大学入試の「第一志望であること」は専願か

大学入試の「第一志望であること」は専願か

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「第一志望」を条件とする入試について

大学の総合型選抜や学校推薦型選抜の中には、出願条件として「第一志望であること」と定めているものがあります。一方で、「合格した場合は入学を確約すること」まで明記している大学もあり、この二つは厳密には同じ表現ではありません。

そのため、「第一志望」とのみ記載されている場合、合格後の辞退が制度上まったく認められない、とまでは言い切れない場合があります。総合型選抜専門塾などでは、「第一志望」とあるだけならば、「併願」として考えてよいと指導していたり、塾のHPでも、そのような説明を載せていたりするため、生徒や保護者から、「『併願』として受験できます」と主張されることは増えてきています。しかし、私の勤務校では、「第一志望」とある場合は「専願」として取り扱っています。なぜなら、「合格しても辞退できる入試」だからといって「合格しても辞退してよい入試」という意味ではないと考えるからです。

大学が「第一志望であること」を出願条件としている以上、その大学への進学を最も強く希望していることを前提に受験する入試であると考える必要があります。したがって、最初から「他大学に合格したら辞退する」という前提で出願することは、「第一志望」という条件の趣旨とは合いません。

また、大学入試は受験生個人だけでなく、高校と大学との信頼関係の上に成り立っている面もあります。特に推薦入試では、大学が毎年、高校からの入学実績や入学後の状況などを踏まえて指定校や推薦枠を見直すことがあります。そのため、「第一志望」として合格した生徒が辞退した場合、直ちに翌年度の指定校推薦に影響するとは限りませんが、大学側の高校に対する印象や信頼関係に影響する可能性は否定できません。事実、この点を大学の入試広報担当者に確認したところ、「すぐに指定校枠に影響するとは限らないが、当然、例年辞退の多い高校の印象は悪くなる」と明言されました。

つまり、辞退の影響は、辞退した本人だけでなく、翌年度以降に同じ大学を志望する後輩にも及ぶ可能性があります。

このため、勤務校では「辞退することが可能かどうか」と「辞退を前提として出願してよいかどうか」は分けて考えています。

受験生には、募集要項に「第一志望」と記載されている入試について、原則として、

「合格した場合には、その大学へ進学する意思を持って出願する入試」

と考えてほしいと思います。

もちろん、家庭の事情や健康上の理由など、出願後にやむを得ない事情が生じることもあります。そのような場合まで一律に辞退できないという意味ではありません。

一方で、「一般選抜で別の大学に合格したらそちらへ進学したい」「より志望順位の高い大学の結果を見てから進学先を決めたい」という希望がある場合には、「第一志望」を条件とする入試ではなく、併願を明確に認めている入試を選択することが望ましいと考えています。

「第一志望」と「入学確約」は必ずしも同じ言葉ではありませんが、第一志望を条件として受験する以上、その言葉の意味と大学側の意図を十分に理解したうえで出願することが、生徒本人にとっても、後輩の進路機会を守るうえでも大切だと考えています。
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