英文法がちんぷんかんぷんなら?

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 言葉のルールが「文法」なので、英文法を知らずして、英語の理解はあり得ません。よく、「日本の英語教育は英文法偏重で間違っている。それが証拠に中・高6年間、大学4年間も加えれば10年間も英語を学んでいるのに、一向にしゃべれるようにならないではないか」と言われますが、これは目的論と方法論の違いがあるのです。英語を話せるようになるためにには、当然、英語環境に入るのが一番です。日本であればネイティブと会話し、英語以外使わないような授業を受けるしかなく、理想的には生活圏を英語圏に移すのがベストです(大体、8ヶ月くらいで日常生活は大丈夫とされます)。何度も耳に入るものほど定着し、聞き取れるものだけがしゃべれる(聞き取れないものをしゃべることは不可能です)わけですから、子供が言葉を習得するプロセスを考えれば容易に理解されます。ところが、大人の場合、こうした自然な言語習得のプロセスに加えて、子供よりも格段にすぐれた「論理的思考力」「理解力」といった能力を持っています。このため、文法を通じた構造的理解が有効になってくるわけです。
 実際、子供でも日常会話は3歳くらいでもかなりしゃべれたりしますが、高度な内容を読み書きできるわけではありません。それには最低でも10数年を要するでしょう。文法が力を発揮するのはこの領域なのです。欧米に留学した日本人が会話で苦労するのは常ですが、ペーパーテストでは好成績を取ったり、時にアメリカ人の英語を直したりする人すら出てくるのは、まさにこの文法の知識によるのです。そういう意味では、批判の多い大学受験英語も、一定レベル以上の知的活動をする人には基礎学力として有効なのです。
 では、この英文法の理解がちんぷんかんぷんだとしたら、どうすればいいでしょうか。最も現実的な方法は中学校英語の英文法の復習をすることです。高校英語も中学校英語も文法は一緒で(当たり前ですが。違っていたらむしろおかしいくらいです)、中学校英語では仮定法を扱わないくらいです。むしろ、決定的な違いは前章で述べた単語のレベルにあるので、英文法の基礎固めは中学校レベルで十分と言えるのです。実際、多くの英語の名人・達人と呼ばれる人達も、「文法は中学校レベルで十分。会話はそれでできる」と言い切っています。中学校よりも下がると今度は日本語になってしまいますから(実は英語力は国語力の裏返しでもあるのですが)、ABCやThis is a pen.から始めるのが遠回りのようで一番早道でしょう。
 ちなみに英文理解のカギは主語+述語を押さえることであり、さらには文型を理解すること(長かろうと短かろうと、難しかろうと易しかろうと、どんな英文も5つの文型で理解できます)ですが、その文型を決定するものは「動詞」です。したがって、「文型を制する者は英語を制する」、ひいては「動詞を制する者は英語を制する」と言えそうです。動詞によって時制・相・態・法・文型などが決定され(ちなみにもう一つの重要要素・名詞においては人称・数・性・格の概念が出てきます)、関連の深い動詞グループとして助動詞・不定詞・分詞などが挙げられます(名詞グループでは冠詞・代名詞などが挙げられます)。そして、基本動詞を言い得るものは大体20個前後であり、これはコア・イメージを理解した上で使いこなせるようにしたいものです。ある程度、使用頻度が高い動詞としても120~140個ぐらいですので、そんなに数が多いわけではありません。まずは、「動詞のエキスパート」を目指しましょう。
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