動画を公開して3日。
再生回数は43回。
次の動画は78回。その次は29回。
時間をかけて企画を考え、撮影して、編集して、サムネイルも作った。それなのに、ほとんど見てもらえない。
「まだ動画の本数が少ないからだろうか」
「週1本では足りないのかもしれない」
「もっと編集を頑張れば伸びるのだろうか」
そんなふうに考えて、次の動画を作り始めていませんか。
私は、寿司専門のYouTubeチャンネルを自ら立ち上げ、企画・撮影・運営を行い、登録者30万人超の規模に育てた経験があります。その後、チャンネル事業は売却しました。
現在のチャンネルは登録者33万人規模、総再生回数1.5億回規模になっています。
その経験からお伝えしたいことがあります。
再生回数が100回以下だからといって、動画の本数を増やすことが正解とは限りません。
むしろ、同じ問題を抱えたまま投稿を増やすと、伸びない動画を積み重ねるだけになってしまいます。
今回は、私がYouTubeチャンネルを見るときに確認する3つのポイントをお伝えします。
1.そもそも、その動画を見たい人がいるのか
最初に確認するのは、編集の上手さではありません。
「その企画に、視聴者が見たいと思う理由があるかどうかです。」
例えば、飲食店のYouTubeチャンネルで、
「本日の仕込み風景」
という動画を公開したとします。
お店のことを知っているお客様には興味深い内容かもしれません。
しかし、そのお店を知らない人はどうでしょうか。
まだ知らないお店の仕込み風景を、わざわざ見ようと思うでしょうか。
一方で、
「開店前の3時間、寿司職人は何をしているのか」
という企画ならどうでしょう。
普段見ることのできない職人の仕事をのぞいてみたい、と感じる人がいるかもしれません。
映っているのは同じ仕込み作業でも、視聴者に伝わる価値が変わります。
私は寿司専門のチャンネルを運営してきましたが、寿司が好きな人だけを相手にするのではなく、職人の技術や調理工程そのものに興味を持つ人にも届く企画を考えてきました。
ここが大切です。
自分が撮りたい動画と、視聴者が見たい動画は必ずしも同じではありません。
再生回数が伸びないとき、まず見直すべきなのは企画です。
2.サムネイルとタイトルで見る理由を伝えられているか
良い動画を作れば、いつか見つけてもらえる。
そう考えたくなる気持ちはわかります。
しかし、視聴者は動画の中身を見る前に、タイトルとサムネイルを見て、再生するかどうかを判断します。
つまり、動画がどれだけ良くても、クリックされなければ、その良さは伝わりません。
例えば、タイトルが、
「寿司職人の一日」
だったとします。
間違ったタイトルではありません。
ただ、このタイトルだけでは、ほかの動画と何が違うのか伝わりにくい。
それなら、
「朝5時から始まる寿司職人の仕事|開店までの仕込みに密着」
としたほうが、何を見られるのか具体的になります。
ここで注意したいのは、刺激的な言葉を付ければいいわけではないということです。
動画の内容と違うタイトルでクリックを集めても、期待した内容が見られなければ視聴者は離れてしまいます。
YouTube Studioでは、インプレッション数やクリック率(CTR)を確認できます。
私なら、次のように考えます。
私なら、次のように考えます。
① インプレッションが1,000回あるのに、CTRが2%の場合
クリックされた回数は約20回。タイトルやサムネイルが視聴者に響いていない可能性があります。まずは企画の見せ方を見直します。
② CTRが6%あるのに、冒頭30秒で視聴者の70%が離脱している場合
クリックされても内容に満足してもらえていない可能性があります。冒頭の構成や、タイトルと動画内容の一致を確認します。
③ インプレッションが100回しかない場合
CTRが5%でも、クリック数は約5回です。この段階ではクリック率だけを評価せず、企画の需要、視聴者との相性、流入元、過去動画の反応を調べます。
※上記の数字は説明用の仮例です。CTRや視聴維持率の合格基準を示したものではありません。
ただし、CTRにはすべての状況に共通する正解の数字があるわけではありません。
表示される場所や視聴者、動画の規模によって変わるからです。
数字を一つだけ見て良い悪いを決めるのではなく、複数のデータを合わせて判断します。
3.動画の冒頭で視聴者が離れていないか
3つ目は、動画をクリックした人が、その後も見続けているかどうかです。
私が特に確認したいのは、冒頭の視聴者維持率です。
例えば、職人の仕事を見たくて動画を開いたのに、最初の1分間が長い挨拶や説明だけだったらどうでしょうか。
職人の技術を早く見たい人は、途中で離れてしまうかもしれません。
私が作るなら、まず興味を引く工程や、その動画でしか見られない場面を見せることを検討します。
そこから人物や仕事の背景を伝えていきます。
もちろん、すべての動画を同じ構成にすればいいわけではありません。
ドキュメンタリー、解説、商品紹介では、視聴者が期待する内容も違います。
大切なのは、その動画をクリックした理由に、早い段階で応えることです。
なお、再生回数が100回以下の段階では、視聴者維持率のデータが十分に集まっていない場合もあります。
そのため、少数の視聴結果だけで結論を出さず、実際の動画も見直しながら判断する必要があります。
再生回数100回以下の動画を、私ならどう改善するか
仮に、あなたのチャンネルに20本の動画があり、ほとんどが100回以下だったとします。
私なら、いきなり21本目を作ることは勧めません。
まず、公開済みの動画を確認します。
最初に見るのは、動画ごとの再生回数だけではありません。
どんな企画で、どんなタイトルで、どんなサムネイルを使っているのか。
次にYouTube Studioで、表示回数、クリック率、視聴者維持率など、確認できる数字を調べます。
そして、数字と実際の動画を照らし合わせます。
例えば、20本の中で1本だけ再生回数が300回だったとします。
なぜ、その1本だけ反応が違ったのでしょうか。
企画のテーマなのか。
サムネイルなのか。
動画の長さなのか。
あるいは、流入元や視聴者の違いなのか。
ここを分析することには、新しい動画を闇雲に投稿するよりも大きな意味があると考えています。
もちろん、300回再生された理由が必ず一つに特定できるわけではありません。
それでも、何も検証せずに動画を増やすより、次の企画を考える材料が見つかります。
私が最も避けたいのは、努力の方向を間違えること
YouTube運営には時間がかかります。
企画を考える。
撮影する。
編集する。
タイトルを考える。
サムネイルを作る。
これだけでも、相当な労力です。
特に、仕事をしながらYouTubeを続けている人にとって、動画を1本公開するだけでも簡単なことではないと思います。
だからこそ、私は投稿本数だけを目標にすることには慎重です。
100本投稿しても伸びないことはあります。
逆に、少ない本数でも視聴者の需要を捉え、良い反応を得られることもあります。
重要なのは、何本投稿したかではなく、投稿した動画から何を学び、次にどう改善したかです。
私はチャンネルを運営してきた経験から、動画を作ることと、チャンネルを成長させることは別の仕事だと考えています。
動画の制作技術だけでなく、企画を考え、数字を読み、改善する力が必要です。
最後に|次の1本を作る前に確認してほしいこと
もし今、再生回数が100回以下の動画が続いているなら、次の投稿を始める前に、過去の動画を見返してみてください。
その企画は、誰が見たいと思うものでしょうか。
タイトルとサムネイルで、その魅力が伝わっているでしょうか。
クリックした視聴者が、期待した内容を見られる構成になっているでしょうか。
この3つを確認するだけでも、次に何を改善すべきか考えるきっかけになります。
ただ、自分の動画を客観的に分析するのは意外と難しいものです。
時間をかけて作った動画だからこそ、問題点に気づきにくいこともあります。
私は、寿司専門YouTubeチャンネルの立ち上げから運営、成長、事業売却まで経験してきました。
現在は、その実務経験をもとに、YouTubeチャンネルの分析や改善を支援しています。
「なぜ自分のチャンネルは伸びないのか」
その原因を整理したい方に向けて、YouTubeチャンネル診断をご用意しています。
再生回数だけではなく、企画・タイトル・サムネイル・動画構成などを確認し、改善の方向性をお伝えします。
次の動画を作る前に、一度チャンネル全体を見直してみませんか。
▶ YouTubeチャンネル診断(5,000円)
寿司専門YouTubeチャンネルを立ち上げ、登録者30万人超に成長。その後、チャンネル事業を売却。現在はYouTube運用・企画・分析・改善などを支援。