AIカウンセリングについてカウンセラーとして思うこと
最近はAIチャットでカウンセリングを行う人が多くなりました。
私をご利用下さる皆さんも、日常的にAIに相談をしておられますし、私も思考の整理などでAIを活用しています。
AIは優秀です。感情的にならないし、率直に謝るし、論理的で明解な対応をしてくれます。音声タイプは私より上手に話します。
カウンセリング向けのプロンプトを仕込めばおおよそ充分です。
つまり、普通の人間よりもはるかに対話上手です。
おそらく、一般の企業の管理職よりもはるかに優秀な話し相手でしょう。
AIより上手に対話できる人は少ない
これは私の経験的な直感にすぎませんが、世間一般の人たちのなかで、AIよりも上手に対話できる人は非常に少ないです。
これは、話し方よりも、聞き方の方に問題があります。
多くの人が、途中で「わかったつもり」での対話をしています。
それは人間特有の焦りみたいなもので、「いますぐ相手にわかってほしい」という気持ちが対話の質を落としていることが多いです。
理由はいろいろでしょう。
忙しいから。早く終わらせたいから。
でも、相互理解につながらないなら意味がありません。
不完全な対話は様々なトラブルを招き寄せますし、その人の人間性を印象付け、人間関係に影響します。
おそらく、対話ができない人は、忙しくないときでも対話の質が低いでしょう。
そういう対話が「通常」になってしまうからです。
AIに聞いてみたところ
以下はAI回答です。
AIカウンセリングには、かなり明確な長所と短所があります。
◎長所
24時間いつでも使える:時間・場所を選ばない。
匿名性が高い:人には言いにくい内容を話しやすい。
心理的ハードルが低い:「相談するほどではない」と感じる段階でも使える。
考えの整理に向いている:質問、要約、言語化を繰り返せる。
何度でも話せる:同じ話をしてもAIは疲れたり苛立ったりしない。
一定した対応が可能:相談員ごとの能力差を小さくできる。
低コストで大量対応できる:企業や学校などでは特に大きな利点です。
◎短所
本当の感情理解はできない:共感的な言葉は生成できますが、人間のように感情を感じているわけではありません。
誤解することがある:文脈、皮肉、微妙なニュアンスを取り違える可能性があります。
誤った助言をする可能性がある:AIはもっともらしい誤情報を生成することがあります。
非言語情報が乏しい:表情、声、沈黙、姿勢などから状態を判断できません。
重篤なケースへの対応には限界がある:自殺リスク、精神疾患、虐待・暴力などでは専門家との連携が必要です。
依存の問題:AIとの対話だけで完結し、人との相談や受診を避けてしまう危険があります。
プライバシー設計が重要:相談内容は非常にセンシティブなので、保存・閲覧・利用範囲を明確にする必要があります。
要するに、AIカウンセリングが特に優れているのは、「治療」よりも、相談の入口・傾聴・気持ちの整理・言語化・一次相談です。
逆に、診断・治療・危機介入・複雑な人間関係の最終判断は、人間の専門家の方が優位です。
以上
AIは相談の入口・傾聴・気持ちの整理・言語化・一次相談で優れている
AI回答によると、AIカウンセリングが特に優れているのは、「治療」よりも、相談の入口・傾聴・気持ちの整理・言語化・一次相談です。
確かに、私が開発したAIハラスメント相談システムはなかなか優秀で、そのような機能を期待して設計しました。
おそらく普通の人間よりも、はるかに上手に対応しています。
ならば私のようなカウンセラーの存在意義はどこにあるのでしょう。
いつか、カウンセリングはすべてAIがカバーすることになるのでしょうか。
正直なところ、私がAIよりも優秀なカウンセラーだという自信はありません。
私は個性的なカウンセラーなの?
私のような人間に相談するよりもAIの方がよほご効率的ではないか、と思います。
カウンセラーに個性は不要でしょう。
ならば、この問題は今後ますますAI優位となってゆきます。
今のところAIに限界があることも事実ですが、AIはさらに進化してゆくでしょう。
そして、完璧に優秀なAIカウンセラーが出現するはずです。
ただし、AIは思考の整理や傾聴にはとても向いていますが、彼らが発する情報には、ある種の偏りがあります。
これについてもAIに聞いてみました。
AIに特有の偏り(かたより)
同調バイアス:相談者の考えを必要以上に肯定しやすい。
共感過多:「つらかったですね」など、共感表現を機械的に挿入しやすい。
問題化バイアス:普通の悩みまで心理的問題として分析しすぎることがある。
質問誘導バイアス:AI側が想定したストーリーに沿って質問を進めてしまうことがある。
初期情報への依存:最初に与えられた説明や仮説に引っ張られ、その後の解釈が偏る。
安全側への偏り:危険可能性を検出すると、実際の程度以上に慎重な回答になる場合がある。
平均化:学習データ上で一般的な考え方を提示しやすく、その人固有の価値観を見落とすことがある。
もっともらしさの偏り:根拠が弱くても、整合的な心理解釈を作ってしまうことがある。
AIは常識を踏み外すことができない
以上はAIの回答ですが、私が特に気になるのは、
平均化:学習データ上で一般的な考え方を提示しやすく、その人固有の価値観を見落とすことがある。
Aiは一般的な情報、いわゆる「常識的な思想」に依拠しています。
それは当然のことではありますが、それでは解決できない問題があります。
たとえば私の専門分野の一つである「コンプライアンス」です。
私はこの世の法令のすべてを完璧に守ることはできないと考えている。
しかし、AIは法令違反リスクに対して極めて慎重であり、しつこくその危険性を強調しようとします。
その結果、現実的には妥当ではないような、柔軟性に欠けていると私が思うような問いかけや情報提供をしている場面を見かけます。
法令を運用しているのは人間であり、人間は感情を持つ不完全な存在です。
よって、世の中は法令どおりではありません。
常識的判断が人を苦しめている?
世間一般で行っている「普通の行動」が問題の解決を難しくている風景もあります。
私はパワハラトラブルでの不利益処分を有害だと思っていますが、AIはそのような反応をしません。
AIはパワハラ相談において証拠保全や法的解決を前面に押し出してきますが、これは非常に有害な反応だと私は考えていて、ハラスメント相談用AIでは、そういった有害性を排除するプロンプトを設定してあります。
しかし、世間の誰もがそこを問題だとは思わないので、一般的なAIは今後もそのように反応するでしょう。
これは、「私の方がおかしい」という見られ方をされてしまう現実でもあります。
ならばそれが私の個性なのかもしれません。
私が心理法務カウンセラーと名乗るのも意味があるのかもしれないと、いま気が付きました。
そして、ほかにも私らしさがあるのかについては、さらに考えてみようと思います。