スゴイ懐かしく、そして、できれば見つけたくなかったモノを発見した。
二十年以上前、僕がサポートドラムとして参加したGUNDOGのデモ音源。
中国の動画サイトにあることをたまたまAIを介して知った。
少し聴いた時は、
「あれ? これ、別の人が叩いているかも」
と思った。
ところが、自分以外ではあまりやらないフレーズが出てきた。
間違いない。
これ、ワタクシが叩いている。
ヘタクソ過ぎる。
今なら、もう少し上手に叩けるだろうか。
普段の演奏とは真逆だった
当時、僕がメインで活動していたのはスピードメタルのバンドだった。
速いテンポの中で、ツーバスを高速で踏み続けるような音楽。
GUNDOGはその半分以下のテンポで、更に重たく叩く必要があった。
速い音楽では使えていたフレーズも、テンポが遅くなると全く別の聞こえ方になる。
普段の演奏方法がほとんど使えない。
まるで外国へ放り出されたような感覚だった。
それでも、初めてKの歌を聴いた時にノックアウトされた。
音楽性は全く違う。
自分のドラムとはミスマッチだと思った。
それを伝えたところ、
「それならサポートでも良いから叩いてくれない?」
と声をかけられ、参加することになった。
Kと録音した日のこと
今回見つけた音源は、ライヴで配布するために合宿形式で録音したものだった。
Kに必要な機材を訊いたところ、
「とりあえず全部持ってきて。運ぶの手伝うから」
と言われた。
当時Kが乗っていた日産Homyで迎えに来てもらい、僕はツーバスのフルセットを持ち込んだ。
ところが、レコーディングを担当したJinくんは、まさかこれほど大きなドラムセットが来るとは思っていなかったらしい。
マイクが足りず、左側のバスドラムは使えない。
タムも減らす。
バスドラムのフロントヘッドにはマイク用の穴も開いていない。
結果として、演奏だけでなく、ドラムの音も少し引っ込んだ仕上がりになった。
スタジオへの到着も遅くなり、焦って演奏したため、なかなかOKテイクが録れなかった。
僕がナーバスになっていた時、Kが缶コーヒーを奢ってくれた。
Kは小柄で、金髪で筋肉質。
入れ墨も多く、見た目はかなりイカツイ。
人見知りではあったけれど、周囲への気配りが半端ではない人だった。
あれほど人に気を配る人には、その後出会っていない。
今のドラムへつながった経験
僕は当時、アンチツインペダル派だった。
使うならツーバス。
そうでなければシングルバス。
ところがKから、
「ここはツインペダルでバスドラムの連打が欲しいな」
と言われたことがあった。
その時は対応できなかったけれど、GUNDOGを抜けた後、結局ツインペダルを購入した。
演奏方法だけでなく、機材の考え方にも影響を受けていたらしい。
何より大きかったのは、Kの歌を聴きながら演奏したことだった。
それまでの僕は、ドラムが音楽を前へ引っ張るような叩き方をしていた。
GUNDOGでは、歌を聴き、歌の流れにドラムを絡ませる必要があった。
僕がヴォーカルを中心に考えてドラムを組み立てるようになった入口は、恐らくこの頃にある。
Kと出会わなかったら。
GUNDOGのサポートをしなかったら。
今の演奏方法は少し違っていたかもしれない。
受け取らないままになった音源
ライヴの打ち上げが終わった頃、Kから言われた。
「あれ? Fuyukiちゃん、音源渡してなかったっけ?」
僕は、
「今度会った時で良いからちょうだい」
と答えた。
結局、その音源を受け取ることはなかった。
それが二十年以上経って、中国の動画サイトから出てきた。
本人から受け取るはずだったものが、とんでもなく遠回りして届いた。
何とも不思議な話だ。
ホロスコープには何が出ていたのか
音源を見つけたのは、2026年7月25日。
この時期の僕は、インド占星術で大きく見ると、
木星―水星―金星
という運勢期間にいる。
水星は、録音データ、通信、インターネット、過去の情報。
金星は、音楽や表現。
木星は、過去の経験を現在の視点から捉え直し、そこに新しい意味を見つける働きを持つ。
これらを組み合わせると、
過去に録音した音源がインターネットを通じて戻り、その経験の意味を改めて確認する
という流れが生まれやすい時期だったと読める。
この日の星回りでは、外国やインターネット、通常とは異なる経路を表すラーフが、僕の社会的な活動に関係する場所を通過していた。
Kから直接受け取るはずだった音源が、二十年以上経って中国の動画サイトから見つかる。
この妙に遠回りな経路は、いかにもラーフらしい。
現在の土星は、昔の仲間や所属していたグループ、長期間止まったままになっていた縁に関係する場所を刺激している。
GUNDOGを抜けた後、音源を受け取らないままKとは会わなくなった。
その未完了のものが、長い時間を経て戻ってきた。
更に現在の木星は、僕のホロスコープで、手を使う技術、演奏、練習、録音に関係する場所を通過している。
だから今回の出来事は、単に昔のヘタクソな演奏を発掘してしまっただけではないように見える。
昔の音源と現在の感覚を比較し、
自分のドラムが、どこから変わり始めたのか
を確認するタイミングだったとも読める。
今ならもっと上手に叩けるだろうか。
恐らく、当時とは全く違う演奏になる。
技術だけではない。
歌の聴き方や、音を置く場所が、当時とは変わっているから。
二十年以上受け取れなかった音源が、今になって現れた。
この日のホロスコープは、
過去の音楽経験が通常ではない経路から戻り、現在の自分との違いを確認する日
だったと読める。
K、二十年以上かかったけれど、音源届いたよ。
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