覚だと思っています。
年齢を重ねても、声は変えられます
年齢を重ねると、
「昔より声が出にくくなった」
「高い声が出なくなった」
と感じることもあると思います。
でも、年齢を重ねたからといって、声を育てられなくなるわけではありません。
大切なのは、若い頃と同じように出そうと無理をするのではなく、
今の自分の身体と声を知ること。
身体の使い方を見直すことで、声が出しやすくなることもあります。
そして、今まで生きてきた経験があるからこそ出せる表現もあります。
歌は、若さだけで歌うものではありません。
声を変える前に、自分の身体を知る
歌が上手くなりたいと思うと、
「もっと声を出さなきゃ」
「もっと高い声を出さなきゃ」
と頑張ってしまいます。
でも、必要なのは「もっと頑張ること」ではないかもしれません。
身体の状態を知る。
呼吸を感じる。
余計な力を手放す。
そして、自分の声を丁寧に聴く。
その積み重ねが、歌いやすい身体と声につながっていきます。
声は喉だけで出しているんじゃない。
あなたの身体も、呼吸も、心も、全部が歌っています。
少しだけ自分の「からだ」に意識を向けて、歌ってみませんか?🎤🌿
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法音