青の教室 陽子 第25話/4月14日 ――自分の光で――

青の教室 陽子 第25話/4月14日 ――自分の光で――

記事
学び
第25話/4月14日
――自分の光で――

朝の青の教室は、
 まだ少し冷たい光に包まれていた。

陽子は、
 いつものように静かに入ってきた。
 でも、その足取りには
 昨日よりも迷いがなかった。

机に座ると、
 かばんから英語のイラストプリントの束を取り出す。

一番上には、
 昨日、友彦が即興で作ってくれたユイが笑っていた。

陽子は、
 そのユイをそっと見つめ、
 迷いなく英文を覚え始める。
 Hello, Yoko.
  I want to talk with you in my mind again.


***

2枚目。
 吹き出しの英語が、
 陽子の目にすっと入ってくる。

3枚目。
 鉛筆の音が、
 静かなリズムで紙の上を走る。
 手が自然に動く。

4枚目。
 タブレットで読んだ「青の教室」のお話が
 ふっと胸をよぎる。
 (あの子も、歩いていた)

5枚目。
 ユイの笑顔が、
 陽子の中で“外の世界”とつながっていく。

6枚目。
 さとるの姿が浮かぶ。
 マイペースで、
 でも確かに進んでいる。
 (さとるも、歩いている)

7枚目。
 友彦にもらった「お話くん」の詩が
 静かに思い出される。
 (わたしも、歩いていいんだ)

陽子は、
 表情を変えないまま、
 ただ淡々とプリントを進めていった。

でもその淡々さは、
 昨日までの“静けさ”とは少し違っていた。

胸の奥で、
 小さな灯りがそっと息をしているようだった。


***

陽子は、
 今日はまるまる一日、
 イラストプリントに取り組んだ。

誰に言われたわけでもない。
 ただ、自分の歩幅で、
 自分の光で。

その姿は、
 昨日よりもずっとまっすぐだった。


***

帰り道。
 夕方の風が少し冷たい。

携帯がブルルと震えた。
 友彦からのLINEだった。

「陽子
 自分の道。
 自分の光で歩けたね」

胸の奥がぱっと輝く。

迷いなく返した「はい!」の文字は、
 胸の奥でそっと灯った光が
 今日、少しだけ強くなったことを
 陽子自身に静かに知らせてくれた。

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