昨晩の振り返り
アメリカで重立った経済指標はなかったが、日銀会合を控えてドル円は日中から続く円売りに上昇した。
ブルームバーグの調査によると、日銀の政策金利の最終到達点(ターミナルレート)の予想は中央値で1.25%と報じられている。エコノミスト予想とはいえ、利上げの上限が示されたことが一定程度の円売りにつながった様子だ。
一方、FRBのウォラー理事からは「労働市場は非常に軟調」と以前からの主張が繰り返された。しかし「利下げを急ぐ必要はない」との見解も示されたことで、トータルではドル買い材料との見方が勝ったようだ。
12月19日10時30分時点のドル円は155円60銭付近を推移し、値動きに神経質さが出始めている。
今夜の注目ポイント
今夜は昨晩と異なり材料に豊富な一日。イギリスとユーロ圏で政策金利の公表が控え、アメリカでは消費者物価指数(CPI)が公表される。
21時:イギリス政策金利
0.25%の引き下げにより3.75%となる予想。イングランド銀行のMPC(金融政策委員会)メンバー9名のうち、ベイリー総裁を除く8名は鳩派3名、タカ派3名、中立2名とバランスが取れている状態にある。ある意味ではベイリー総裁が傾いた方に政策が決定していきやすい構図だ。
今回は同総裁が利下げに前向きであり、昨日公表されたインフレ率も鈍化を示したため、予想通り利下げの決定が見込まれる。今年はポンド高ドル安が続いており、先週のアメリカの利下げによって改めてその流れが見られた。今夜のイギリスの利下げがドル高・ドル円上昇材料として意識されることを踏まえておきたい。
22時15分:ユーロ圏政策金利
ユーロ圏経済はインフレ率が目標の2%水準に維持されつつあり、下手に政策金利を動かせない時期にある。
22時30分:アメリカ11月CPI
アメリカの金融当局者の間では労働市場とインフレのどちらを優先すべきかで意見が割れており、今夜のCPIはそのインフレ側の指標となる。
前年比・前月比での伸びが見られればインフレ抑制策として金融引き締め方向となり、政策金利の据え置きが期待される。ドル円にとっては日米金利差が維持されることでの上昇材料だ。
今夜のCPIは11月分だが、政府閉鎖の影響で公表を取りやめた10月分の数値もデータが入手できた範囲については公表される見通し。前回のCPIでは全体として極端な伸びの鈍化はなかったものの、住居費の鈍化がインフレ沈静化の兆しとして好感された。今回も住居費がさらに落ち着くなら、単にインフレ率が鈍化する以上に市場は好感すると思われる。
その場合、政策金利の早期引き下げを期待した急なドル売り・ドル円下落が想定されるため、CPIの見た目と実際の値動きについて冷静に受け止める準備を整えておきたい。
22時30分:失業保険申請件数
同時刻には失業保険の新規申請件数・継続受給者数も公表される。ポイントは新規申請件数の増加具合だ。
10月分の雇用者数は政府職員の退職が影響して大幅に減少していた。そこから1ヶ月が経過し、退職者が目先の転職活動を一旦休止すると見込めば、新規申請件数の増加期待からドル売り材料となる。前回の件数は前週比で4.5万件も増加しているが、政府職員の退職者数は16.2万人との報道であり、今回も増加する余地があるためドル売りへの警戒を強める必要があるかもしれない。
この指標単体でトレンドが形成されることは考えにくいが、CPIと同方向の結果が出た際には援護射撃として十分な活躍を果たすと思われる。
22時30分:フィラデルフィア連銀製造業景況指数
12月分のデータで、景気の分水嶺は0。今週月曜日にニューヨーク地区が大幅な活動の縮小を見せたため、市場心理は弱気に傾いていると思われる。
明日の日銀会合について
明日12月20日の日中には日銀から金融政策の公表がある。公表時間は定まっておらず、10時30分から13時30分が目安。0.25%の据え置きが想定内とはいえ、利上げを期待する向きも皆無ではない。据え置き決定に対する失望の円買いによるドル円下落を警戒しておきたい。
本日のサポート&レジスタンス
レベル価格第2レジスタンス156円55銭第1レジスタンス156円12銭現在値155円60銭付近第1サポート154円88銭第2サポート154円08銭
昨日が第1サポートの支えで大幅に反発したことから、本日の上下のレンジは全体的に切り上がっている。
上昇する際には心理的節目となる156円台に第1レジスタンスの156円12銭が存在するため、一度で突破できるかは疑問だ。月内の高値を目指す間には第2レジスタンスの156円55銭も存在する。
ポイントは156円12銭を超えた段階でその位置を保てるか否か。瞬間の上昇に終わった場合や、そもそも上昇がなかった際はいよいよ155円割れが警戒される。第1サポートの154円88銭はすでに155円を割れているため、ここへの到達はその後の下落のブレイクポイントとして有効かもしれない。
その際は変動幅と変動速度が月内のスケールを超えてくる可能性に注意が必要だ。リスクの許容範囲を定めるなどして、なるべく評価損を抱える期間は短くしておきたい。