「自信を持って踊りなさい」
これはロシア留学時代、現地の先生からよく言われた言葉です。
「自信持てって言われたって、売ってるわけじゃあるまいし」
いつも心の中でこう答えていました。
ここでいう【自信】は
よく聞く「自信がないのは練習量が足りないからよ」の【自信】とはちょっと違います。
ここでいう【自信】は
自分が今ここでバレエを踊っていていいのか、という不安
ダンサーとして誰にも必要とされていないのでは、という孤独感
常に「自分なんか…」という言葉が頭の中でぐるぐる
こんな感情。
バレエの世界は常に周りと比較され、他人の評価ありきの世界です。
あの子が一番上手、あの子は華がある、あの子はテクニシャン、あの子は一番細い…
幼い頃からまわりが決めた自分の評価に直面し、向き合っていかなければなりません。
私も大きくになるにつれて、他人にも自分自身にもジャッジが厳しくなり、人と比べて、自己否定をする癖がつきました。
それが【自信】を見失った一番の原因だったと思います。
毎日踊れるだけで良かった私にとっては、思いがけず厳しい世界でした。
プロになってからも、監督や先生方、周りのダンサーの目が怖くて萎縮してしまうことが多かったように思います。
そんな時は舞台に立つのが怖かったし、舞台を思い切り楽しめない自分が心底嫌でした。
今思えば、10代の頃に根付いた自己否定癖がちょくちょく顔を出していたのかもしれません。
急ですが私、現役引退してからヨガに通ってまして。
周りのエネルギーを程よく感じながら、自分の空間の中で呼吸をしていく
そんなグループヨガが心地よくて大好きです。
ヨガでは私はずっと目を瞑って、意識を自分の中に向けています。
動いている時もずっと目を瞑っているから(危ないからあまりオススメしない)、たまにヨロついたりするんだけど、それがまた可笑しくて1人でニヤけたり。
ちょっと変な人です。
私は普通より体が柔らかいので、周りをびっくりさせてしまう事があるようで、そんな時はジロジロ見られます。
正直最初はその視線が気になって、恥ずかしいような、気を散らせて申し訳ないような気持ちになりました。
気になり過ぎて、やっぱりグループヨガは向いてないか、と通うのをやめることすら考えました。
それが目を瞑るようにしてから、へっちゃらになりました。
物理的に目を閉じるだけで、なんか大丈夫になっちゃいました。
他人の視線を感じる事なく、自分の声が聞こえるようになりました。
そうして自分自身と見つめ合うヨガの時間はとても幸せです。
それである日ふと思ったんです。
バレエも目を瞑って踊っていたら、もっと、ずっと、楽しくて幸せだっただ
ろうな。
目を瞑った時のように自分の声だけを聞けば、周りと比べたり、鏡に映る自分を否定することはせずに心地よく踊れたかもしれない。
もちろん技術面では自分の弱点ともしっかりと向き合うべきだし、周りの声やアドバイスも素直に受け取るべきです。
特に学生の頃は闘争心やストイックさ、理不尽な出来事の直面すらも成長に繋がるでしょう。
そうしてみんな大人になっていくんですものね。
でも、日々の鍛錬で得たものは必ず実になっているんだから、いざ踊る!という時くらいは、他人の目や声、自分自身を否定したくなる気持ち、理不尽なあれこれもぜーんぶそっちのけにして、自分のために踊る。
そこにはきっと幸せな自分がいるはずです。
辛かったあの頃の私も、目を瞑って自分の心だけを見て踊れば、もっともっと舞台を楽しめたかもしれません。
なぜ今自分が踊っているのか
なぜここで自分が踊れているのか
そこにフォーカスできたらきっと大丈夫。
きっとそれこそがあなたの【自信】、自分を信じて踊るということです。
よく考えたら当たり前の事なんだけど、当たり前が一番難しい。
だからこそ、この記事が今必要な方に届きますように✨
seika