青の教室 「三つの色」 / 第7章 受験の季節

青の教室 「三つの色」 / 第7章 受験の季節

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学び
第7章 受験の季節

冬の風が冷たくなり、
 校庭の木々が葉を落とし始めた頃、
 三人の世界は、静かに、しかし確実に“未来”へ向かって動き始めていた。

受験の季節が来た。

透は透明な光を抱え、
 朔は静かなはじまりを胸に、
 ひよりは挑戦の風をまとい、
 三人はそれぞれの道を歩き始めていた。


1. 透:透明な光で進路を選ぶ

朝比奈透は、
 青の教室の窓際で問題集を開いていた。

しかし、手は止まっていた。
「透くん、どうしたの?」

友彦が尋ねると、
 透は少し考えて言った。

「……僕、どの高校に行きたいのか、わからなくて」

「わからないって、いいね」

透は、少し驚いた。

「……いいんですか?」

「うん。
  透くんは今、“透明な光”のまま未来を見てる。
  色がつく前の光は、どこへでも行けるんだよ」

透は、胸の奥が静かに揺れた。

「……僕、母さんの期待じゃなくて、
  自分の色で選びたい」

「透くんは、もう選び始めてるよ」

透は、積み木の塔を見つめた。

塔は、以前より高く、
 そして確かに光を通していた。


2. 朔:母とともに“足跡”を手放す

桐生朔は、
 家で母と向かい合っていた。

「朔……
  あなた、本当にこの高校を受けたいの?」

母の声は、以前のような“押しつけ”ではなかった。
 ただ、朔の言葉を待っていた。

朔は、ゆっくりとうなずいた。

「……うん。
  僕の足跡で、歩きたい」

母は、目を伏せた。

「朔……
  私は、あなたに“私の続きを歩かせよう”としてた。
  でも……
  あなたの道は、あなたのものだね」

朔は、胸の奥が温かくなるのを感じた。

「母さん……
  僕、青の教室で……
  自分の道を見つけたんだ」

母は涙をこぼした。

「朔……
  あなたの道、応援するよ」

朔の道は、
 静かに、しかし確かに前へ伸びていた。


3. ひより:天真爛漫のまま伸びていく

水野ひよりは、
 青の教室で英語の単語帳を開いていた。

しかし、ひよりは笑っていた。

「ひよりちゃん、楽しそうだね」

友彦が言うと、ひよりは胸を張った。

「うん!
  なんかね、わかるようになってきた!」

「どうしてだと思う?」

ひよりは、少し考えて言った。

「……倒れてもいいって思ったから!」

友彦は、静かにうなずいた。

「ひよりちゃんの色は、挑戦の風だからね」

ひよりは、目を輝かせた。

「ひより、透くんと同じ高校行きたい!」

透は驚いた。

「えっ……ひよりちゃん、あそこ受けるの?」

「うん!
  だって、楽しそうだもん!」

朔が言った。

「……ひよりちゃんは、
  本当に“風”みたいだね」

ひよりは笑った。

「風だよー!」

その笑顔は、
 冬の光のように澄んでいた。


4. 三人の色が揺れる受験勉強

冬休み、
 三人は青の教室で勉強していた。

透は静かに問題を解き、
 朔は丁寧にノートをまとめ、
 ひよりは声に出して単語を覚えていた。

「ひよりちゃん、声大きいよ」

透が言うと、ひよりは笑った。

「だって、声に出すと覚えられるんだもん!」

朔は、ひよりの明るさに救われるように言った。

「……ひよりちゃんがいると、
  なんか楽しい」

透も、静かにうなずいた。

「うん。
  ひよりちゃんの風が……
  僕たちを前に押してくれる」

ひよりは、照れくさそうに笑った。

「えへへー!」

三人の色は、
 互いに影響し合いながら伸びていた。


5. 友彦の“青”が三人を支える

ある日、
 三人が勉強に疲れていると、
 友彦が言った。

「三人とも、
  色がはっきりしてきたね」

透は、塔を見つめた。

朔は、道を見つめた。

ひよりは、塔を見つめた。

友彦は続けた。

「透くんは、透明な光で未来を照らしてる。
  朔くんは、自分の足跡で道をつくってる。
  ひよりちゃんは、挑戦の風で前に進んでる。」

三人は、静かに聞いていた。

「色は違う。
  でも、違うからこそ……
  未来は多色になるんだよ」

三人の胸に、
 その言葉は静かに染み込んだ。


6. 受験前夜

受験前夜、
 三人はそれぞれの家で静かに机に向かっていた。

透は、塔の絵を描いた。
 朔は、自分の道をノートに描いた。
 ひよりは、風のような線を描いた。

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