【1級FP監修】ご家族の社会保険の扶養には、いつまで入れる?年齢と年収の基準を分かりやすく解説

【1級FP監修】ご家族の社会保険の扶養には、いつまで入れる?年齢と年収の基準を分かりやすく解説

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「夫や妻の社会保険の扶養には何歳まで入れるの?」「パートや年金の収入はいくらまでなら大丈夫?」と疑問に思う方は少なくありません。

結論からいうと、健康保険の扶養は、年齢だけでみれば原則として75歳の誕生日の前日までです。

ただし、75歳未満であれば必ず扶養に入れるわけではありません。本人の収入、働き方、家族との生計維持関係、扶養する家族の健康保険の加入状況、勤め先の規模など、複数の条件を満たす必要があります。

また、一般に「社会保険の扶養」と呼ばれるものには、健康保険の「被扶養者」と、配偶者に限られる国民年金の「第3号被保険者」があります。この2つは、対象となる年齢が異なります。

今回は、社会保険の扶養の考え方や年齢・年収などの要件を解説します。

目次

1. 【結論】自身の年収、勤め先の規模、家族との生計維持関係、配偶者の働き方、ライフプランや老後生活費を考え、自分に合った社会保険の入り方を検討しよう。
2. 被扶養者の要件
3. 「健康保険の扶養」と「国民年金第3号」は別の制度
4. 健康保険の扶養には何歳まで入れる?
4.1. 75歳まで必ず扶養に入れるわけではありません
4.2. 扶養する人が先に75歳になった場合
5. 扶養に入る本人の年収はいくらまで?
5.1. 同居している場合
5.2. 別居している場合
6. 扶養判定の「年収」は前年の年収ではない
6.1. 収入に含まれる主なもの
6.2. 複数の収入がある場合
7. 自営業者は、確定申告書の所得金額だけでは判断できない
8. 年収が基準未満でも、自分の勤務先で社会保険に入ることがある
8.1. 正社員の4分の3以上働く場合
8.2. 4分の3未満でも加入する場合
9. 2026年4月から、給与収入だけの方の判定方法が一部変更
10. 配偶者が65歳になったときは「年金の扶養」に注意
10.1. 具体例
11. 年収だけではなく、将来の年金受給額も検討

【結論】自身の年収、勤め先の規模、家族との生計維持関係、配偶者の働き方、ライフプランや老後生活費を考え、自分に合った社会保険の入り方を検討しよう。

被扶養者の要件
健康保険の被扶養者は、原則として日本国内に住所があり、被保険者によって主として生計を維持されている家族が対象です。

収入基準は通常130万円未満、60歳以上または一定の障害がある方は180万円未満です。2025年10月以降、19歳以上23歳未満の親族は、配偶者を除き150万円未満に引き上げられています。

確認項目 原則的な考え方
健康保険の扶養に入れる年齢 75歳の誕生日の前日まで
一般的な年収基準 年間収入130万円未満
60歳以上の年収基準 年間収入180万円未満
19歳以上23歳未満の親族 年間収入150万円未満。ただし配偶者を除く
国民年金第3号になれる年齢 20歳以上60歳未満の被扶養配偶者
自分の勤務先で社会保険に加入した場合 年収基準未満でも家族の扶養から外れる
被扶養者要件早見表
「健康保険の扶養」と「国民年金第3号」は別の制度
「社会保険の扶養」を2つに分けて考えましょう。

制度 対象者 主な年齢要件
健康保険の被扶養者 配偶者、子、父母、祖父母など一定の家族 原則75歳未満
国民年金第3号被保険者 厚生年金加入者に扶養される配偶者のみ 20歳以上60歳未満
子どもや父母が健康保険の扶養に入ることはありますが、国民年金の第3号被保険者になるのは、厚生年金加入者に扶養されている配偶者だけです。

そのため、配偶者本人が60歳になると国民年金第3号ではなくなりますが、収入などの条件を満たしていれば、その後も健康保険の扶養に残ることは可能です。

健康保険の扶養には何歳まで入れる?
健康保険の被扶養者本人は、原則として75歳の誕生日の前日まで扶養の対象になれます。

75歳の誕生日当日からは後期高齢者医療制度の被保険者となるため、それまで加入していた家族の健康保険の扶養から外れます。65歳以上75歳未満で一定の障害について保険者である後期高齢者医療広域連合の認定を受けた場合も、認定日から健康保険の扶養ではなくなります。

75歳まで必ず扶養に入れるわけではありません
次のような場合は、75歳より前に扶養が終了します。

本人が勤務先の健康保険に加入した
本人の収入が扶養基準を超えた
扶養している家族が退職して、勤務先の健康保険資格を失った
離婚などにより生計維持関係がなくなった
同居や仕送りなどの要件を満たさなくなった
扶養している家族が退職した場合でも、任意継続健康保険を選択し、改めて被扶養者として認定されれば扶養を継続できることがあります。
一方、国民健康保険には会社の健康保険のような被扶養者制度はなく、加入者一人ひとりが被保険者となります。

扶養する人が先に75歳になった場合
注意したいのが、扶養されている本人ではなく、扶養している会社員等が先に75歳になる場合です。例えば、夫が75歳、妻が72歳で、妻が夫の健康保険の扶養に入っているケースを考えてみましょう。

夫が75歳になると、夫は後期高齢者医療制度へ移行し、それまでの勤務先の健康保険資格を失います。これに伴い、72歳の妻も夫の健康保険の扶養ではいられなくなり、自身の勤務先の健康保険や国民健康保険など、別の医療保険へ加入する必要があります。

つまり、健康保険の扶養が続くのは、原則として次のうち最も早く到来する時点までです。

扶養に入る本人の年収はいくらまで?
健康保険の扶養に入るための主な年間収入基準は、次のとおりです。

本人の年齢・状況 年間収入の基準
原則 130万円未満
60歳以上 180万円未満
一定の障害がある方 180万円未満
その年の12月31日時点で19歳以上23歳未満の親族 150万円未満
上記19歳以上23歳未満であっても配偶者の場合 原則130万円未満
大切なのは、「130万円以下」「180万円以下」ではなく、未満という点です。

したがって、年収130万円ちょうど、180万円ちょうど、150万円ちょうどは、原則として基準を満たしません。

同居している場合
同居している家族については、本人の年間収入が基準未満であることに加えて、原則として、本人の収入が扶養する被保険者の年間収入の2分の1未満であることが必要です。

ただし、本人の収入が扶養者の2分の1以上であっても、扶養者の収入を上回らず、扶養者が世帯の生計維持の中心と認められる場合は、個別事情を踏まえて扶養認定されることがあります。

別居している場合
別居の場合は、本人の年間収入が基準未満であり、さらに、本人の収入が扶養者から受け取る年間の仕送り額より少ないことが必要です。

なお、配偶者、子、孫、兄弟姉妹、父母、祖父母などは、必ずしも同居している必要はありません。一方、伯父・伯母、叔父・叔母、甥・姪など、これら以外の3親等内の親族は、原則として同居が必要です。

扶養判定の「年収」は前年の年収ではない
健康保険の扶養判定でいう年間収入は、前年1月から12月までの確定した収入ではありません。原則として、扶養認定を受ける時点から見た今後1年間の収入見込みで判断します。

例えば、月給が10万円で今後も同じ働き方を続ける予定であれば、年間収入見込みはおおむね120万円です。前年の年収が130万円を超えていても、退職や勤務時間の減少などにより今後の収入が130万円未満になると見込まれる場合は、扶養認定を受けられる可能性があります。


収入に含まれる主なもの
扶養判定では、原則として次のような収入を合算します。

収入の種類 扶養判定上の主な考え方
給与・パート・アルバイト収入 税金や社会保険料を差し引く前の収入を基に判断
公的年金 老齢年金だけでなく、障害年金・遺族年金も原則として含む
雇用保険の失業給付 収入に含む
傷病手当金・出産手当金 収入に含む
自営業・不動産収入 総収入から、事業遂行に直接必要と認められる経費を控除
その他の継続的収入 加入先健康保険の基準により判断
障害年金や遺族年金は税法上非課税ですが、健康保険の扶養判定では収入に含まれます。税金がかからない収入であっても、健康保険上の収入に含まれることがあるため注意が必要です。

複数の収入がある場合
パート収入、公的年金、事業収入などがある場合は、原則として、それぞれを別々に判定するのではなく合計額で判断します。

例えば、62歳の方が次の収入を得ている場合を考えてみましょう。

公的年金:年間100万円
パート収入:年間70万円
合計:年間170万円

60歳以上の収入基準は180万円未満なので、収入面では基準内です。

しかし、ここに年間10万円の事業収入などが加わり、合計が180万円になれば、原則として「180万円未満」の基準を満たさなくなります。

自営業者は、確定申告書の所得金額だけでは判断できない
自営業や不動産収入がある方は、確定申告書上の「所得金額」がそのまま健康保険上の年間収入になるとは限りません。健康保険の扶養判定では、年間の総収入から「その事業を行うために直接必要な経費」を差し引いて収入を計算します。

直接必要経費とは、小売業ならば仕入れ費、製造業なら原材料費など、その経費がないと事業が成り立たない経費を表します。

税法上必要経費として認められている費用であっても、健康保険の扶養判定では控除が認められない場合があります。そのため、青色申告特別控除後の所得金額だけを見て「130万円未満」「180万円未満」と判断しないことが重要です。

加入先の健康保険組合などから、確定申告書、青色申告決算書、収支内訳書、売上や経費の明細などの提出を求められる場合があります。

年収が基準未満でも、自分の勤務先で社会保険に入ることがある
「年収が130万円(60歳以上180万円)未満だから、家族の扶養に入れる」とは限りません。

本人が勤務先の健康保険・厚生年金の加入要件を満たす場合は、年収が130万円(60歳以上180万円)未満であっても、自分の勤務先の社会保険に加入します。
その場合、家族の健康保険の扶養には残れません。

正社員の4分の3以上働く場合
1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数が、同じ職場の通常の労働者の4分の3以上であれば、パートやアルバイトという名称にかかわらず、原則として勤務先の社会保険に加入します。

4分の3未満でも加入する場合
厚生年金の被保険者数が常時51人以上の企業等で働き、次の条件を満たす短時間労働者は、勤務先の社会保険に加入します。

加入要件 ※2027年9月まで
週の所定労働時間 20時間以上
所定内賃金 月額8万8,000円以上(2026年10月撤廃予定)
雇用期間 2か月を超えて雇用される見込み
学生要件 原則として学生ではない
企業規模 ※厚生年金被保険者数が常時51人以上等
企業規模要件も今後段階的に縮小されます。したがって、今後は「年収をいくらに抑えるか」だけでなく、「週の所定労働時間が20時間以上か」という働き方の確認がより重要になります。

2026年4月から、給与収入だけの方の判定方法が一部変更
2026年4月1日以降、収入が給与だけで、ほかの収入が見込まれない場合は、労働条件通知書や雇用契約書に記載された賃金から計算した年間収入を使って、扶養判定を受けられるようになりました。

契約上の年間収入が130万円未満などの基準を満たしていれば、従来の判定方法では一時的に基準を超えていた場合でも、扶養認定を受けられる可能性があります。

ただし、給与以外に年金、事業収入、失業給付などが見込まれる場合は、この取扱いを利用できません。また、契約期間が1年未満、シフトや手当額が不明確といった場合も対象外となることがあります。

配偶者が65歳になったときは「年金の扶養」に注意
健康保険と国民年金では、年齢の取扱いが異なります。

健康保険については、扶養する配偶者が65歳になっても、その配偶者が引き続き勤務先の健康保険に加入していれば、収入などの要件を満たす家族は健康保険の扶養を継続できます。

一方、国民年金第3号については、扶養する配偶者が65歳になり、老齢基礎年金の受給資格を満たしている場合、扶養されている配偶者は第3号被保険者ではなくなります。

扶養されている配偶者がまだ60歳未満で、自身の厚生年金にも加入していない場合は、国民年金第1号被保険者への切替えを行い、60歳になるまで国民年金保険料を納める必要があります。

具体例
夫65歳、妻58歳で、妻が夫の扶養に入っている場合を考えてみましょう。

夫が引き続き会社の健康保険に加入していれば、妻は収入などの条件を満たす限り、健康保険の扶養を継続できる可能性があります。

しかし、夫が老齢基礎年金の受給資格を満たしている場合、妻は国民年金第3号ではなくなり、原則として60歳になるまで第1号被保険者として保険料を納めます。

つまり、

健康保険の扶養は継続
国民年金第3号は終了、第1号被保険者への手続きが必要

ということになります。

年収だけではなく、将来の年金受給額も検討
ご家族の社会保険の扶養を確認するときは、次の順番で考えると分かりやすくなります。

本人が勤務先の社会保険加入要件を満たしていないか
扶養する家族が会社等の健康保険に加入しているか
本人が75歳未満か
本人の今後1年間の収入見込みが基準未満か
同居の場合は扶養者の収入の2分の1未満か
別居の場合は本人の収入が仕送り額未満か
配偶者の場合は、国民年金第3号の年齢要件も満たしているか
健康保険の扶養は、単に「年収130万円」「60歳以上なら180万円」だけで決まるものではありません。

年金、給与、自営業収入などを合算した年間収入見込みと、勤務時間、家族の年齢、退職予定などを一緒に確認することが大切です。

なお、必要書類や収入の細かな取扱いは、協会けんぽと各健康保険組合で異なる場合があります。最終的な扶養認定は、扶養する家族が加入している健康保険の保険者が行います。

本来なら、自身で社会保険加入することで将来の報酬比例部分の年金額増加や障害年金、遺族年金が手厚くなることも忘れてはいけません。

費用と効果を理解して家計に合った選択しましょう。

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