結論から言います。
デザインスキルは、依頼された後に発揮される力だからです。
案件を獲得するには、依頼される前に「この人に相談したい」「この人にお願いしたい」と感じてもらう必要があります。
そのために必要なのが、相手の課題を引き出す対話力と、解決への道筋を示す提案力です。
デザインを学んでも、案件につながらない
バナーやWebサイトを作れる。ポートフォリオも用意した。それでも案件を獲得できず、受注しても単発で終わってしまう。
「まだデザインスキルが足りない」と考えがちですが、原因は本当にそれだけでしょうか。
わたくしは、25年間デザインの現場で仕事をしてきました。その経験から、デザインスキルと案件獲得に必要なスキルは別のものだと考えています。
「ホームページを作れます」だけで、案件を獲得しようとしていませんか?
「ホームページを作れます」
「バナーを作れます」
「FigmaやPhotoshopを使えます」
自分が作れるものや使えるソフトだけを伝えて、案件を獲得しようとしていませんか?
もちろん、制作スキルを伝えることは必要です。
しかし、「作れる」というだけでは、同じスキルを持つ多くのデザイナーとの違いが伝わりません。
そもそも、クライアントが本当に欲しいのは、ホームページやデザインそのものではありません。
問い合わせを増やしたい。商品を知ってもらいたい。採用につなげたい。コストを削減したい。
クライアントが欲しいのは、デザインの先にある成果です。
「ホームページを作れます」は手段を伝えているだけで、その手段によって何を解決できるのかまでは伝わっていません。
デザインスキルとは、依頼されたものを形にする力です。
情報を整理し、見る人に伝わる表現へ落とし込む。デザイナーに欠かせない力ですが、本格的に発揮されるのは依頼を受けた後です。
一方、案件獲得は依頼される前に決まります。
まだ何も作っていない段階で、「この人なら自分たちを理解してくれそうだ」と感じてもらわなければなりません。
ポートフォリオも大切ですが、案件獲得には、依頼される前から価値を感じてもらう力が必要なのです。
ヒアリングで、こんなことだけを聞いていませんか?
「どのようなデザインにしますか?」
「ご希望の色はありますか?」
「参考サイトはありますか?」
クライアントとのヒアリングで、このようなことだけを質問していませんか?
もちろん、制作を進めるためには必要な確認です。
しかし、それよりも先に聞かなければならないことがあります。
大切なのは、「何を作りたいのか」よりも「なぜ作りたいのか」を知ることです。
デザイナーは、お医者さんのように問診する
そのためには、デザイナーがお医者さんのようになる必要があります。
お医者さんは、痛い場所だけを聞いて、すぐに治療を始めるわけではありません。症状や生活習慣、その背景まで聞き出し、原因を探って最適な解決法を導き出します。
デザインのヒアリングも同じです。
「何を作るか」だけでなく、その背景にある目的や課題まで聞き出す。
そして、相手自身も気づいていない本当の課題を見つけ、最適な解決法を提案する。
そこまでできて初めて、デザイナーは「作ってくれる人」ではなく、課題を一緒に解決するパートナーになります。
感動を生み出す提案とは
相手自身も気づいていない課題や可能性を見つけ、
「そこまで考えてくれたのか」
「自分たちだけでは気づかなかった」
と感じてもらう。
わたくしは、それが感動を生み出す提案だと考えています。
足りないのは、デザインスキルではないかもしれない
案件につながらないと、「もっと上手に作らなければ」と考えがちです。
しかし、今のあなたに足りないのは、制作技術ではなく「依頼される前の力」かもしれません。
では、相手の本音や潜在的な課題を、どうすれば引き出せるのでしょうか。
聞き出した内容を、どうすれば感動を生み出す提案へ変えられるのでしょうか。
これは、決まった質問を覚えるだけでは身につきません。
わたくしはデザインメンターとして、こうした「作り始める前の思考と対話」も、メンティーさんの状況に合わせてお伝えしています。
デザインを学んでいるのに、案件獲得につながらない方へ
案件獲得につながらない原因を整理し、改善する方法があります。
ただし、その原因も、必要な方法も一人ひとり違います。個別にお話しすることで、あなたの状況に合わせ、もっと解像度高く、具体的な方向性をお伝えできます。
なぜ、そこまで大切なことを教えるのか。
それは、デザインの本質を理解したデザイナーを、もっと増やしたいからです。
どれほど優れた商品やサービスも、その価値が正しく伝わらなければ、必要としている人に届かず埋もれてしまいます。
その価値を見つけ、伝わる形へ導くことが、デザイナーの役割です。
本質を捉えたデザインが増えれば、企業やサービスの価値が、もっと正しく世の中に届くようになる。
そして、デザイナーになる人自身も、幸せに働けるようになるべきだと考えています。
デザイナーは、言われたものを作るだけの人ではありません。価値を見つけ、課題を解決し、クライアントの未来を一緒につくる存在です。
その役割が正しく理解され、デザイナー自身も正当に評価される世の中にしたい。
わたくしは、そんなデザイナーを育てるために教えています。
「自分の場合はどうすればいい?」と感じた方は、お気軽にお問い合わせください。