教養としての現代社会論②:少子高齢社会・女性の社会進出

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高齢化率:世界保健機関(WHO)では65歳以上を高齢者としており、総人口に占める高齢者人口(老年人口)の割合を言います。ちなみに15~64歳を生産年齢人口、14歳以下を年少人口と言います。

高齢化社会(aging society):高齢化率が7%を超えている社会を言います。日本では1970年に突入しました。

高齢社会(aged society):高齢化率が14%を超えている社会を言います。日本では1994年に突入しました。日本より高齢化率が高い国は他にもありますが、高齢化社会→高齢社会をわずか24年で通過したのは世界最速です。ドイツは42年、フランスは114年もかかっているのです。

超高齢社会:高齢化率が21%を超えている社会を言います。日本では2007年に突入しました。急速な高齢化を迎えている日本がこれにどう対処するかは、中国をはじめ、高齢化が急速に進んでいる国にとっても必要なノウハウとなるわけです。

世代間扶養:高齢者1人に対して現役世代(生産年齢人口)が何人で支えているか、ということです。高齢者1人を支える現役世代の人数は、1960年では11.2人でしたが、少子高齢化により、1980年には7.4人、2014年では2.4人となりました。現状が継続した場合、2060年、2110年時点では高齢者1人に対して現役世代が約1人となるとされます。

少子化:合計特殊出生率が人口置換水準2.1を相当長期間下回っている状況のことを言います。日本では「女性の社会進出」→「晩婚化・未婚化」→「出生率低下」といった構造が背景にあるとされます。日本では婚外子はわずかに2%にすぎず、「できちゃった婚」という現象があるように、最終的に「結婚→出産」という流れが基本になっているので、晩婚化・未婚化が進行するとそのまま出生率の低下になってしまうわけです。「事実婚」が社会に広く浸透しているスウェーデンやヨーロッパでは、婚外子の割合も多く約半数を占めています。

合計特殊出生率:1人の女性がその年齢別出生率で一生の間に生むとした時の子供の数。日本では1989年に丙午の1966年の1.58をも下回る1.57となって「1.57ショック」と呼ばれ、少子化問題が深刻化しました。さらに2005年には1.26まで減少し(「1.26ショック」)、その後は1.4前後で推移していましたが、2022年に再び過去最低の1.26となりました。移民の国である米国、福祉先進国である北欧のスウェーデン、婚姻多様化政策などの出産支援策を採って合計特殊出生率を上昇させたフランスなどが常に注目されています。逆に韓国では2018年に初めて1.0を下回り、2022年には0.78まで落ち込んで深刻な状況となっています。

人口置換水準(人口置換出生率):人口が維持される出生率。これを下回ると人口は自然減となります。ほとんどの先進国では2.1とされます。

M字カーブ:女性の年齢階級別の労働力率を示すグラフにおいて、学校卒業後20歳代でピークに達し、その後、30歳代の出産・育児期に落ち込み、子育てが一段落した40歳代で再上昇するというM字を描くことを言います。日本や韓国では、よりM字の底が深い特徴的な現象を示していますが、女性の社会進出が進んでいる欧米諸国では見られない現象です。

労働力率:生産年齢人口(15~64歳)における労働力人口の割合を言います。

労働力不足:少子高齢化により、高齢者人口(老年人口)の割合が増加し、生産年齢人口の割合が減少することによって、労働の需要に対し、供給が追いつかない状況。これに対する労働力供給としては、①高齢者の活用、②女性の活用、③外国人労働者の活用、の3つが有力視されています。

単独世帯:核家族化が進んだ高度経済成長期を経て、未婚者数と高齢者数の増加と共に少子高齢社会を迎えた現在、家族と同居しない単独世帯が増加しています。

パラサイト・シングル:学校卒業後も親と同居し、基本的生活を親に依存している未婚者のこと。親に寄生(パラサイト)しているように見えることから、社会学者の山田昌弘が提唱しました。

リプロタクティヴ・ヘルス/ライツ:女性の性と生殖についての健康とそれを守る権利のこと。女性の地位向上を目指して、国際人口・開発会議で宣言されました。

アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置):これまで差別を解消するために、不利な立場に置かれていた人に、有利な条件をつけて平等が実現するように積極的な措置を取ること。マイノリティや女性などに対して、入学・雇用などで積極的に優遇的措置を取るなど、社会における人種やジェンダー等の構造的差別の解消に向けて実施される、暫定的な措置です。

選択的夫婦別姓制度:民法第750条では、「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」とし、夫婦同氏の原則を定めているので、選択的夫婦別姓制度は現行民法では認められていません。
男女雇用機会均等法:1986年施行。就業における男女平等の促進が定められました。

育児・介護休業法:1995年制定。労働者は男女を問わず、法的には育児や介護のための休業を取得できるようになりました。「育児の社会化」「介護の社会化」が目指されることとなりました。

介護保険制度:2000年施行。高齢者の介護を社会全体で支えていくため、介護を必要とする人に在宅や施設でのサービスを提供。財源や介護する側の人材不足など課題も多く、さらなる支援体制の整備が必要とされています。本来、新たな国民負担が生じるような改革は敬遠されるものですが、この介護保険制度は必要性が国民の間でも認識されており、目立った反対もないまま、負担が増加した珍しいケースとなりました。
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